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終わるコミケット#2 猶予の月

1 :1(前スレの1) :2000/09/15(金) 17:22
「次の冬コミでコミケットはおしまいだ。」

終末まであと3ヶ月。
何かを考えるには短すぎて、何も考えないには長すぎる。

向かい合った原稿に対して 精一杯生きる。
現実から逃避するために なにもかも受け入れない。
未来を忘れるために 原稿に熱中する。

残された時間を生きる。

コミケが終わるまで。

前スレッド:
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175

20世紀でコミケットが終了するという仮想にもとづいた、
ぼくらのせかいのものがたり。

2 :1@HITcc-02p82.ppp.odn.ad.jp :2000/09/15(金) 17:26
前スレッドがかなり重くなっておりサーバの負担になるということなので、
新スレッドを起こしました。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
お断り

このスレッドの内容は全てフィクションであり、実在の人物・団体・
事件等とは一切関係がありません。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

書き込みの際は前スレッドの通読を強く推奨します。

3 :一応はおやくそくを。めんどくさ。。。 :2000/09/15(金) 17:56
このシリーズの終了は、2000年12月28日 23:00(冬コミ前日)を予定しています。
「20世紀でコミケが終わる」という前提の上でなら、どんな立場からの話でもOK。
(実在の人物が強く想起されるような場合、節度を守ること。)
新しくネタを書く前に、一度前スレッドを含めた過去の書き込みはチェックしておきましょう。
前提が極めて緩いので、通して読むといくつか矛盾などがあるかも知れませんが、
細かいことは気にしちゃぁいけません(笑)。

4 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/15(金) 23:07
http://ueno.cool.ne.jp/endofcomike/

ここにログはあるらしい。
ゆっくり読みたい人、どぞ。

5 :どーでもいいことだが。 :2000/09/16(土) 20:16
「いざよいのつき」と素直に読んでしまったがそういう理解でいいのだろうか。

6 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/17(日) 23:28
age

7 :名無しさんi486 :2000/09/18(月) 01:21
あげておく

8 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/18(月) 06:52
age
さて、今週もこのスレッドを楽しみに仕事に励みますか。

9 :サンデーライター :2000/09/18(月) 10:00
引越し先の確認。
さーて、今週も書いてみようか。

10 :サンデーライター :2000/09/18(月) 13:05
2000/10/20 23:16 山梨県富士吉田市

正和はオレが描いたコンテを読んでいる。
この冬でコミケットが最後だと聞いた時、これを描こうと決めたヤツだ。
相当なページ数だが、正和は丹念に読んでいる。
「なぁ哲也、今回のは…、何つぅか、いつもと違うな」
「まぁ、最後のコミケだし、夏コミの事もあるからな」

男性向けの創作だが、12年間地道に描いてきて確実に固定ファンを掴んできた。
そのうち3割程度が女性読者というのも、うちの特徴かもしれない。
2000年の夏コミ、オレのサークル「真夜中の紅茶」は初めて壁に配置された。
隣は2年前から参加しているエロの過激さを売りにしているサークルだった。
同じような題材を扱っているので、いつも近くに配置されている。
そのせいもあってか、どうもライバル視されているようだった。
夏コミで隣に配置されると、あからさまにオレ達と自分達のサークルを比較した。
絵がきれいでエロが過激なら、話なんか無くたって売れるんだ、みたいな事を言っていた。

「それにしても、いつもの半分もエロが無いぞ。やっぱり連中を意識してるのか?」
「はっきり言う。気に入らんな。エロの差が売上の決定的差でないことを教えてやる!」
「まぁ、お前の漫画はストーリーが強いからな。多少エロが減ったところで問題無いよ」
正和はペプシを一口飲むと、再びコンテを読み始めた。
「なぁ正和、幕張を追い出された時のこと、覚えているか?」
「忘れるか。ホテルの変更ですごい苦労したぜ」
「エロのせいで危うくコミケが潰れかけた。最近もあの時と似た感じになっていると思わないか?」
「そうだなぁ…、特に有明に移ってから来てる連中は、その辺の事を知らないからな」
「古株もさ。また同じ過ちを繰り返すと気づかないのか!」
「哲也、俺は神の存在を信じるぜ」
「神の存在って、どういうことだ?」
「悪いヤツにはバチがあたるってことさ」

11 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/19(火) 01:41
期待age

12 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/19(火) 10:10
100以下に沈んでいるのでage

13 :名無しさん@そうだ地獄へ逝こう :2000/09/19(火) 10:21
>>5
執行「猶予」だ。
ちゃんと漢字勉強したか?(藁)

と煽りつつもまだここに書き込む小説の
構想が出来上がってないんでsage。

14 :ヘッポコー1号 :2000/09/19(火) 11:35
2000/12/01 pm12:36 湾岸署

昼休みの署内に怒号が響いた、警備課課長の怒号だ
声だけでも怖いが顔も怖い、そんな人が今にも受話器を握りつぶさんとしている
「コミックマーケットの雑踏警戒は最小限で良いですと!」
相手の声は課長しか聞こえないが、どうやらかなりの人物らしい
「しかし、当日は何十万の来場数に加え、紀宮内親王殿下もいらっしゃるのですよ」
本人は怒りを押し殺しているらしいがはたから見るとやっぱり怖い、
交通課から何とか引っ張ってきた若い婦警(今は女性警官だが)も萎縮しきっている。
食事に誘うつもりだったけどそんな空気はこの空間に含有していない。
「はぁ・・・解りましたでは、その様にします」
怒りを通り過ぎて諦め顔になった課長に煮詰まったコーヒーを差し出す
「一体如何したのですか?相当ご立腹の様子でしたが」
「コミックマーケットの雑踏警戒を当初予定数の十分の一で良いそうだ」
「それは無茶ではないんですか?それに警護は?」
まだ新米の頃、雑踏警戒へ借り出されたことがあるが、
あの人だかりは尋常ならざるものがあった、
「その十分の一は全てVIP警護に回すそうだ、会場警備等はあらかじめ
用意されている訓練済みの人材でやるみたいだな」
「しかしあの広範囲のエリアにほとんど警官が居ないのは問題なのでは?
何か起こったら如何するのですか?、又警察叩かれちゃいますよ」
「仕方が有るまい、総監直々の命令だ」
「ふむ、何か妙な話ですね、わざわざ・・・」
突然話をさえぎるかのように話し掛けてくる
「確か君は当日非番だったよな?」「嫌です」
相手の提案の前に否定をした、が完全に無視され
「個人的に行ってみてはどうかね?」
「あの僕は刑事課なんすよ?何でまた・・・」
「長年警察やってると嗅覚が鋭くなってね」
理解した、一見単なる頑固なラーメン屋の親父といった感じの人、しかし
犯罪に対する嗅覚は敏感だ、そんな人物がなぜ警備課に居るかは謎なのだが。
「あーそうですねぇ、暇だったら行く事にします・・・交通費経費で落ちますかね?」
「非番の者に経費が下りるのかね?あ、そこのレインボー最中なら持って行け」
「別に良いですよ、年の瀬は何かと忙しいんですけどね、あ、捜査に行かないと」
軽く課長に頭を下げ、ヒューストンのコートを肩に掛け、正面玄関へ向かった。

15 :へっぽこー1号 :2000/09/19(火) 23:22
あ、自分のHNがカタカナだ・・・。なんで毎回ミスるんだろ・・・・。

16 :主要執筆者紹介 :2000/09/20(水) 06:27
#サンデーライター氏
東京都交通局ネタ、「巫女」ネタ、嘘ラジオ放送、東京都生活安全局ネタ(SA?)、
魔法少女ネタと多種多彩きわまるネタ展開は、参加経験の豊富さを物語る。設定情報
の共有化にもいち早く着手し、本スレッドの豊かな発展に貢献した。使いたい名台詞
を最初に決め、それが使われるシチュエーションを構築する手法に定評あり。

#三文文士氏
本スレッドの最高傑作の一つとされる、「緊急アピール」を生み出したライター。
紀宮内親王殿下がオタクではないかとする説を用いて、紀宮内親王ご来場>警備強
化というスレッドの流れの「源流」を創りだした功績は大きい。ネタは、スタッフ系
or周辺環境を支える人々の2つに大別できる。軽妙な会話形態のSSに強みあるも、
惜しむべし推敲が弱いか。名古屋駅で目撃との情報あるが、本人は黙して語らない。
バリカン便って、ミケネコトマトの配達屋さんってゲームから取ったものですか?

#字並べ屋氏
一連の「安全管理担当」シリーズの作者。押井守の強い影響をうけた作風、かなり
血なまぐさい結末を生み出すだろうと思われる。多分、ジャンルは富士見ファンタ
ジア系じゃないかな。そうすけ・みずき・かなめとくれば、フルメタル・パニック
だものね。ひょっとして、ひょっとしてなんですが、1999年8月に読者を裏切
ったことがありませんか?

#100円ライター氏
チンピラ、腐れ大手に振り回される印刷会社など、人生の不幸街道をひた走る人々
の愚かさをひたすら描くライター。女性サークルの凄惨きわまる紛争を描いた「あ
るサークルの情景」をあえて代表作として挙げよう。乾いた文体にファン層も広い
のでは。

#見習い文士氏
ちょいと貴族趣味はいった2ちゃん系スタッフ、腕章夫人、内周辺境伯、飲料部支
配人の会話を鮮やかに描いた「ザ・トップ・オブ・有明」、やるべきことをやるべき
時にやるという砂の薔薇的正義を貫かなかったために不幸になる同人少女を描いた
作品の2系列を持つやはり名文家。本業も文章関係らしい。2ちゃんによる情報パ
ニックを指摘した推察力はさすがというべきか。予告した新レーベル「前日設営編」
は、本業の多忙で順調に遅れているとのこと。奮起が期待される。

#流れ書き氏
聖地晴海への郷愁と、急速な商業文化の流入への違和感を抱きつづけるある2人の
同人作家を描くライター。紹介者は、実はこの方の文章の大ファンです。どーか、
流れ書き続けてほしいもんですな。

#ネギピロ氏
「世界庭園物語」シリーズ、「特別警備隊」シリーズの2レーベルを持つ実力派。
「世界庭園物語」シリーズの続きが出ないのは本業多忙か、はたまたあまりに広が
った設定の活かし方に考えあぐねているのか。

#コミックマーケット73氏
コミックマーケット59での「休止」を前提としたSSが主流となる中、一人20
12年の73回目の物語をつむぎつづけるライター。独自の進化を進めるのも、ま
た良き風情あり。

#Jr氏
「東日本警備サービス」シリーズを代表作とするライター。登場人物をすべてまと
めた功績は極めて大。設定情報の共有化に大きく貢献した。細かな描写に光るもの
あり。PTSDを抱えたあの女の子、いったいどうするんでしょうか。

#手動筆記人氏
池袋の「コミック革命」でいきなしの大惨事を生み出したライター中、ある意味最
強の悪人。「吉村家の兄妹」シリーズで、琴美ちゃん萌えという重要なファクター
を生み出した功績も大きい。氏の描く「最期」を楽しみにする読者も多いはず。

#素人さん氏
筆名とは裏腹、企業対応部のスタッフの苦悩を描いた手法はなかなかの玄人ぶりを
みせた。「なぎさと修」シリーズのほかも期待したい。

#311氏
こころすくような、鮮やかな「暴言」で魅せた「あずさと五月」シリーズを見事に
完結させた。「最後まで書いてこその小説」という言葉からすれば、この人が一番
上手いのかも知れない。

#仮想戦記コミケット氏
台詞まわしで魅せた初期のライターさん。本スレッドの「血なまぐさい結末」とい
う方向性は、もしかしたらこの人が作り上げたのかもしれない。「やるしかない。
そうだろ?」という台詞の格好よさは本スレッド最強かも。

#ごめんなさい、へっぽこーさんの紹介はまた今度にさせて。どーも、方向性が見
定められない。

17 :桃のお店の中華娘 :2000/09/20(水) 06:30
>三文文士様
ファンです〜がんばってくださいませ。

18 :名無し :2000/09/20(水) 08:48
100以下に沈んでいるのでage

19 :字並べ屋 :2000/09/20(水) 12:29
キャラ名の件、言われてみて、初めて気がついた。
……言われてみれば、そうだよなぁ……。

ちょっと宇津だ……。

20 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/20(水) 12:48
主要執筆者紹介さん、御苦労様ですage。

今一度、前スレから全部読み直してみた。
サンデーライター氏、三文文士氏、字並べ屋氏を始め、様々な文体でどれも見ごた
えがあるが、やはり手動筆記人氏の琴美ちゃん萌えしてしまう俺はかなり駄目な奴
かもしれない(笑)。


21 :311 :2000/09/20(水) 15:07
主要執筆者紹介さん、紹介ありがとうございます。
感想が聞けるのはとてもうれしいです。
しばらく仕事が忙しく書けませんでしたが
また書きたくなってきました。

22 :311改めしーな :2000/09/20(水) 15:12
五月はチェック入りのマップを見ながら、目的のサークルを探して歩いていた。
まだ人手は衰える事がなく混雑した会場内を人ゴミにもまれながら進んでいく。
しばらくして休憩のためにやや空いている壁際に辿り着いた。

「‘*@(%‘J>ハ=~」
背筋に寒気が走った。
今聞こえた声。聞き覚えがある、もう忘れたい声。

それは間違いなく、スケブを叩き付けてやったあの厨房の声だった。
その男の姿を見つけ、五月は足が震え出すのを感じた。
男は何人か仲間らしい人たちと共に五月の方をちらちら見ながら話し込んでいる。
「構うもんか。まだ付きまとってくるならまた追い返してやる」
五月は男達を無視して歩き出した。

と、不意に男達とは反対の方向から腕を掴まれた。
「えっとぉ、サークル『Love4U』の五月さんでしょ」
男はなれなれしく話し掛けてくる。男は何が可笑しいのかヘラヘラ笑っていた。
「そうですけど…。あの、離してもらえますか」

男が合図すると先ほどの男達がやってくる。こいつも仲間だったらしい。
「いいじゃない、ファンなんだから。サインしてよ。ずっと本買ってあげてるんだし」
これだ。自分を何様だと思っているのだろう。
『買ってあげてるんだし』
サークル参加者も一般参加者も同じ平等な参加者のはずだ。
そこには『〜あげてる』等という感情は存在しない。
もちろん、買ってくれる人に五月は感謝したい気持ちでいっぱいだが、
お客様気分でコミケットに来るような厨房には、売りたくはないし読んで欲しくもない。

23 :しーな :2000/09/20(水) 15:14
「離さないと怒りますよ」
「いいじゃないのサインぐらい。あとついでに絵も描いてよ。ほらエアのキャ、ウギャ@`アイタタタ!!」
男が最後まで言う前に、五月は男の腕をひねり上げた。
男は惨めに地面に這いずくばる。
五月の周囲を囲んでいた男達が一歩引いた。
「イタタタ、ちょ、ちょっとなにすんだ、離せよ」
イタイのはお前の頭の中だ、と思いつつ、五月は男を開放してやった。
すぐに五月から離れて、仲間の中に逃げ込む。

「何すんだ」
「ひでぇな暴力かよ」
「ちょっと頼んだだけなのに」
「いい気になってるんじゃないか」
「ヘタレ絵のくせに」
「スタッフ呼べ!スタッフ!」
「いや、警察だ!」

男達は五月を遠巻きにして勝手な事を言い合っている。
最後までこんな厨房に関わらなくてはいけないのか。
スタッフが来たら取り調べのためしばらく拘束されるかもしれない。
あそこの本買いに行きたかったな…。
五月にはそれだけが心残りだった。

24 :しーな :2000/09/20(水) 15:16
「スタッフはまだか!早く呼んでこい!」
「その必要はない」
突然五月を囲んでいた男の一人が空中を飛び壁に叩き付けられる。
近くに長身の女性が立っていた。
眼鏡をかけていて、全身黒づくめの服がとても似合っている。
どうやら壁に叩き付けられた男は、この女性に投げられたらしい。
「な、何だお前は!?」
「ただの通行人さ」
「関係ないヤツがこんな事、許さないぞ、訴えて…」
黒づくめの女性は目の前の男に拳を一閃させる。
男は鼻血を拭きながらその場に崩れ落ちた。
「まだ騒ぐ者はいるか?」
五月の周りを囲んでいた男達は身を翻して逃げ出す。
が、その頭にコミケカタログがぶち当たった。
あの分厚いカタログを投げつけたらしい。これは痛い。
直撃を受けた男は起きあがることが出来ない。
「コミケカタログは最後の武器だ。頼むからこれを使わせないでくれ」
最早、逃げ出す事も出来ずに男達はその場にへたれ込んだ。

そこに数名のコミケスタッフが駆けつけてきた。
「遅いぞ」
「すみません」
「そいつらは強制退場だ。即刻追い出せ」
「はい」
「お前らみたいのがいるからコミケが終わるんだ。今後お前らはすべての即売会に立ち入り禁止だ。もし会場をうろついているのを見つけたらこんなものじゃ済まさんぞ」
厨房達はグダグダ文句を言っていたようだがすぐにスタッフに引きずられて行った。

25 :しーな :2000/09/20(水) 15:19
この女性もスタッフなのだろうか?それにしてはスタッフ腕章を付けていない。
しかしこの女性に助けられた事は確かである。
五月はお礼を言う事にした。
「あのすみません、助かりました」
「うん、大丈夫か」
黒づくめの女性は五月の頭をポンポンと叩く。
175cmはあるだろう女性にとって154cmしかない五月は子供扱いだ。

「困った事があれば私に言え、面倒事は引き受けてやる」
女性は名刺を差し出した。そこにはカワハラという名前と電話番号だけが記されていた。肩書きは何も無い。

「もう行っていいぞ」
「え、いいんですか」
「いい、悪いのはあいつらだ」

「あの、カワハラさんはスタッフなんですか?」
「いや、ただのおせっかいな通行人さ」
黒ずくめの女性はそう言い残して立ち去った。

26 :しーな :2000/09/20(水) 15:24
カワハラはコミケスタッフではない。ただの一個人だ。
だからこそ出来る事がある。
そしてスタッフになってしまえば、出来ない事がある。

さっきのような実力行使もその一つだ。
スタッフとして実力行使を行えば、スタッフ総意の上での行為と思われてしまう。
だからカワハラはただの一個人なのだ。
いざというときには自分一人が責任を被り、犠牲となる覚悟は出来ている。
それがわかっているからスタッフもカワハラを黙認してくれている。
自分のような役割の人間が世の中には必要なのである。
「もう少し早く気づいていれば、コミケも最後を迎える事がなかったのかもな。そしてレヴォもな…」

27 :しーな :2000/09/20(水) 15:27
「本当にツライのは、その場に居ない事だ」
カワハラの脳裏に決して忘れる事のない、嫌な記憶が蘇ってくる。
レヴォのスタッフになってX年、入院した友人の見舞いの為に初めてレヴォに遅れて行った日の事件。
今でもその光景が頭に焼き付いて離れない。

自分が着いたときにはすでに事件は起こっていた。
崩れ落ちたエスカレータ、押しつぶされる人々、流血、悲鳴、鳴咽…。
参加者の悲鳴が今でもカワハラの耳に聞こえてくる。
自分が事前にそこに居たところで防げたかどうかは分からない。
だが自分が事件が起こったその瞬間に、そこに居なかったという事実はカワハラの心をギリギリと締め付けていた。
「もうあんな思いはゴメンだ」
レヴォで出来なかったこと、やらなきゃいけなかったこと。
その為に自分一人の犠牲など、何の問題があるだろうか?
二度と後悔しないためにカワハラは今日もイベントを周る。

28 :サンデーライター :2000/09/20(水) 15:28
2000/12/30 12:32 東京ビッグサイト ガレリア

いつものように、田村はガレリア2階の東端でコンビニのおにぎりを食べていた。
田村の好きな明太子は売り切れていたが、代わりに買った昆布が意外と旨い。
隣では買付け部隊が、仕入れてきた本の整理をしている。
大手が軒並み販売停止を喰らっているせいで量は少ないが、それでもかなりのものだ。
自分用に引き抜いたお気に入りサークルの本を眺めていると、向こうから村中が来た。
「やぁ田村さん、首尾はいかがですか」
「大手を廻ってない分島を廻らせてるんで、掘り出し物が多いな」
「ほほぅ。あぁそうだ、掘り出し物といえば、面白い話を聞きました」
「なんだ?」
「ある大物作家が本を出すらしいんです。この天気で搬入が遅れているとか」
「大物作家? 誰だぁそいつぁ」
村中は回りの連中に聞こえないよう用心しながら、田村の耳元で小声で名前を告げた。
「そっそいつって、あのっ、週刊誌で連載やってる超大物じゃねぇか」
「ただ、部数が200程度しかないようです。どうしますか?」
「ガセネタじゃねぇだろうな?」
「本人がスペースにいたんですよ。だから間違いはありません」
田村はペットボトルの十六茶を一口飲んだ。
「そうか。それならこの目で確かめたい。俺にも意地というものがあるからな」
「そう言うと思いました。では私もご一緒しましょう」
田村は整理をしている数人に「オレも何か買ってくらぁ」と声をかけると、村中と共に雑踏の中へ消えていった。

29 :サンデーライター :2000/09/20(水) 15:34
>>16
>使いたい名台詞を最初に決め、それが使われるシチュエーションを構築する手法
ぐぎゃぁ! わたしのSS制作法がばれてしまったぁ〜!
ちなみに使いたい(使える)台詞集を作ってます(笑)。

30 :しーな :2000/09/20(水) 15:42
メアド間違っちゃった。

×shiina@mail.goo.ne.jp
○shiina2ch@mail.goo.ne.jp

鬱打詩嚢…。

31 :へっぽこー1号 :2000/09/20(水) 17:35
改めて自分のを読んでも方向がばらばらですね・・・。
精進が足りない・・・、勿論一番足りないのは文才ですが(TT)
こうなったら狂言回しに成ってみるかな・・・

32 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/20(水) 21:49
流れ書きさん続き待ってます。

33 :流れ書き :2000/09/21(木) 01:16
もうちょっとお待ちを……
私も本職が忙しくなっていますので。

でも、とりあえず書いてはいます。

34 :三文文士 :2000/09/21(木) 03:27
>紹介者さま
感想いただきまして、まことにありがたくあります。
緊急アピールは、過去の代表の文章の切り貼りなので、私の拙い文才ではなく、代表
のプロの文章ですから、そりゃいいものにもなると思います。いくつかつなげるため
に作った言葉もありましたけど。
今後は推敲に気をつけて(苦笑)、よりよいものをより安く、お客様に提供できるよ
う努めてまいります、ぢゃなくて、これじゃあ、本業だ、よりよいSSを目指して、
修練にはげんでまいります。

あと、ミケネコトマトなんて、あんなマニアックなゲーム、良くご存知ですね。
あれは、ドイツのアウフアクセという運送会社の戦いを表現したゲームの日本版翻案
(つーかパクリ)でして、タカラ(?)の、小さなボードゲームシリーズの一部です。
ミケネコトマト・バリカン便・飛脚便・ダックスフントエキスプレス(最後だけ自信
ない)の4社があるわけで、今度のコミケでは、ミケネコダイワ・バリカン便・赤犬
エキスプレスの3つ巴による壮絶な受注競争が繰り広げられるでしょうね(笑)。
ていうか、黒猫いれて欲しい…。

>サンデーライターさん
私も名言録ってファイル抱えてます。今度、フリーのメアドとって来ますので、交換
しませんか?

35 :サンデーライター :2000/09/21(木) 10:27
>三文文士さん
>私も名言録ってファイル抱えてます。今度交換しませんか?
をを、それは嬉しい。それほど沢山あるわけじゃありませんが、是非交換しましょう。
それと、ガーディアンズの設定も少しだけ用意してあったりする(笑)。

36 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/21(木) 10:55
100番以下なのでageさせて下さい

37 :三文文士 :2000/09/21(木) 13:40
じゃあ、以上のメアドまでご連絡ください。
あと、桃のお店の中華娘さんもメールいただければ(笑)

38 :ネギピロ :2000/09/21(木) 16:18
スレッド以降&紹介有難うございます(笑)>紹介者様

短期出向で接続環境になかったのと
「世界庭園物語」の初めの奴を書いた直後くらいに
2013年ネタから2000年ネタへの統一宣言(?)が行われ
どうすんべかなーと書きあぐねておりました
風呂敷広げすぎというのも大当たりですが(笑)

2000年ネタで何かやります

ミケネコトマトは自分もさんざんやりましたナー
1000円のパーティージョイにしては異様に完成度が高かったのは
海外物のローカライズだったからですか

39 :名無しさん@そうだ便所に行こう :2000/09/21(木) 19:59
>>34
最後の一つはホットドッグなんたらだったかと(^-^;
実在の会社からの違和感の少ないアレンジに大笑いした覚えがありまする>三文文士様

40 :流れ書き :2000/09/21(木) 22:55
12/28 17:08 某南U和駅・駅前コンビニ

 がしゃこんっ……がしゃこんっ……
 紙が、どんどんコピー機から排出されてくる。
 雅人は5枚単位で手に取ると、ページ組みごとにしっかりと揃えていった。
「……はぁ」
 とは言っても、揃えるのにも一苦労。
 1枚4頁ではあるが、全部で60ページだから15枚。それが200部分あるのだから……
「どーやって持ち帰れってんだよ、これ」
 もちろん、こういうことになる。
 計3000枚。
 うずたかく積まれた紙を見ながら、雅人は大きくため息をついた。
「よお兄ちゃん! 今回も頑張ってるねぇ」
 その声に後ろを向くと、ローソンのエプロンを着た男性がにこにこ笑いながら立っていた。
「あ、店長さん……すいません、なんかずっと独占しちゃってて」
「なあに、いいってことよ。いつも通り、トナーも満タンにしてるからよ」
「あ、ありがとうございます」
「それに、紙が無くなったらいくらでも言いな。まだまだ店の奥にストックがあるからよ」
「いいんですか?」
「もちろん。あんたはうちのお得意さんだからねぇ……っと、客だ客だ。兄ちゃん、がんばれよ!」
 そう言うと、店長はカウンターに戻って並んでいた客の接客を始めた。
 雅人はそれを見て苦笑しながらも、心の中で店長に礼を告げた。
 同人誌制作活動を始めて以来5年間、和人はずっとこのコンビニでコピー誌を印刷していた。
 最初は店長にも煙たがられたものだが、毎回夏冬居座ることで結局お得意様になってしまった。
 今では、ジュースを差し入れて貰ったりしているぐらいだ。


41 :流れ書き :2000/09/21(木) 22:56
「つかーれったじぶーんーをほめてあげたいっ……」
 昔流行った歌を歌いながら、雅人はふらふらと出てきた紙束を揃え続けていた。
 朝10時から印刷し続けて、もう7時間が過ぎている。
 まるで、無限に続く作業にも思えてくるが、別に雅人にとっては辛い作業ではなかった。
 本を作ることを楽しんでいるからこそ、コピーをし続けているのだが……
「眠ぃ……」
 流石に原稿徹夜明けとなれば、気力も続くわけがない。
「寝てぇよー……」
 弱音を吐いて、コピーに突っ伏そうとする雅人。

 こつん

 突然、頭に軽い衝撃が走る。
「こらっ、ちゃっちゃと作業する!」
「……遅かったな」
 雅人が振り向くと、佳織が大きいバッグを抱えながら立っていた。
「ま、ちょっと前日設営が長引いちゃってね。それより、どう? 進んでる?」
「ああ。とりあえずお前が切った台割どおりに面付けして、コピーしてるぜ」
「どれどれ?」
 そう言って、佳織は印刷された紙を1頁分ずつチェックし始めた。
「ふんふん……ちゃんと指定通りにやってるわね。マンガもちゃんと順番通りだし」
「当たり前だろ? 面付けとか、お前に仕込まれたんだからな」
「あはは、師匠として鼻が高いわ」
 中学時代、コピーも何も知らなかった雅人に技術を叩き込んだのは、他でもない和人だった。
 実際、同人歴は雅人より佳織のほうが長かったりする。
 幕張・晴海の1つ前、東京流通センターの頃に、パソケットなどに参加していた父親に連れられてきたのだ。
「さてと……コピーはあとそれだけ?」
「ああ。これが終わったら……どうやって持って帰るんだよ。外はアイスバーンだって酷いだろ」
「それならご心配なく」
 そう言うと、佳織は先ほど雅人にぶつけた携帯電話のボタンをプッシュし始めた。
「?」
「……あ、あたし。コピー本作ったんだけど、ちょっと量が多くて。この天気だから迎えに来てくれる? ……あ、OK? ありがとっ。お礼に、コミケで何か買っておくから。それじゃーねー」
 と、佳織はニコニコ顔で電話を切った。
「どこに電話したんだ?」
「あたしのお父さん。コミケだったらまかせろって、車出してくれるって」
「…………」
 親子揃って、筋金入りだ。
 雅人はそう思いながら、排出された最後の一枚を手に取った。



42 :流れ書き :2000/09/21(木) 22:57
12/28 18:08 コンビニ前

「すいません、わざわざ来ていただいて……」
 店長に渡された袋で仕分けした紙を積みながら、雅人は佳織の父・篤志に頭を下げた。
「あ、いいのいいの。せっかく二人が頑張って作ってる同人誌なんだから、俺もちょっとは協力させてもらうよ」
「でも、今日お仕事は?」
「コミケ準備休み♪」
「…………」
 こうあっさり言い切るあたり、やはり本物だと雅人は思った。
「佳織もコミケ準備で早退したからねぇ」
「は?」
「局を午前中に出て、そのまま設営行ったんだってさ」
「……根性ありますね」
 やっばり親子と言うべきか。
「うーん……まあ、これも俺が佳織を同人に染めちゃったからなんだろうけどね」
 苦笑いしながら、篤志は最後の包みをトランクに積み込んだ。
「でも、昔のまま変わらずにいてくれて……よかったよ」
「え?」
「あ、何でもない何でもない。こっちの話だから」
 手をひらひらさせながら、苦笑する篤志。
 その時、缶を数本持った佳織がコンビニから小走りでやってきた。
「お父さん、辻原、あったかいの買ってきたよ」
「お、サンキュ」
「ありがとな」
 缶入り汁粉を二人に手渡した佳織は、座席に座るとかたかた震える手でブルタブを開けた。
 そして、一口こくんと汁粉を飲む。
「はぁ……あったかーい」
「お前、それだけ厚着してまだ寒いのか?」
「しょうがないでしょ? 寒いものは寒いんだから……」
「あはは、雅人くん。佳織ってパソコンやってるときにはどてらとか着てるんだよ」
「ちょ、ちょっとお父さん!」
 怒ったように叫んで、佳織は運転席に座った篤志の頭に缶をぶつけた。
「ほ、本当のことでしょ!?」
「言っていいことと悪いことがあるわよっ!」
 そんな親子のじゃれ合いを見て、雅人は苦笑しながら佳織の隣に座った。
「ほんと、二人とも変わらねぇなあ」
「……ちょっとは変わったもん」
「ま、そういうことにしときますわ」
 佳織のポニーテールを引っ張りながら、雅人はからかい気味に呟いた。
「ちょっとぉ……」
「冗談だって」
「それじゃ、そろそろ行こうか」
 篤志はそう言うと、ドアを閉めて車を発進させた。

43 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/22(金) 10:16
佳織ちゃん萌え〜age

44 :サンデーライター :2000/09/22(金) 12:12
>三文文士さん
なんかgooのシステム更新が終わらないので、メールの送受信ができません。
復旧次第メールを送りますので、もし今までに送ったものがあったら
こちらからのメールが届いてから再度送信してください。

以上、私信のみで失礼。

45 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/22(金) 12:48
次々と萌えキャラが出てくるね。
そのうち、お絵かき板あたりに絵が載せられたりして。

46 :どーでもいいサイドストーリーだが。 :2000/09/22(金) 13:32
『ウェルカムウェルカムウェルカム』
「・・・チャーだっつーの!」
「あ?」
「・・・だ、か、ら!ゴールデンティーチャーだっつってんだろ!」
「ああああ!五月蠅くて聞こえやしねえ!オイ!そこのオチンポ頭のファック野郎!
このクソみてエな音楽を今すぐ止めやがれ!」
「聞こえねエのかよ!この音を止めろっつってんだよ!」
『生まれたーてーの朝日がー』
「ああ?!なんだって?!」
「ビチグソ野郎がよォーーー!死にやがれッ!」
「ぎゅう」
「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!ディージェーとしてこんなアワネーな死に様ってェのも珍しいなァ!」
「ったくよォー想像力の欠如だと思わねエかァー?!どんつくどんつくクソクダラネェー四つ打ちばっか流しやがってよォォォォ!!」
『今日もお掃除ーぴーかぴかー』
「ったくよオ、コミケも終わったっつーのによオ、あ?オイ、聞いてんのかクソッケツ野郎!」
『つ、ま、ら、なーいこと』
「だからよォォォォォォ!!!誰だよ加藤ってよォォォォォォォ!」
「なあ、何が悪かっただろうな?」
「さあ?始まれば終わるモンですよ。気にすることじゃあ、ありません」
「だからヨォォォォォォォォォォォォ!!!さっきから聞いてんだろォォォォォ!!答えやがれ
よォォォォォ!加藤って誰なんだよォォォォォォォォォ!!」
「なあ、ここにいるヤツラはなんでこんなになったのかね?」
「目線お願いしますッ!」
「頭がおかしいヤツがおかしくなった理由なんて考えると、こっちまでおかしくなりますよ」
「てめえ!何下から撮ってんだよ!」
『ウェルカムトゥーウェルカムトゥー』
「レオタード着てくれよ」
「だからよォォォォォォォォォ!」
「お、あのナコ結構イイ線いってるじゃん」
『頑張るにょーちょっとだけドジな』
「写真いいですかー」
「ええ?変わった趣味してますねえ」
「加藤って誰だよォォォォォォォ!」
「よく言われるんだ。ちょっとブスでないと駄目なんだよ」
『ウェルカムトゥーウェルカムトゥー』
「だから何パンチラ狙ってんだよてめえ!」
「声かけてこようかな」
「ネットにアップしてもいいですかっ!?」
「今度オンリー開くから来て下さいねー」
『今日も君が来てくれるのー』

「ふざけんなよォォォォォ!俺だって頑張ってるんだぜエエエエ?!」

『待ってるにょ』


どーでもいいことですが、コミックマーケット73=仮想戦記@コミケットです。ハイ。

47 :>46 :2000/09/22(金) 14:59
なにごとかとおもいきや、こすぷれだんぱか?!

48 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/22(金) 15:25
いや、きっと73のコスプレ広場なんだろう・・・


49 :サンデーライター :2000/09/22(金) 19:22
>三文文士さん
gooが復旧したのでメールを送りました。

他にも連絡などがある方は、>>28などに私のメアドが入っているので。
でもSPAMは送っちゃいや〜ん。

50 :素人さん@久々にネット接続 :2000/09/22(金) 22:48
いつのまにか2つ目のスレになってる…。
>16さん
紹介していただいて恐縮です。いいんでしょうか・・・。
SSを書くのはほんとに初めてなんですよ。いつもは絵描きです。
マンガ描くのとは別の楽しさがありますよね。

とりあえず佳織ちゃん萌え〜。

51 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/23(土) 11:12
なんで土曜で祝日に仕事してんだよ俺は。
愚痴age

52 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/23(土) 12:11
>>51
大丈夫、ここに同志が一人いるから。

だんだん、萌えキャラが増えてきたねage

53 :どーでもいいことだが。 :2000/09/23(土) 15:00
おふらう使って前スレから全部読んだ。
とりあえず俺は五月ちゃん萌えって事で。
あと「佳織」って名前のキャラ二人居るのね。

54 :しーな :2000/09/23(土) 17:37
>>53
> とりあえず俺は五月ちゃん萌えって事で。
うひゃー、めっちゃうれしいです。
うーん、一人でも萌えてくれる人がいてくれて嬉しいです。
書いた甲斐がありました。
ありがとうございます〜。

55 :カレー屋さん :2000/09/23(土) 23:07
かなり長くなるけど、投稿していいかなー?

56 :どーでもいいことだが。 :2000/09/23(土) 23:09
OK.

57 :カレー屋さん :2000/09/23(土) 23:10
その前に聞いておきたいんですが、sageなくていいですか?
あと、これからも続けていきたいんですけど。


58 :どーでもいいことだが。 :2000/09/23(土) 23:15
まあ一応下げとけ。あとネタさえあれば続けていいぞ。

59 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/23(土) 23:17
つーかもうコミケット73は書かないのか?個人的にはこのスレのNO.1で一番楽しみにしてるんだが・・・

60 :カレー屋さん :2000/09/23(土) 23:20
とりあえずsageでやってみよう。問題あったら指摘お願いしマス。
 
 『えー、嘘、終わってほしくなーい!』
 『終わるって言っても、休止宣言なんでしょ?』
 『青春でした』
 『最近の買い専ってガラ悪ぃーから。徹夜だとか、ダミーサークルだとか、列とかも。
 ほら、前の夏コミ、『ヒッターダッシュ』、けが人まで出したじゃない』
 『今まで続けられたって事が奇跡なんすよ。米沢さん、今まで良くやったって感じす』
 『別に、レヴォもあるし。どうせコミケの後釜狙ってる企業もあるだろうし』

 「インタビューされる側も危機感が無いわ」
 TVを見ていた洋介はビールをひとくち啜って、そう毒づいた。
 「コミケが終わるってことは、他のイベントかて終わる可能性があるってことに、
  いいかげん気付っちゅうのに……」
 「まあ、関東だけでも月に何十とあるからね、オンリー入れたら」
 洋介の顔を見ずに、机に向かったまま佐和子はそう返した。
 「みんなそっちに戻るだけのこと、なんじゃないの?」
 「せやけど、ウチら、どうすんの」
 「んー」
 洋介の質問に生返事で答えて、佐和子は手を休めずにペンを走らせている。
 「このジャンルやってきて三年目、やっと前のコミケで300出て、狂喜乱舞しとったやん」
 「んー」
 「他のイベントやったら、オンリーでもええとこ100行くか行かんかやで。
  在庫もこんだけあるし」
 洋介はあぐらをかいた足をのばして、テレビを支えている段ボール箱をつついた。
 「まあ、俺等がプロデビューしたときにお宝同人誌ゆうて、ハケさせるしかないか」
 「ふふふ」
 関西育ちの洋介には相づちで笑ったことくらいすぐに分かる。
 洋介は面白くなさそうに、苦いビールを飲み干すと、腰を上げた。

61 :カレー屋さん :2000/09/23(土) 23:23
「電話使うで」
 「ん」
 洋介は電話機のジャックを抜くと、テレビを消し、その隣のパソコンラックの後ろへ顔を映した。
 「いいかげん、ここの下宿から離れへんのかいな、お前」
 腕を伸ばす。モデムの接続口まであともうすこしだ。
 「んー、家賃安いし」
 「……TVとパソコンと、クーラー入れたらブレーカー落ちる二間の下宿に
  女の子が住むっていうのが理解できへん」
 「未だに親と同居してるアンタよりマシ」
 「……」洋介はそれ以上何も言わず、パソコンの電源を入れた。
 「あー、そうだ。アンタ、そのえっち臭い壁紙、直して返ってよー」
 「なんや、ほったらかしやったんかいな」
 「8月からずっとそのまんま。妹来たときに思いっきり引かれたんだからね」
 「フォトショップとイラストレータだけしか使えんていうのも問題やと思うけど……。
  せめてホームページくらいは作れるようになりーや」
 パソコンを買うのに付き合ったのは洋介だが、彼女の今の状況を見ると、
 せっかくの高いスペックのこのマシンを値切った甲斐もないというものだ。

(まだ続く)

62 :カレー屋さん :2000/09/23(土) 23:29
「あー、あと、この原画も取り込んどいて、立ち上げたついでに」
 佐和子は書き上がった原画で洋介の背中をつついた。
 「へいへい」
 洋介はそれを受け取ると、マウスをかちかちと鳴らしながら、
 ディスプレイの画面を切り替えていく。
 「……それ、弥勒みさきの夏に売ってたやつでしょ」
 胸の部分や、股間の部分しか覆われていない半裸の少女の絵が、蠱惑的に画面からこちらを見つめている。
 「おお、ダンセー向けに興味を示さなかった佐和子さんとは思えぬ発言やね」
 「列整理もヘタなくせにあれだけ客あおって騒動おこしたら、いやでも知るわよ」
 弥勒みさき、ヒッターダッシュというサークルの漫画家だ。
 ファンの間では一冊千円の同人誌に2万の値がつき、限定本はネットオークションで
 十数万で売れたという伝説も残っている。イベントでは毎回行列ができ、前回のコミケでは
 行列に押されてけが人まで出てしまった、最大手の漫画家だ。
 「あんたも列んで、よく買えたわね」
 「いや、CD焼いて貰っただけ」
 佐和子の顔がますます呆れたものに変わる。
 「しかし、やっぱりこういうエロを描いてかんと、やっぱり売れんねんで、今の時代」
 「言っとくけど、あたし、エロなんて絶対描かないからね」
 機先を制して佐和子が言うと、洋介はやれやれと首を軽く振って、ディスプレイの壁紙を消去した。
 「やおい同人誌は好きなくせになぁ……」
 「だからってやおい描いてるわけじゃないじゃない」
 「寸止めホモな」
 「寸止めっていうなー!」
 「大体このジャンルでホモかエロに転んでないん俺等だけとちゃうんか」
 「いいでしょー、それで300売ったんだから!」
 「俺のおかげやと思え」
 「字書きが何をエラソーに!あたしの挿し絵なかったらあんたなんてファンレターもこないわよ!」
 「あーっ、お前、サイッテーやな、そう言うこという絵描きが多いから……」
 モデムのがりがりと割れた音が鳴り終わると、洋介はメールをチェックする。
 「あっこら、勝手に人のメール見るな!」
 「あ……ごめん、ついいつもの癖でやってもーた」

(まだ続く……)

63 :カレー屋さん :2000/09/23(土) 23:35
だが、次の瞬間、洋介は画面の端をちらと見て驚いた。「え?」
 「あーっ、だから、見るなって!」
 「いや、お前、70通もメールくんのか?一日に」
 「んなもの、来るわけ無いじゃない」
 「いや……今、72件、メール読み込んでんねんけど」
 洋介は画面を指さした。佐和子がその部分をのぞき込むと、なるほど確かに、
 『72通のうち三通目を読み込み中』と描かれてある。
 「スパムか……」
 洋介の表情が変わった。
 「スパム?」
 「いやがらせメール」
 「いやだ、わたしのパソコンにウイルスなんて入ってるの!?」
 「いや、そうじゃなくて……」
 洋介は受け取ったメールを次々と開封しないで破棄していく。
 「うわー、メールボックス満杯まで入れてるわ。ようやる……」
 「治るの?」
 「いや、だから……」
 『声明文』と書かれたタイトルのメールを消すだけの話しだ。
 だが単調な作業に紛れて、問題のないメールも入っているから厄介この上ない。
 「あ、まっちーからだ」
 やっと作業が終わりつつある中、受信欄には、洋介も知っている名前が差出人の手紙が多くなってきた。
 「……とりあえず、こんなもんかな。まあウイルスとかは入ってないと思うけど、念のため、な……って、おい」
 洋介の隣から顔を出した佐和子は、彼からマウスを奪うとメールの開封欄を押した。
 「あのー、顔近づいてるんですけど」
 「離れてよ」
 「お前いいかげん俺が男やってこと忘れてないか?」
 「襲う勇気も無いくせに」
 「……」
 佐和子の一言に洋介はいたく傷ついたらしく、それ以上何も言わないで、彼女から身体をずらした。
 「……うそ」
 佐和子は画面を見たまま、そう呟いた。
 「ん?」
 「さっきのメール、まだ残ってる?」
 「いや、全部消した」
 「……こういうメールだったみたい」
 まっちーと署名のあるメールには、最初にこう記してあった。
 『へんなメール届いたんだけど、そっちはどうよ?
  こういうの。
 タイトル:声明文
 名前:オタむぎ茶 投稿日:2000/09/23(土) 23:29
 
 コミケを終わらせた張本人、369を殺す』

 それはあきらかに、ただの悪戯書きのように見えた。
 だが、佐和子には、何か不吉な前兆のように見えてならなかった。

(今夜はこれでおしまい……ここに登場する人物・団体名は実在のものと
 関係ないですので)

64 :腐女子の視点から :2000/09/24(日) 00:29
他に川×笹木とか穂並み×馳せ側とか太刀川×切り沢とか考えてました。
ええ、解ってます。逝ってきます…。

65 :コミックマーケット73 :2000/09/24(日) 00:46
いや、こう、なんといいますか、みんな59書いてるのに一人だけ73もなあ・・・という気持ちでありまして、
え、オマエモナに出しますので、それで一つ。あ、ちなみに46は73のほうではなく、自分としましては59が
終わったあとのコスプレダンパと言いますか、まあ、騒いでるのは日野と神保なんですけど、そのようなもののつもりで、ここはひとつ。

66 :サンデーライター@手首負傷 :2000/09/24(日) 02:01
>「コミックマーケット73」
私は「59」の後も何らかの形で(名前だけでも)存続して、
2012年冬に開催されるものと捉えています。
だから書いてはいないけど、それに繋がるように考えています。
「終わるコミケット」の続編が「終わるコミケット 2012」って感じで。

あと、オマエモナに「終わるコミケット」(59の方)の予告編集みたいなものを
出そうかと考えているんですが(まだ考えているだけ)いかがでしょう。
ライターの方々がOKと言うなら、こちらで編集して(多少手を加えます)出したいのですが。
なんだったらコミックマーケット73さんと合体で取るとか(笑)

67 :Jr :2000/09/24(日) 02:10
今、時系列を整理してそれぞれの出来事のタイムチャートみたいな物を
書いてます。ネタをリンクさせる場合の参考になればと思って。
俺はこういう裏方的仕事の方が向いてる気がしてきたっすよ。(笑)
作品はまた思い付いたときに書いてくんで……。

>>64さん 霧沢には杉名がいるんで、立川×高島のオヤジ受けはどーでしょ?(汗)

>サンデーライターさん 俺は全然OKです。
つーかオマエモナ行くかもしれないので出てたら自分で買うかも。(笑)


68 :流れ書き :2000/09/24(日) 03:10
>サンデーライターさん
うちも全然OKです。で、行くかもしれません(藁

今現在、先書いてます。
佳織はオタク少女っぽく書いたつもりなんですけどね(^^;
さて、これからどーするか……

あ、うちもコミケは続くという前提です。

69 :三文文士 :2000/09/24(日) 03:35
>執筆者各位
謝辞・エンディングテロップを造ろうかと思います。
自分としては、ガメラ2とパトレイバー2を足して3で割ったぐらいのマジメさ・
不真面目さで行きたいなぁと思っております。
執筆者各位の参考文献、参考資料、あとお世話になったものなど教えてください
ませ。適当にでっちあげます(笑)

オマエモナの一件、当方も了解。なお、どーにか通信でもなんでもいいので、私
が入手する方法を作っていただけると幸甚の限り。


70 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/24(日) 13:39
>オマエモナの一件、当方も了解。なお、どーにか通信でもなんでもいいので、私
>が入手する方法を作っていただけると幸甚の限り。

それキボンヌ。
オマエモナに行けないけど読みたいって人が必ずいると思うので。

71 :サンデーライター@手首負傷 :2000/09/24(日) 15:11
>どーにか通信でもなんでもいいので、私
>が入手する方法を作っていただけると幸甚の限り。

>オマエモナに行けないけど読みたいって人が必ずいると思うので。

単純にMicr○s○ft W○rd(伏せなくてもいいじゃん)の文書として作るつもりなので、
それを添付ファイルとしてこちらから送ればいいと思います。
あとは各自プリンタでプリントアウト&製本。
あ、オマエモナでもフロッピーで頒布しようかなぁ(藁

72 :手動筆記人 :2000/09/25(月) 02:14
ども、悪人です(笑)
空気病に感染したり月の光に導かれたりエイエソの世界に旅立ったりしているうちに
何やら周りが急展開してるみたいでちと浦島太郎な気分だったり(^^;

>>66
えと、自分とこのパートの挿絵を描いてみたいんですがいかがなもんでしょうか?
つーか、オマエモナ01にサクール参加しようかどうか未だに迷ってたり。

>>69
一応、現時点での参考文献は2ch・自分の人生経験(笑)ということで。
これから混ぜる予定のものとしては「東京地獄変」(横山信義)
「メドゥーサ」(かわぐちかいじ)・「瑠璃」(ほんまかずひろ)
「僕の村の話」(尾瀬あきら)が有りますが…ってどんな話になるんだ?
お世話になってるBGGは「AIR」「MOON.」「ONE」「Kanon」(予定)ということで(笑)

…つーか、オイラの頭の中ではキクコさんは10/29時点でエイエソの世界に
旅立っちゃってたりするんですが…(<ヲイ)
前スレ558から続く話をどうしようか考えあぐねているうちに、さらに
続きを思いついたのでとりあえず前半部をUp。後半は明日の今頃予定。

#ちなみにハヤリのようなのでFreeのメアドを取ってみました。
handwrite@lycos.ne.jp


73 :手動筆記人 :2000/09/25(月) 02:17
2000.11.02 PM08:49 新代田・ラーメン四郎

この日、吉村正通はスーツ姿で少々不機嫌そうにカウンターに座っていた。
『いやぁ、こういう店に一緒に行ってくれそうな人ってあんた以外に
思い付かなくってさぁ、にははっ』
「そりゃ、四郎が食える奴なんて男でもそうは居ませんけど、だからって
 いきなり会社に電話かけてくるこたぁ無ェんじゃねっスか、先輩?」
『”先輩”なんて肩肘張らずに、昔どおり”晶”でいいよ、にははっ』
正通の隣に座っていた先輩−六角晶−は、そう言いながら正通の肩を
ぱしぱし叩いた。ダークグレーのワンピースに身を包んだ晶の姿は
最前線で活躍するキャリアウーマンそのものであり、更に全身から
”大人の魅力”とでも呼ぶべきオーラがふんだんに発散されていたが、
小脇に抱えた”とらのあな”のロゴ入りの手提げ袋が彼女の魅力を
ことごとく台無しにしてしまっていた。
「じゃあ、晶さん…」
『なに、吉村? にははっ』
「…その”にははっ”ての、やめてもらいませんか? 俺とみりんとの
 ときめき想い出ダイアリーが台無しになりそうなんスけど」
『そう? 喜んでもらえるかと思ったんだけどなぁ』
晶は平然とした表情で言い放つ。
「そんな、うちの妹と同じこと言わんといて下さい。それでなくても
 この前実家に帰ったときに”お兄ちゃん、待ってたにょー!!”って
 言われてえれー落ち込んでるんスから」
途端に店内に笑い声が響きわたった。
『ひゃーっはっはっは、こりゃ傑作だわ。あんた絶対血が呪われてるよ』
晶は笑いながら正通の肩をばんばんと叩く。正通は迂闊なネタを振って
しまったことを後悔しつつも”この人は相変わらずだなぁ”と安堵した。
自らがオタクであることを全く隠そうとしないのも、他人が周りに居ても
全く気にすること無く大声で笑ったりするのも、全ては晶の底抜けなまでの
大らかさが根本にあった。


74 :手動筆記人 :2000/09/25(月) 02:18
「お客さん、ニンニクは入れますか?」
カウンター越しに店長さんの快活な声が掛かる。ラーメン四郎の注文方法は
少々特殊で、出来上がり直前にトッピングの量や味の濃淡を聞かれるのだ。
「じゃあ、ヤサイ多めで」
正通はそう答える。普段の注文は”ヤサイニンニク”なのだが、今日は連れが
居たため少々遠慮した。
『じゃあ、あたしはヤサイカラメアブラニンニクで』
しかし、その連れが晶だったことを失念していた。
「こ、この人は…」
『…ニヤリ』
正通は、自分の迂闊さを呪った。

トッピングが完了したラーメンがカウンター上に置かれる。
キャベツとモヤシを水煮したヤサイと脂身たっぷりの分厚い叉焼が上に乗り、
うどんのように太くコシの有る麺が器から溢れんばかりに大量に入れられて
いる。カウンターの向こうに目線を移すと、スープを濾す際に使う玉網には
脂がつららのごとくぶら下がっており、店中には獣をまるごと煮込んだような
臭いが充満している…
ラーメン四郎とは、もはやラーメンを超越した別次元の食物であり、それは
”至福”か”悪夢”かのどちらかにしか解釈できない極端な代物だった。
ふと隣に目をやると、そこには”絶望”と銘打つべきオブジェが有った。
正通が注文したのは「小豚」という、叉焼が少々多めで麺は普通(それでも
他の店から見れば特盛クラスだが)のものだったが、晶が注文したのは
「大豚W」という、麺も叉焼も未曾有な量が盛られた代物だった。
しかもヤサイも大盛でトッピングしているため、標高が頭一個分にまで
達していた。マウンテンのかき氷もビックリだ。
『吉村、ボーっとしてると麺延びるよ』
晶はこともなげに山を食べ崩してゆく。
正通は少々呆れながら自分のラーメンを食そうとしたとき、晶の右手の
人差し指に絆創膏が巻かれいることに気付いた。
「晶さん、その指どうしたんスか?」
『あ、コレ? …ちょっと、トーンナイフで刺しちゃってさ』
「もしかして相変わらず蓋付けないでトーンナイフをペン立てに刺してる
 んスか? アレ危険だからやめろ、って大学時代に俺も含めて周りから
 散々言われてたじゃねっスか」
『うん、そうだったね…』
晶は一瞬箸の動きを止め、再びもの凄い勢いて麺をすすり始めた。
「ったく、しょーがねェな、この人は」
正通も、晶に遅れまじと食べ始めた。


75 :手動筆記人 :2000/09/25(月) 02:21
二人は閑散とした新代田駅ホームのベンチに座って電車を待っていた。
『いやぁ、食った食った』
晶は満足そうに自分の腹を叩いていた。
「食った食った、じゃ無いっスよ。晶さん、俺の豚盗ったでしょ」
正通はすっかり呆れていた。晶は正通がコップに水を汲みに行った隙に
叉焼を二枚ほど強奪し、そのうえ自分のラーメンは汁一滴すら残さぬ
までに完食してしまっていたからだ。
『据膳食わぬは男の恥、って言うじゃん。にははっ』
「晶さん、諺の意味が違います。それ以前に性別が違います。
 つーか、その”にははっ”ての、いーかげんにやめい!」
『ところで吉村、あんた冬コミ申し込んだの?』
晶は正通の訴えを意にも介さず、唐突に質問してきた。
「まぁ、もう俺にとってコミケは人生の一部みたいなもんですからねぇ」
正通も戸惑うことなく即座に話題を切り替える。
「…とはいえ、今回はいつものジャンルじゃ無かったりするんですけどね」
正通は不適にニヤリと笑った。
『へぇ、あんたのことだからハム太郎本でも作るのかと思ってたけど…
 もしかして、あんたギャルゲー系にでも移るつもりなの?』
「…移ったら何なんスか?」
正通は少々ムッとした表情で答える。
『あっちにあんたの居場所なんて無いよ。少なくとも、晴子さんが
 悪魔号にまたがって観鈴んちの納屋に突っ込むような漫画を描いて
 くるような人間なんて全く相手にされないよ』
「違いますよ、スラムキングのコスプレをした晴子さんが、ドラゴン
 騎馬軍団を率いてみりんの納屋に次々と突っ込んで来るんですよ」
『なお悪いわ!』
「…心配しなくても、AIR本とか作ったりはしませんよ。あの手の信者を
 からかうのはエヴァで懲りましたし。つーか晶さん、いったい俺の
 漫画を今までどーゆーイメージで見てたんスか?」
『やぶうち優と漫☆画太郎を足して2で割ったような作風』
「…いや、否定はしませんけどね。地獄甲子園は俺にとってバイブルですし」
『しっかし、ギャルゲー系じゃないとしたら、一体どのジャンルに移ったの?』
「…じゃあ、晶さんだけには教えてあげますよ」
『え、なになに?』
正通は、膝の上に置いていたソフトアタッシュケースを開き、中に入っている
ノートパソコンを取り出した。
『これって…シンゴパッド?』
「だから、うちの妹さんと同じギャグ飛ばさんといて下さい。こいつはThinkPad
 X20…IBMが全世界に送り出した最新最強のモバイルノートパソコンっスよ」
『で、それがどうかしたの?』
「こうするんですよ」
正通は電源キーを押下してサスペンドレジュームを走らせた。

----------
#本日はここまで


76 :流れ書き :2000/09/25(月) 03:10
>>69
参考文献ですが、
・コミケカタログ36〜58
・コミックマーケット20周年資料集
・「みずほちゃんNON STOP!」(山口りな)
・「蒼い薔薇 黒い薔薇」(幽遊白書やおい同人誌・借り物)
といったところで、今後も増えていきそうです。
第1候補、某J○QRの「Aニゲマスター」(藁)
佳織が放送局に勤めているという設定を使って……あ、佳織のモデルになった人にも感謝(藁

下北沢&コミ○ットサービス周辺で、何かネタにできんもんかなあと画策中。

77 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/25(月) 03:13
終わるコミケットオフってやったら来る人いるかなぁ
書き手&読み手が参加して元ネタなんかを暴露しあったりするの。
いや自分は幹事できないのだけど。

78 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/25(月) 09:50
>自分は幹事できない
だったら書くなよ

79 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/25(月) 10:23
聞いてみたかっただけなのでは?

80 :サンデーライター :2000/09/25(月) 11:10
>>69 三文文士さん
私の参考文献などですが…
コミックマーケットカタログ、コミケット20周年資料集、チェンジ、
会場測量図面、前日設営マニュアル、申込書、アピール
などが直接コミケットに関係する資料ですね。
それ以外のものは、もうごちゃごちゃ(笑)。
でもやっぱり自分の参加経験が一番大きいかな。

>>72 手動筆記人さん
いいですね、イラストが入るのは。
ついでにイメージカットのようなものがあると、他のパートにも使えて便利かも。

81 :サンデーライター :2000/09/25(月) 11:48
どうもgooメールの調子がよろしくないので、exciteでメアドを取り直しました。
今までに何か送った方は、お手数ですがsundaywriter@excite.co.jpに再度送信してください。

82 :しーな :2000/09/25(月) 13:20
>>72
>手動筆記人さま
> …つーか、オイラの頭の中ではキクコさんは10/29時点でエイエソの世界に
> 旅立っちゃってたりするんですが…(<ヲイ)

うひゃー、そうだったんですか。
好きだったんで出してしまいました。>キクコさん
エイエソの世界ってKANONネタですよね?
KANONやってないんで、イマイチわからないのですが、
死んだってことではないですよね?


前スレの432
> 雪上に残る足跡の先に人影が見えてくる。どうやら女性のようだ。

これがキクコさんかと思ったのですが、ハズレていたでしょうか?

83 :ネギピロ :2000/09/25(月) 15:28
2000年12月

本番前最後の拡大準備会
結城仁史(ユウキヒトシ)の最後の配属部署は誰もが予想していた西館混対ではなかった
普段は浦安の某巨大テーマパークで働き、混雑対応のスペシャリストとして知られた
彼の硬軟取り混ぜた混対スキルは「C58のいわゆる大崩壊は結城がいれば起こらなかった」
とまで言われるほど高度な物だ
今回は千代田のやんごとないお方の件もあり人の出入りが比較的管理しやすい西館には
意図的に多数の吸着剤サークルが配置されている
西館で前回以上の混乱が起こるのは誰の目にも明らかだった
だからこそ西館のスタッフは前回とは比べようもないほどの最精鋭が配置され
結城の西館配属も代表とホール長の間で内々に話が付いていたはずだった
(少なくとも結城はホール長から直接そう言われたのだ)

「メアリ…対?」
それが最後のコミケットで結城が配属された部署の名前だ
正式名称は「ブラディーメアリー対策係」と言う

代表の緊急アピールで突然の終焉を余儀なくされたコミックマーケット59
寝耳に水のこの知らせに皆が混乱し
抽選終了後はダミーサークルがスペース自体をオークションにかけるという事態まで
引き起こした(そしてこれがかなりの値段で売れた)
そんな中、当落報告やスペース売買弾劾スレッドが乱立する2ch同人版に
ブラディーメアリーと名乗る人物が一つのスレッドを立てた

84 :ネギピロ :2000/09/25(月) 15:30
私は最後のコミケット開催期間中、衆目の前で自殺する

1 名前:ブラディーメアリー 投稿日:2000/11/24(金) 01:14
私達はコミケットが無くなったら生きていけません
生きていても仕方がありません
だから開催期間中に私達は会場内で自殺します
冗談でも煽りでも荒らしでもありません
私達は本気です

当然のようにこのスレッドにはお決まりの駄レスが付いた程度で放置されていたのだが
12月に入り突如事態は加速する

17 名前:ブラディーメアリー 投稿日:2000/12/10(日) 03:28
誰も信じてくれないので私達は行動します
私達の内一人が今日ビックサイトクリエイション開催中に自殺します
会場で死ぬと即売会自体が中止されるかもしれません
だからナチュラルに中央線に飛び込むことに決まりました
それだけでは疑い深い2ちゃんねらー達に信用して貰えないので
飛び込む寸前に再度このスレッドをageます
事故時間と照らし合わせてください


192 名前:ブラディーメアリー 投稿日:2000/12/10(日) 11:36
短期間の内にスレッドが育ってうれしいです
さようなら

果たして12月10日、午前11時37分、中央線中野駅にて予告通り人身事故が発生する
遺体からは「女性である」と言うことしか判別できなかった

馬鹿な厨房がこれをマスコミにリークした為、ブラディーメアリーの「予告」は
爆発的に広まり衆目の目に触れることとなった
当該スレッドは即刻削除、警察を初めとするあらゆる団体から準備会に対して
異例の中止要請が出された
準備会上層部は、急遽臨時の拡大集会を招集しスタッフ全員に二者択一を強いた
「コミックマーケット59を断行するか中止するか」
スタッフの意見はほぼ真っ二つに割れた、数の上では断行派が若干上回ったが
上層部の殆どは中止派に回った


85 :ネギピロ :2000/09/25(月) 15:32
2000/12/27 <前日設営日>

「全く迷惑な事してくれるよな」
メアリ対の統括に任命された結城は前日設営のさなか独りごちた
「でも、これだけはちゃんとやっておかないと、当日になってから対応するのは実際問題不可能だもの」
後ろでビックサイトの図面に印をしていた統括補佐の堀之内未雪(ホリノウチミユキ)
がそんな結城の独り言に反応する
「まぁ、それはそうなんですけど」
後何カ所回るのかを考えると頭が痛くなる結城だった

ブース参画企業及び印刷会社組合からの圧力、宮内庁からの要請(年明けにも再留学するらしい)
中止しても死ぬというブラディーメアリーの恫喝等々、様々な要因が考えられたが
「最後のコミケットは最後までやり通します」
と言う代表の発言でコミックマーケット59は問題を孕みつつ開催されることになった

当日になれば万単位の体温で暑ささえ憶える会場内も前日設営中は勝手が違う
搬入用にあらゆる扉が開放されたホール内はかなり寒くボールペンを持つ未雪は
時折手で口を覆っては手を暖めていた
「次は渡り廊下の防火扉、その前にトイレ周りか、今日中に終わるかな?」
「かくれんぼするには最高の場所だな、ここは」
「はいはい、途方に暮れない」
結城達メアリ対の本日の仕事は「シーリング」だ
人が隠れられるようなあらゆる場所(千代田区のお方の絡みで配管やダクトまで網羅した
詳細な設計図面が準備会側にあったのは幸いなのか不幸なのか)の扉に業務用のビニール
粘着テープを貼っていく、これを毎日点検することで不測の事態を防ごうという物だ

86 :ネギピロ :2000/09/25(月) 15:34
「衆目の前で死ぬって公言した人間が隠れて死ぬわけねーじゃねーか」
充実感も達成感もない単調な作業に独りで居るとつい愚痴が出てしまう
「結城君ちょっと良い?」
丁度男子トイレをシールしていた結城に未雪が声をかけてくる
「何です?」
「ちょーっと気になる物見付けちゃったんだけど…」
そう言って未雪は結城を女子トイレに強引に引きずり込む
「ちょっと、未雪さん、まずいですって」
「良いじゃない誰が居るわけじゃなし」
「そう言う問題じゃないでしょう」
「これ、このおりもの入れから時計の音がするの」
確かにこぎれいな小箱から時計の秒針音のような物が聞こえる
「これを俺に開けろっていうんですか?」
「時計機能の付いたおりものなんて世界中何処のメーカー探してもないもの、絶対怪しいって」
「開けて何もなかったら俺、変態じゃないですか」
「大丈夫、誰にも言わないから、頑張れ男の子!」
「頑張れって……絶対、誰も入れないでくださいよ」
「つーかもしこれが爆発したら、俺は女子トイレで爆死するのか…」
「ごちゃごちゃ言わないでさっさと開ける!」

ビックサイト内に人の隠れられる場所はおよそ3000ヶ所にのぼり
これを30人のメアリ対で点検すると言う地味な作業は前日設営時間を丸々費やして終了した

「ご協力感謝いたします」
本庁の爆薬物処理班長から敬礼され結城もぎこちなく返礼する
「イヤーなんか私達感謝状貰えるって、地道な努力は報われるのねー」
簡単な事情聴取を受けていた(第一発見者だから)未雪がニコニコしながら戻ってくる
「アンタ何もしてないじゃないか!」
<前日設営終了、特に異常なし>


皆様お久しぶりです
果たして三日分書けるのか?(笑)

87 :俺も五月さん萌えなのだが(;´Д`) :2000/09/25(月) 15:39
>しーな様
エイエソの世界はONEネタだったかと(やったこと無いけど
KANONは「奇跡」ネタですな。

作家の皆さん頑張って下さいね。影ながら応援しております〜。

88 :へっぽこー1号 :2000/09/25(月) 17:33
2000年12月10日 18:22 湾岸署捜査部
師走のこの時期、世の中と同じように警察署も忙しい
交通の混雑、空き巣や窃盗、要人警護もかなりある、
僕は刑事部捜査1課は殺人、凶悪犯罪の担当なのでそこまで影響は無い
実際の所は応援等で忙しいのだが警備課長の話が気になり、独自に調査をしていた
調査をすると何点か気になる事が解った、尋常ならざる警備の強固さ、デマ情報の錯綜、
そして歌舞伎町でのコミケスタッフの変死体
今だ、それらは何のつながりを持っては居ない、いや、元々つながってはいないのかも知れない
でもそれらは確実に同じ濁流の中にあると思える、そう破滅という名の濁流だ

一通りの考察を終え、署のパソコンからインターネットを接続する、まだアナログ回線なのが悲しい
接続している間に夕食のキムチラーメンにポットからお湯を注いだ、キムチの匂いが部屋に広がる
回線の接続が終わり、2chと呼ばれるBBSサイトの「ニュース速報」を開く・・・なかなか開かない
落ちてるのかと思ったが単に重かっただけのようだ、しかしこの時間にそこまで重くなる事は無い
項目を見ると、ブラディーメアリーという人物に対するスレッドが乱立している
一通り目を通す事にする、そこにはとんでもない事が書き込まれていた
「おいおいマジかぁ?!」思わず麺と共に大声で素っ頓狂な声を出してしまう、
すぐ、第四方面(中野警察署の管轄)の知り合いに確認の電話を入れる

「ありがとうございました」
電話越しに礼ををし、受話器を置く
色々な事を聞けたが結局の所情報の氾濫が烈しく、実情をつかめていないらしい
・・・やはり全ては破滅へ向かっている、何とかしないといけないな・・・
生来の正義感が膨れ上がるのを感じて居ても経っても居られなくなってきた。
管轄外の僕が何処まで出来るか解らないけど、コミケ周辺の事件を調査していこうどうもへっぽこー1号です、相変わらず中身の無い文章ですね・・・(鬱)
とりあえず、今後この刑事さん(名前募集中)がいろいろ起こるであろう
事件を未然に解決できるかどうかをやっていけたらいいなぁと思っています

89 :へっぽこー1号 :2000/09/25(月) 17:37
改行が飛んでる・・・何で・・・こんなのばっかりなのかな・・・
後ろから四行目は
管轄外〜中略〜調査していこう
で本文が終わり、後は解説?が続きます、読みにくくて申し訳御座いません

90 :しーな :2000/09/25(月) 17:43
>>87
そうでしたか。ご指摘ありがとうございます。
それと、五月ちゃんに萌えて下さってありがとうございます。(^^)
自分はKANONもONEも持っているんですけどまだ未プレイなんです。
手動筆記人さんのネタを理解するためにも、早くプレイしなくては…。


サンデーライターさま
>>66
> ライターの方々がOKと言うなら、こちらで編集して(多少手を加えます)出したいのですが。
私もOKです。出たら是非購入したいです。


三文文士さま
>>69
> 執筆者各位の参考文献、参考資料、あとお世話になったものなど教えてください
一応私の参考文献は
・Cレヴォのカタログ
・電撃大王7月号「混対の虎」
ってことで。
#どっちもキクコさんネタ。

91 :手動筆記人 :2000/09/25(月) 21:09
自分の文章を読み返してたら、参考にしてる文献が結構有ったので紹介をば。

「同人誌即売会禁止令」(ひのきいでろう:同人誌)
内容は前スレ296で書いた通り。ティアズマガジンパーソナルコミックスに
なっているので、コミティアに行けばまだ在庫が残っているかも。

「りびんぐゲーム」(星里もちる)
前スレ432冒頭部の元ネタで使用。誰も突っ込んでくれなかったのでここで紹介(笑)
あと、琴美さんの性格強化用サンプルとしても適時使用。

「電脳やおい少女」(中嶋沙帆子)/「Fri-friリーフ」(蒼月ひかり)
オイラの心のオアシス(笑)

>>80
背景とメカは苦手なんで勘弁してくだちい(^^;
「ビッグサイト東館の天井を見上げるような構図」なんて頼まれたら、とりあえず泣きます。

>>82
既にフォローが入ってますが、元ネタとしては「ONE」です<エイエソ
とりあえず「この世では無いどこか」らしいです。

”先客”に関しては、以下の独白が用意されていました。

「…私は、クイーンになんかなれなくても良かったのに」

危険な展開になりそうだったので止めて良かったのかも、俺(^^;
まぁ、"先客”に関してはリンかけにおけるテリオスのようなもの、ということで。

#そういえば「よりぬきキクコさん」とゆー同人誌が出てたような。


92 :Jr :2000/09/25(月) 22:56
http://members.nbci.com/doujin2/date.txt
とりあえず簡単にまとめました。
過去スレにあったアカウント、勝手に使わせて貰ってます。(汗)

俺のネタが載ってねぇ!とか
時間(日付)間違ってるぞゴルァ!とかはメール下さい。

三文文士さん
>>69
>執筆者各位の参考文献、参考資料、あとお世話になったものなど教えてください
小説のブギーポップ、パトレイバーのコミックス、あとカタログです。
……何処が? とか言われそうだ。(笑)

93 :しーな :2000/09/25(月) 23:30
手動筆記人さま
>>91
なるほど先客はそっちの彼女でしたか。
キクコさんはコミケまでの間に、
なんとかこっちの世界に帰ってくるって展開は不可能ですかね。(^^;

> #そういえば「よりぬきキクコさん」とゆー同人誌が出てたような。
キクコさん本は2冊出ているみたいですが、私は持ってないです。
Kじゃ高くて買えないっす。(T_T)

> 「りびんぐゲーム」(星里もちる)
> 前スレ432冒頭部の元ネタで使用。誰も突っ込んでくれなかったのでここで紹介(笑)
ああ、なるほど元ネタはいずみちゃんでしたか。
琴美ちゃんも補導員に捕まっちゃいそうですね。


Jrさま
>>92
どーでもいいことですが、
五月のスペースに現れた厨房の外見の描写は全然してなかったのですが、
デブオタと書かれていたのが個人的にウケました。

94 :>Jr.さん :2000/09/25(月) 23:46
どっかで見たURLだと思ったら、前に私が取ったアカウントです。

ftp.xoom.com

ID : doujin2
Pass : doujin

元々デスクトプ公開用に作ったんですが
今は全然使ってないんで、もしファイルの共有がしたいときは
このスレの方々も自由に使っちゃって下さい。


95 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/26(火) 03:04
突然「終わるコミケット名ゼリフシリーズ」
>>前スレ195
『最後のコミケなんだよ』(日高トキコ)に一票。
この一言にいろんな思いが詰まっている様に感じます。
コミケにかける思い、妹を思いやる姉、姉を思いやる妹。
とにかく個人的には一番好きなセリフ。

96 :サンデーライター :2000/09/26(火) 10:09
>>92 Jrさん
これは便利だ(笑) 今後の参考にさせてもらいます。

97 :サンデーライター :2000/09/26(火) 12:58
タイトルイメージを作ってみました。
http://members.nbci.com/doujin2/logo.gif
544×266ピクセル 7961バイト 透明化&インターレースGIFです。白い背景用ってことで。
黒い背景の場合は、「終わるコミケット」の文字を白にすれば良いでしょう。
WordArtで並べたのをGIFにしただけなんですけどね。

98 :流れ書き :2000/09/26(火) 17:26
「ふぅ……」
 渋滞の列を見て、篤志は小さくため息をついた。
「雪道にみんな慣れてないのかねぇ、スリップ事故だなんて」
 先ほど通り過ぎた電光掲示板には、事故渋滞の文字が煌々と表示されていた。
「ちょっと時間かかっちゃうね」
「雅人くん、親御さんには連絡しなくて大丈夫かい?」
「あ、大丈夫です。俺もう門限ないですから」
「へえ、あのコミケ嫌いだった親御さんが許すなんてねぇ」
「その代わり、今は母親に動物グッズ買ってこいって言われてますけど」
 苦笑して、雅人はシートに身を預けた。
「んじゃ、認めてはもらっているんだね?」
「ええ。まあ、昔に比べれば」
「それはよかったじゃないか」
「それに比べて、あたしん家は両親が……だからねえ」
「よかったじゃないか、理解がある親で」
「ありすぎもいい所よ……」
「あはは、確かにそうだねぇ」
「他人事みたいに言わないでよ! お父さんのこと言ってるんだからね!?」
「あ、そうだったの?」
「そうよっ!」
 やっぱり、親子だよなぁ。
 雅人はそう思いながら、二人の顔を見比べた。
「そういえば、今雅人くんは何のジャンルやってるんだい?」
「あ、えっと……」
「あたしと同じジャンルよ」
「なるほど、創作少年か……あれ? 確か、前はパロディやってなかったっけ?」
「はい。今も少年マンガのパロディやってますけど、メインは創作です」
「そうなんだ。ちなみに、どのくらいジャンル変わった?」
「んと、一時期はアニメからコンシューマに行って……」
「美少女ゲームに行ったんでしょ?」
「ぐはっ!」
 言いよどんでる雅人を遮るように、ぼそっと言う佳織。
「へえ、メジャーどころに行ったんだね」
「でも……すぐ出てきましたよ、あそこからは」
「え?」
「俺、あそこには合いませんでしたから……」
 ため息をついて、雅人はぼそっと口を開いた。
「あんなの、異世界ですよ」



99 :流れ書き :2000/09/26(火) 17:27
1999.08/15 Sun. 11:08 東京ビッグサイト

「んじゃ、ちょっと行ってくるわ」
 雅人はで売り子をしている同級生にそう言うと、足取りも軽やかにスペースから出ていった。
「行ってらっしゃい〜」
 普段だったら昼頃までいた雅人だったが、この日ばかりは別だった。
 雅人が最近ハマったゲームの同人誌が、今回のコミケで初めて出るのだ。
 とは言っても、2ヶ月前に発売したばかりのゲームなので、初めてなのも当たり前なのだが。
 人混みを掻き分けて、雅人がさらに人混みの中に入っていく。
 普段のコミケだったらまだ通れる余地があったのだが、目的のジャンルに近づくにつれて、まるで壁のように掻き分けるのも困難になっていった。
 仕方なく、雅人は入口付近のほうへ戻って、通路を辿っていくことにした。
「列に2列でお並び下さい! 危険ですので、他のサークルへ行く方々の妨げにならないようにしてください!」
 スタッフの怒号が、ざわめきなどとともに飛び交っている。
 何だと思いながら、雅人はサークルリストと天井のブロックナンバーをちらっと確認した。
「……ここだな」
 そう言いながら目をやった場所には、雅人が今まで目にしたことがない光景が広がっていた。
 島にもかかわらず、いくつも延びている列。
 他の一般参加者が通れないほど、ひしめき合っている通路。
 さらに、今まで嗅いだことのないキツい異臭。
「うわぁ……」
 多少違和感を感じながらも、雅人はその混雑を見て、ゲームの人気さを感じ取った。
 そして、自分がチェックしたサークルを捜していると、そのサークルの最後尾プラカードがちらちらと動いていた。
 雅人がそこに並ぶと、大体20分ぐらいしてスペースへと辿り着いた。
 期待して、本を開く雅人。
 が……
『な……何だよ、コレ!』
 その本を見た雅人の目が、見開かれる。
 ゲームのストーリーをなぞっただけのマンガ。
 どこかで見たようなストーリーのマンガ。
 キャラに動きも表情もないイラスト。
 腑に落ちないものを感じながら、雅人は他のサークルも見ていった。
 だが、多くのサークルがありながら、雅人はそのジャンルの本を一冊も買うことはなかった。
 どれも「楽しくない」と感じたからだ。
 本当にゲームが好きなら感じられる「好き」というオーラ。
 だが、どの同人誌からもぞんざいさを感じた雅人は、どれも買おうとはしなかった。
 たちが悪いのになると、ストーリーを無視したものまであった。
「売れればいいな」というトークのある同人誌までも。
 それは雅人を失望させるのに十分ではあったが……まだ、これで終わりというわけではなかった。


100 :Jr :2000/09/26(火) 18:33
首都高での事故なんですけど、発生は28日と29日、どっちでしょう?
関連する作品は169、210、500(サンデーライターさん)と
547、548、585(百円ライターさん)辺りなんですが。(今までまとめた分だと)
一応、↓では28日事故発生にして、交通情報を一日分前倒しにしてみたんです。
http://members.nbci.com/doujin2/date.txt
これだと30日放送分の交通情報を追加するだけでOKっぽいんで。

日付を明確にせずパラレルな世界のまま進行って手もあるかも。
(最初からそのつもりで書かれてるのでしたら申し訳ない。)
この事故、ネタのリンクに結構使われてるみたいなんで聞いてみました。

101 :ログ保存人 :2000/09/26(火) 20:17
http://ueno.cool.ne.jp/endofcomike/

ここにログを保存しておきました。
さらに執筆者紹介なども。

皆様、頑張ってください。

注)私見で感想とか言ってもいいでしょうか?

102 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/26(火) 20:25
感想はsageでいいんじゃん?
あるいは >>101 のところにある掲示板を使うのはどうよ?

103 :Jr :2000/09/26(火) 21:59
2000 09/26 22:00
グランコート若宮 622号室

デスクライトの灯りの下で、ペンを走らせる音が微かに響く。

 9月26日 (火) 曇り
  今日は桂一と一緒に出かけてきた。今日で閉鎖しちゃう高級レストランへ。
  大学生の男女二人が、それなりの格好でレストランで食事してる所は、
  周りから見ればやっぱりカップルに見えるのかな?
  少なくともあたしはそう見られたかったんだ……でも、桂一はいつも通り、
  冬コミの新刊を出すための取材みたいにしか考えてない。

  冬もまた、夏と同じ制服系サークルで申し込んである。当落はまだ解らないけど……。
  もし冬コミに受からなくてもサークルをやめるワケじゃない。
  だから桂一が冬の新刊に対して熱心なのはいい事だと思う。
  コスカフェ合わせの予定だった本は落としちゃったしね。

  けど、少しくらい他の事にも……そう、例えば、周りの女の子に
  ちょっとぐらい興味を持ってくれたっていいじゃない。
  帰り道でも、あたしに大事な話があるって言うから期待して聞いたら
  『なあ佳織、新刊のメインだけどさ、メイド系とウェイトレス系、どっちにする?』
  って……。高校生の頃とちっとも変わってない。けど、あたしは結局そういう、
  何かに対して打ち込む桂一が気に入って、今まで一緒にやってきたんだ。
  たぶんこの先も……

書きかけの日記を閉じ、伸びをしてから大きなため息を吐く杉名。

(あーあ、これじゃ中学生のお子さまだわ……。
 この歳になって何やってんのよ、あたしは……。)

104 :Jr :2000/09/26(火) 22:33
目指せヘヴォン(ヌ)スレ逝き……。

105 :百円ライター :2000/09/26(火) 22:54
>Jrさん
タイムテーブルをまとめて頂いて、非常に助かります。
自分としては、首都高の事故は28日だと思っています。
サンデーライターさんの事故の話を勝手にぱくった(笑)設定ですから、28日
で問題無いと思います。
時間的には、前日搬入で首都高を通るサークル関係者が付近を通過するような時
間帯だと面白くていいかもしれません(笑)。

>サンデーライターさん
自分も賛成させていただきます。
つーか、当日買いに行きます(笑)。

>ライター各位殿
そろそろ、二日間のジャンル配置を決めてみた方が話が創り易いのでは無いでし
ょうか?どのジャンルがどういう位置に付くかで、発生するトラブルもあるでし
ょうから。
ただ、この件はライター各位からだけではなくこのスレッドを見ているサークル
関係者やスタッフの方にも考えてもらった方が、蓋然性と説得力とトラブル性(
笑)に富んだ配置が生まれるかもしれませんね。

106 :サンデーライター :2000/09/27(水) 01:32
>有明の事故
わたしは1日目(29日)のつもりで書きました。
日付を勘違いしていた頃のなので、28日になっているのだと思います。
でも首都高はしょっちゅう事故があるので、29日に事故渋滞があってもおかしくは無いです(笑)

で、今回は資料を。C59のジャンル&配置予定日です。ソースは申込書

C59ジャンルコード&配置予定日

1日目
82 FC(少女):闇の末裔・CLAMP
83 FC(青年):ヤングキング・ヤングマガジン・ヤングアニマル・ヤングサンデー・ジャンプ(少年ジャンプを除く)・アフタヌーン・モーニング・ビッグコミック・バーズ・ガム・ビーム・トライガン・頭文字D
84 FC(少年):少年サンデー・少年マガジン・少年チャンピオン・少年ガンガン・ボンボン・GAO・柴田亜美・手塚治虫・最遊記・超人ロック
87 FC(ジャンプ):車田・C翼
88 富樫義博:幽遊白書・レベルE・HUNTER×HUNTER
89 封神演義
52 ワンピース
53 SLAM DUNK:井上雄彦
54 アニメ(少年):リューナイト・ラムネ&40・CF・卒業M・E.M.U.・FSS・勇者・エルドラン・ロードス島・Weiβ・ポケモン・トルーパー・KAIKANフレーズ・あかほりさとる
55 アニメ(その他):声優・評論・情報・テレ東深夜枠・衛星枠(CS・BS)・NHK・児童・ガイナックス・ジブリ・AIC・オルフェ・高田裕三・藤島康介・伊東岳彦・麻宮騎亜・スレイヤーズ・ナデシコ・ビバップ・忍たま・リヴァイアス
57 ガンダム:全シリーズ
32 ゲーム(格闘)対戦格闘(ストリートファイター・VF・ヴァンパイア・鉄拳・サイキックF・VG・DEAD or ALIVE・あすか120%・ヴァーチャロンなど)・POWER STONE
33 SNK(格闘):KOFシリーズ・月華の剣士・侍魂・龍虎の拳・餓狼シリーズ
35 ゲーム(電源不要&オンライン):ボードゲーム・カードゲーム・テーブルトーク・PBM・MtG・Ultima Online・Diablo・Baldur's Gate
38 ゲーム(その他):評論・情報・アクション・シューティング・シミュレーション・アドベンチャー・パズル・クイズ・落ち物・サウンドノベル・音ゲー・プライズ・SRW・どこでもいっしょ・バイオハザード・ドラキュラX・ワルキューレ・パワードール・川背・ポヤッチオ・ブラックマトリスク・スペースチャンネル5・ウィズハー・デバイスレイン・マリー
47 ゲーム(RPG):幻想水滸伝:ゼルダの伝説・DQ・FE・オウガバトル・魔人学園・シャイニングフォース・スペクトラルフォース・ラングリッサー・ヴァルキリープロファイル・俺の屍を越えて行け
48 スクウェア&アトラス(RPG):FFタクティクス・チョコボ・ゼノギアス・PE・Saga・聖剣・フロントミッション・女神転生・メルティーランサー・グローランサー
49 ゲーム(育成):アンジェリークシリーズ・アルバレアの乙女・BOY×BOY・フェイバリットディア・ファンタスティックフォーチュン・エラン・遥かなる時空の中で・アリスブルー
80 FC(小説):探偵小説・ミステリー・ハードボイルド・フジミ・間の楔

2日目
10 創作(少年)
11 創作(少女):動物
12 創作(JUNE)
15 学漫
16 評論・情報:批評・イベント・飲食物・服飾・郵便・旅行・医療・ドール
21 アニメ(少女):魔法少女・ウテナ・レイアース・CCさくら・セーラームーン・守護月天・どれみ・魔法使いTai!・アキハバラ電脳組
28 ギャルゲー(PC)(初出がパソコン):ソフ倫もの・脱衣麻雀・Leaf(Aquaplus)・Key・F&C・アリスソフト・elf・AIL・B-room
29 ギャルゲー(CS)(初出が家庭用ゲーム機):恋愛SLG・育成SLG・ときメモ・センチ(ジャーニー含む)・サクラ大戦・久遠の絆・Lの季節・プリメ・卒業・プルブレ・ユナ・悠久・エタメロ・デジキャラット・シスタープリンセス
34 同人ソフト:自主制作(ソフト&ハード)・CG・MIDI・CD・ネットワーク・BBS・ポストペット
20 創作(男性向)・アニメ(男性向)・ゲーム(男性向)
60 歴史:歌舞伎
63 創作(文芸・小説):オリジナルの創作物(詩・俳句・短歌・替え歌・放送劇など)
67 SF・ファンタジー:ハヤカワ・創元
68 特撮:アメコミ
69 鉄道・メカ・ミリタリー:バス・モータースポーツ・おもちゃ・ガレキ・車。バイク
71 音楽(洋楽・邦楽):T.M.R-e・及川・PB2・野猿・DAPUMP・アジア系男性アイドル
72 音楽(男性アイドル)
73 TV・映画・芸能:必殺・舞台・演劇・ミュージカル・宝塚・女性アイドル・女性アーティスト・お笑い番組・吉本
75 スポーツ:F1・相撲・競馬

配置日未定
90 その他

107 :字並べ屋@せめてレスくらい…… :2000/09/27(水) 02:44
>>64 腐女子な方
 その手の想像はご自由にどうぞ(笑)。
 ただ、筆者的には衝動的な長谷川×仕方ないとあきらめ気味な穂波がお勧め
だったり……って、やぶ蛇だったかな、こりゃ?
(実は家で熱にうなされながら、そんなプロットも書いていたり……)

>>66 サンデーライターさん
 すっかり、お返事が遅くなりました。
 もし、当方の駄ネタ程度で末席の名誉を賜れるのでしたら、ご遠慮なくお使
いくださいませ。
 何か質問などありましたら、この度、取得しましたフリーのメアドまでご連
絡いただけましたら幸いです。
 あと、できましたら、配布の方も……(笑)。

>>69 三文文士さん
 参考文献・参考資料・お世話になったものですが、ちょっとまとめきる自信
がありません(苦笑)。
 故に少々お時間の方を頂戴したく。

>>92 Jrさん
 お疲れさまです。
 こう言う資料があると、情報の共有やら確認がやりやすくて助かります。
 ありがとうございました。
 ちなみに西4ホールで語っているスーツ姿と戦闘服姿のスタッフは、穂波と
笹倉だったりします。
 ちょいとさわりたい気持ちでいっぱいだったりもしますが(苦笑)。

108 :字並べ屋@補足っす :2000/09/27(水) 03:00
>>107
 ここで触りたいと言っているのは、無論、自分の駄文のことです(涙)。
 紛らわしくて、申し訳ないです、はい。

109 :ログ保存人 :2000/09/27(水) 04:40
>>101のHP、いろいろ修正しておきました。
あと、百円ライターさんの修正が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。

ちなみに、LHAアーカイブにまとめて欲しいって人、います?
HPに置いておきますけど。

110 :手動筆記人 :2000/09/27(水) 11:40
(前スレ#558からの続き)

『あ…』
ふと、琴美は離れたところに立っていた”先客”と目が合った。
刹那、先客は深々と頭を下げる。
『お兄ちゃん…』
琴美は正通の脇腹をつつき、先客の方を指さした。
正通は一瞬ばつの悪そうな、恥ずかしげな表情を浮かべたものの、
すぐに表情を普段の無愛想なものに戻し、先客のほうに向き直して一礼した。
琴美も兄に倣ってワンテンポ遅れてお辞儀をする。
「…そろそろ帰るか」
『うんっ!』
正通はワールドインポートマートに視線を移す。
コミケほどでは無かったものの、数多の思い出を与えてくれた会場。
初めてサークル参加したときは2桁の冊数すら売れず、これなら魔法少女
オンリー即売会のほうがよほど売れてた、と敗北感に打ちひしがれた。
それでも懲りずに参加し続けてたら、エヴァの謎が何たらと蘊蓄を垂れる
電波な客がやって来たので「ネルフに帰れこのボケ!」と言ってやったら
殴り合い寸前の大喧嘩になった。
コミックキャッスルファイナルの時は、元々空調がそれほど効かない会場
設備と一般参加者の臭気との相乗効果で館内に光化学スモッグが発生し、
それに巻き込まれて3日間寝込むハメになった。
…ロクな思い出が無かった。

『お兄ちゃん、どうしたの? 何だか顔色が悪いよ』
「いや、なんでもない。とっとと帰るぞ」
『あ、お兄ちゃんそんなに急がないでよ。雪で転んじゃうよ』
後ろで琴美が騒ぐのを無視して、正通は早足で立ち去ろうとする。
しかし、思い直して立ち止まると正通は振り返り、心の中で呟いた。

 ”さよなら”

直後、正通は胸のあたりに衝撃を感じた。
『…どうしていきなり立ち止まっちゃうかなぁ』
琴美は急には止まれなかったらしい。
「しかし、さっきは俺に急ぐなとか言っときながら、やけに早足に
 なってなかったか、お前?」
すると、琴美は指をすっと前に突き出した。
『あたし、知ってるんだからね。あそこがアニメイトだってこと』
勝ち誇ったように胸を反らす。何に勝ったのか謎だったが。
「何でチミはそういうことばっかし詳しいのかね…」
正通はがっくり肩を落とした。アニメイト池袋店はかつてK-Booksが
入っていたビルを全館借り切り、日本最大のキャラクターショップとして
生まれ変わっていた。
『さぁ、とっとと行くよ! カイゼルスパイクのグッズを沢山買うんだから!』
「せめてライジングインパクトにしてくれ…」
かなり張り切り気味な琴美の後ろを、正通はとぼとぼと付いて歩いていった。

『ところでさっきの女の人、もしかしてお兄ちゃんの知り合い?』
琴美の質問はいつも唐突だ。
「さぁ?レヴォのスタッフか何かじゃないのか?」
『だよね、お兄ちゃんに異性の知り合いなんか居るわけないもん』
「悪かったな、女の知り合い居なくて‥‥‥ああっ!」
『わぁっ、いきなり大声出さないでよ』
「あの人だよ!」
『何が?』
「さっき言ってた”おっかねぇスタッフ”って、今御辞儀してたあの人だよ!」
『ええ!? 嘘、だって全然おっかなく無かったよ、さっきの人』
「だよなぁ、イベントになると気が高ぶる人なのかなぁ」
『何かスーパーサイヤ人みたいだね』
「それは違うと思うが…まさか、あの人がカワハラキクコだったのかなぁ」
『誰それ?』
「チミは知らなくてもいい世界の人だ」
『もぉーっ、いじわるしないでちゃんと教えてよー』

スペイン坂を降りようとする直前で正通はもう一度振り返り、呟いた。

”さよなら、そして、ありがとう”


111 :手動筆記人 :2000/09/27(水) 11:44
…つーわけでちと方向転換してみました(”逃げ”ともいう)
いや、みつみ女史vs影虎隊長というのも書いてみたかったんですが
後々怖いことになりそうなノデ(笑)
もっと怖い敵&展開を思いついたし。

#ちなみに、メイト池袋店の話はマジです(^^;
ttp://www.animate.co.jp/east/ikebukuro.html


112 :流れ書き :2000/09/27(水) 16:13
2000.10/19 Sun. 10:55 池袋サンシャイン

 それからも、雅人の行くイベントは御難続きだった。
 自分が面白い本を作ればいいと思って参加したオンリーイベントなどで蘊蓄野郎に巻き込まれたり、隣にハチマキやキャラの法被を来て奇声を上げているサークルに運悪く遭遇したり、果てには両横がダミーサークルということまで経験した。
 だが、その度に「次があるさ」と思って、雅人は懲りずにサークル参加を続けた。
 夏コミが終わってからも「せっかく応募したんだから」と、Cレボで最後の本を刷って参加しようと決めていた。
 それが、トドメになるとも知らずに。

「ふぅ……」
 人の気は移ろいやすいもの。
 隆盛を極めていたジャンルは早くも廃れ始め、その次の作品の同人誌へと皆が移行し始めた。
 手に取って見てもらえることも少なくなり、また雅人自身もすでにやる気が失せていた。
 今回で3度目になる「Cレボ」への参加だったが、雅人は既に次回申込書を捨て、またいつもなら参加していたオンリーイベントのチラシも、全て屑入れに捨てた。
 何も、そのゲームが嫌いになったというわけではない。
 もしろ、そのファンの輪に加わるのが嫌になったのだ。
 異教徒・狂信者とも言うべきファンの群れ。
 夏コミで訣別を決めていた分、その姿が雅人には滑稽に見えていた。
 雅人のサークルを訪れるたび、その次回作を強引に奨めて、さらには「やる」と言って、金板を手渡す者もいたが、それもあえなく屑入れへ。
 既に、雅人は別のジャンルへ移ることを決めていた。
 昔のジャンルへと。
「今日は早めに撤収するか……」
 在庫もまったく捌けず、来る人々も話すことは新作ばかり。
 ――こういうことがあるから、俺はプレイしたくないんだ。
 心の中で吐き捨てながら、雅人は早くも手回りの物をしまい始めた。
「よう、ばよさん」
「あ、すーさん」
 雅人のP.N.、ばよえーんを呼んだ男は、そう言ってスペースの前で立ち止まった。
 すーさん……鈴木隆博。このジャンルに雅人が入ったころからいた、ある意味ジャンルの先輩だ。
 人懐っこいせいか慕われやすく、雅人も幾度か隆博の世話になったことがあった。
「どうだい? 売れ行きは」
「さっぱりですよ。30持ってきて1冊も売れないんですから……このジャンルの他のサークルも、みーんな売れてませんよ」
「そうかぁ……早かったな、流行が去るのも」
「まあ、それがこういうジャンルの常なんでしょうけどね」
 雅人はそう言って、苦笑いを浮かべた。


113 :流れ書き :2000/09/27(水) 16:14
 隆博のほうはというと、すでにこのジャンルからは撤退し、今はコンシューマー系のアクションゲーム同人誌を作っている。
 だから、こんなところで会えるとは、雅人は露にも思っていなかった。
「すーさん、今日は本買いに来たんですか?」
「いや、知り合いの手伝い。でも、知り合いも売れなくてさ。だから、ぶらぶらして見回ってるわけ」
「なるほど。どうです? 帰りにDDRやってから一杯」
「お、いいねぇ」
「今日でここもやめるつもりなんで、その相談もありますけど」
「まかせなさいまかせなさい、おにーさんが相談に乗ってあげるよ」
 笑いながら、隆博はわざとらしく胸を叩いた。
「ところで、新作ってどうなんです?」
「あー、もうありゃダメだろ。自分の世界作りすぎてて、一般には追いつけないわ」
「前ブランドの二の舞ってわけですか」
「アキバとかじゃ、まだ初回限定版が山積みだぞ。ったく、あの在庫整理はどうするってんだよ」
「また付加価値付ければ、また買ってくんじゃないですか?」
「まったくだ」
 二人はそのご当地ジャンルということも忘れ、誰彼はばかることなくそんな話を続けていた。
 その時だった。
「……? 何だ?」
 突然、ホール中がざわめきたった。
<――ぞ!>
「……え?」
<行けっ! 早く行かないと売り切れるぞ!>
<突っ込めぇぇぇぇ!!>
「!!」
 その瞬間。

 ガシャアァァァァァァァンッ!!

「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!」
 ガラスの破砕音。
 女性の金切り声。
 サークル参加者の悲鳴。
 そして……
「おりゃあぁぁぁぁあ!!」
 突っ込んでくる、一般参加者の群れ。
 突然の、破局の始まりだった。


114 :流れ書き :2000/09/27(水) 16:15
 入口は許容量などとうに超え、ドアは破壊され、回りのガラス壁も人の圧力によって破砕・あるいはひび割れを起こしていた。
「やめろ! 潰すんじゃねえ!」
「行け! 323のAir本を買うんだ!」
 サークル参加者と、一般参加者のせめぎ合い。
 さながら戦国時代とも言うべきだが、死兵と化した323ファンにサークル参加者たちが適う術はなかった。
 次々とサークルは押しつぶされ、売っていた本も、人も、次々に目の逝ってしまった一般参加者の足蹴にされてゆく。
「てめえ、本踏むんじゃねぇ!」
「いいかげんにしろ、オラッ!」
 そんな中で、雅人や隆博も他のサークル参加者と同じ、今いるスペースを死守しようとした。
 たとえ興味は薄れたとはいえ、自分の作った本を踏まれるのだけは抵抗があった。
「うるせぇ! どけっ!」
「ぐあっ!!」
 参加者の一人が雅人の顔面に肘を叩き込んだ拍子に、雅人は思わず倒れ込んでしまった。
「やべ、ばよさんっ!」
 それを見ていた隆博は、雅人の上に腹・肩・胸・顔といった急所を覆うように被さった。
「す、すーさん……」
 意識が朦朧としていた雅人だったが、本能的に机からこぼれた自分の本を片手でかき集めていた。
 だが……その本は既に足跡が付けられ、表紙もボロボロに破かれていた。
 悔しい。
 許せない。
 自分の瞳から溢れ出る、涙。
 それが頬を伝うのを感じながら、雅人の意識は急激に遠のいていった。

 雅人が目覚めたのは、病院だった。
 そこには隆博の姿はなく、看護婦に聞いてもその名前の人は運ばれてこなかったということで、雅人は不安な夜を過ごした。
 そして、次の日……

『池袋、真昼の惨劇』
『マニアの祭りが血を生んだ』
『精神異常者の集団? サンシャイン大破壊』
 一般紙・スポーツ新聞各社の一面に、大きな文字が踊っていた。
 さらにはニュースやワイドショーでも特別枠を組み、重軽傷者が運ばれた病院や名簿などが、幾度も繰り返し報じられた。
 さらにはコメンテーターたちが行ったこともない即売会の異常さを煽り立て、世の中は同人誌に対して冷たい視線を向けるようになる。

「違う……」
 病室で呟きながら、雅人はまた涙を流していた。
「こんなの、誰も望んでねえよ……」
 外人コメンテーターが即売会を罵倒する様を見て、悔しくなっていた。
 参加したこともない人間に、言われたくなんてなかった。

 コミケの次回限りでの終了が、米沢代表による手書きのアピールで伝えられたのは、一ヶ月後、11月12日のことだった。


115 :流れ書き :2000/09/27(水) 16:15
12/28 19:12 車中

「……それで、鈴木くんはどうしたんだい?」
 篤志は、ハンドルを握りながら雅人に尋ねた。
「すーさんは、どこにも入院してなかったみたいなんです。
 いくら名簿をTVで見ても、新聞で見てもなかったし……P.N.というわけでもなかったし……」
 雅人はそう言って、ため息をついた。
「無事だと、いいんですけど……」
「連絡はとれてないのかい?」
「あの人とは、即売会でしか会ってないんですよ。連絡先も、何も渡されてないんです。インターネットもやっていないって言ってましたし……」
「じゃあ、それから会ってないんだ……」
「ああ。でも……あの人だから、元気だと思うんだけどさ」
 苦笑いする雅人。
 死者は出てなかったのだから、その点は安心できるのだが。
「そうだね、便りがないっていうのは、元気な証拠だと思うよ。
 それで、雅人くんは美少女系をやめたんだね」
「はい。もう、あんな所に居たくなかったですから……」
「あたしだったら、最初の時点でもうやめてたな……つまらない本ばっかのジャンルなんて、いたくないもん」
「でも、雅人くんは自分で本を作ってどうにかしようとしたって訳か」
「無駄……でしたけどね」
「そんなこと、ないと思う」
 自嘲的に言う雅人を遮って、佳織は首を横に振った。
「永瀬?」
「あたしはそんな経験したことないけど、辻原はがんばろうとしたんだもん。そういう経験は、あたしはマイナスにはならないと思う」
 微笑む佳織。
 それを見て、雅人は思わず気恥ずかしくなった。
「そ、そうか……?」
「佳織の言うとおり。失敗も経験のうちって言うじゃないか」
「だよね。それに、辻原はまわりに染められようとしなかったんだし。
 この間も思ったけど、あまり自分を追いつめることはないと思うよ?」
 ぽんっと、佳織は雅人の頭に手を置いた。
「……なんか、手放しに喜べないんだけどな」
「気にしない気にしないっ」
「そそ、女の子に撫でられるなんて、そうあることじゃないぞ?」
「撫でてないもん」
 いい親子だ。
「うりっ」
 そう思いながら、雅人は佳織の頭を撫で返した。


116 :流れ書き@オマケ :2000/09/27(水) 16:16
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<東都新聞 2000年10月20日朝刊>

「池袋サンシャインで暴動事件」
 マニアの即売会、血の惨劇

 真昼の歓楽街が、血と悲鳴に染められた。
 十九日午前十一時半頃、東京都豊島区の池袋サンシャインシティ文化会館・ワールドインポートマートで、重軽傷者千二百名の暴動事件が発生した。原因は同日に開催されていた同人誌展示即売会「コミックレボリューション」で起きた流言によるもので、参加者の多くが文化会館のホールに殺到、破壊活動を繰り返した後、中にいた別の参加者と小競り合いを繰り返した。また、同時刻に重量過多によりエスカレーターが崩壊。同即売会は即刻中止となり、傷害による逮捕者も出た。被害者千人を超す惨劇は、マニアによる同人誌即売会で起きてしまった。

 プレミア同人誌の流言が原因

「人気同人誌作家による、人気ゲームの同人誌が出る」この流言が会場を駆け巡ったのは、事件発生からたった五分前だった。それを聞いた参加者の多くが文化会館へのエスカレーターに殺到し、同時に文化会館へと突入。同人誌を売っていた参加者をなぎ倒し、彼らは当のサークルへと向かったが、その本は存在せず暴動に発展。精神的に混乱していた加害者が多く、被害者の数は急激に増えていった。同時に、重量過多となったエスカレーターも崩壊。重軽傷者が多数出た。参加者の一人、武藤正洋さん(27)は「突然押し寄せられて、机を乗り越えられていった。やめろと言っても聞かず、どんどんやってきたのが怖かった」と述べている。
 会場の池袋サンシャイン管理人は「誠に遺憾。以前から苦情が殺到していたのだが、このようなことになるとは」とコメント。サンシャイン側では、即日中止・封鎖と判断し、以降同人誌即売などに関連したイベントへの貸し出しは行わないと発表した。
(中略)
 なお、重軽傷者が搬送された病院は以下の通り。

−重軽傷者名簿(敬称略)−
<聖マリアンヌ医大病院>(中略)……辻原雅人(19)
(後略)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
手動筆記人さんの設定を使わせていただきました。変な所なとがあれば、ご指摘お願いします。
つたない文で、申し訳ありません(^^;

117 :あぁっ名無しさまっ :2000/09/27(水) 16:25
乱入失敬、このスレ立てた人は神林長平のファンっすかね。
あれは良い小説だった・・・>猶予

118 :サンデーライター :2000/09/27(水) 17:29
2000/12/30 09:33 ゆりかもめ 有明駅

「ブラックスパロウよりイーグルネストへ。ウサギを捕まえた。繰り返す。ウサギを捕まえた」
≪イーグルネスト了解。ウサギの名は?≫
「ブラックスパロウよりイーグルネスト。ウサギの名は荒塩昆布」
≪イーグルネスト了解。≫
「イーグルネスト、次の獲物は?」
≪アカウサギの『Q』が見つかっていない。『Q』の捜索をせよ≫
「ブラックスパロウ了解。OVER」

119 :Jr :2000/09/27(水) 17:37
>首都高の事故
28日と29日の事故は別物、と設定して修正してみました。
http://members.nbci.com/doujin2/date.txt

120 :Hanko :2000/09/27(水) 22:57
1996年3月31日@晴海埠頭

「コミケは、終わるわ」
突然、隣にいた美波が呟いた。
「ちょっと美波、何言ってるのよ」
「羽奈子、コミケは終わるのよ」
くすっと笑いながら、美波が言う。
晴海最後の同人誌即売会の帰り、美波は突拍子もない言葉を口にした。
「晴海は、人々の想いが積み重なって護られてきた・・・・昔の人たちが積み立てて
きたおかげで、何かが起きても大丈夫だったのよ。でも、今度はまっさらな会場よ。
何もない、護ってくれるもののない場所。
そこで・・・・果たして、今のコミケが生きていけるのかしら?」
「美波・・・・?」
「きっと、有明じゃ21世紀は迎えられないのよ・・・・ふふふ・・・・」
不気味な笑いを浮かべながら、美波は船に乗り込んだ。
「ちょっと、美波待ってよ!」
いつも不気味な言動を繰り返していたのには慣れっこな羽奈子だったが、さすがに今
の発言だけは気になったみたいだ。
「さよなら、晴海・・・・さよなら、コミケ」
振り向く美波。
出船して遠ざかっていく会場・・・・
霞かがっていたそれは、消えるようにだんだん見えなくなっていった。

4年半後、その言葉は現実のものになろうとしていた。


***
試しに書いてみたけどキツイ・・・・多分単発。
鬱打氏濃。

121 :春画変態 :2000/09/28(木) 00:59
流れ書きさんの112から思いつきました。
池袋大惨事の捕らえ方が若干違うかもしれませんがそのあたりはご了承を。
しかし長いな。続くし。

2000.10/19 Sun. 05:36 池袋サンシャイン

 その日、秋葉原はインポートマート下のバスターミナルに並んでいた。
秋葉原有鷺、コミケットスタッフでもある彼は、友人の島氏と共に今日の
イベントで新たな作家を開拓するべく、朝から並んでいた。
 朝5時にサンシャインに着いたときには既に長蛇の列。同人誌即売会
最大の敵のひとつ、徹夜組だ。

「秋葉原さん、えらく並んでますよね。やはり僕たちも徹夜するべきでは
なかったですかね?」
「いかんに決まっておるだろうが。だいたい最近は徹夜組に対する
ペナルティもあるのだから、どっちが先に入れるのかは分からんぞ。」
「やはりそうですかねぇ。」
彼らも朝5時から並んでいるのだから、五十歩百歩だと言えるが。

 そんな会話をしていたが、秋葉原は会場に着いた時から
漠然とした不安を感じていた。何かは分からない、しかもわずかな
ものではあったが、どうしても拭いきれない不安であった。
「島君、何かちょっと変じゃないか? …いや、何かはよく分からん
のだけど、なんかこう、んん、なんかうまいこと表現できんのだが…」
驚いた顔をして島も答える。
「秋葉原さんもですか?僕も何か変な感じがありますねぇ。
正体は分からないんですがね。」
「いや、どうもおかしいよなぁ。」
 島と共に列を観察してみるが、漠然とした雰囲気の差以外は
見て取ることが出来なかった。



122 :春画変態 :2000/09/28(木) 01:00
 島 学。熟練の買い子である彼は秋葉原の後輩だ。大学近くのゲーム
センターで島が積んでいた同人誌の山を見て、秋葉原が「うぅむ、
\18@`000ぐらい?」と言ったのが島と秋葉原との出会いだった。
 一般で入場し、決してイリーガルな手段を使わないにも関わらず、
自分好みの大手を次々としかも我が手でゲットする。
そんな島の買いこみ技量は、インターネットと、人の網をフル活用して
得られる情報力によって支えられていた。
 的確に人の流れを見切り、最大に効率的なルートを縫っていくことで
大量の同人誌をゲットしていくのだ。

「そこに流れる、人の気を見切らなければ最大効率のルートは
見つけられないんですよ。」そんな彼の言葉を秋葉原も信じていた。

 そう、サンシャインに渦巻く人の「気」。 秋葉原と島がその
違和感の正体に気がついたのはほぼ同時、朝6時半頃だった。

「…島君も気付いたか?何か変だと思ったが、そう、
殺気のようなものが漂ってるのよ」
「秋葉原さん気がつきましたか?多分ですがね、並んでる人の視線が
何か違います。それも、限られた数ヶ所ですがね。」
「限られた場所が?そりゃ何か変だな。どこが?」
「あのあたりと、あそこと、…あそこも違いますかね?」
「ん〜?確かに変だよなぁ?……?」
秋葉原が島に耳打ちする。
「奴ら、何持ってるか分かるか?」
「無線機のようですねぇ。
 秋葉原さん、ここのイベントって無線機持ちこんで良くなかったですよねぇ?」
「無線機?だとすると、あれは…ん〜と、430と1.2のデュアルバンドじゃないかなぁ?
 いや、持ちこんじゃいかんのだけどね。あ、隠したな。」
 こちらの視線を感じたのか、無線機をカバンの中に入れてしまった。
「?」

 そう、漠然とした不安。しかし確実に何かが近づいてくる予感。
 その不安が、まさかあのような惨事として実体化するなど、
誰も予想することは出来なかった。
 否、「奴ら」を除いては誰も。


123 :春画変態 :2000/09/28(木) 01:02
2000.10/19 Sun. 08:40 池袋サンシャイン

 次なる異変、これははっきりした形で訪れた。
 サークル入場が始まってしばらく経てば、携帯電話を通じてホール内の
情報が一般待機列にも流れてくる。
「某ルゼはコピーのようだ」
「○○、サークル入場?中の情報を集めてくれ」
「まだ入場したサークルは少ない」
「A**の導線はこのようだ」
飛び交う情報に耳を傾ける島。その中で気になる情報が飛んでいた。
「323は現れたが、新刊はまだ届いていない」

「…秋葉原さん、聞きましたか?」
「うむ、聞いた。このまま本がなければ平和なのだがな。」
「信者の悔しがる姿が見えるようですがね。
 しかしですよ。このままおとなしければ良いのですがねぇ。」
「ん?…ということは、やはり何か違和感があるということだな。」
「その通りですよ。ただ、なんとなくですがね、本が届くというのとは
 何か違う気がするんですよ。」
「へ?」
「私もよく分からないんですがね。何かこう、ひっかかるんですよ。
 新刊はないように思うんですがね。」
「う〜ん、どういうことだ?」
「不安の原因は、323じゃなくって別の所にあるって事ですよ。
 その正体が分からないんでなんとも言えないんですがね。」
「成る程なぁ…。確かに、不安は増してるが。
 ああそうだ、ヤベさんはどうだろうかな。
 電話で聞いてみてもらえん?」
「分かりました。…あれ?」
 何度か発信の操作を繰り返すが、アンテナが立っているにも関わらず発信できない。
「この程度で使えなくなるとは軟弱ですね。
 秋葉原さんのPHSでかけてみてもらえませんかね?」
「うむ、ヤ…検索、発信と、…あら?おかけ直し下さい?アンテナは立ってるのに」
 通じないことはよくあることだ。しかし、今日はいつもと違った。
「…いつまでたっても発信できん。」
「私もですよ。」
 気になってまわりを見まわしてみるが、どうも皆同じ状況のようだ。
数分前から、このあたり一帯で無線電話は全く通じなくなっているらしい。
「アンテナがこけた?しかし、それにしては携帯PHS全メーカー使えないようだが?
 全メーカーが一斉にこけた?そんなことが普通あるかな?」
「そんなこと、ないはずですがねぇ。」
「だよなぁ?携帯各社って、確か独自網だったしな。」
「変ですよねぇ。」
「ちょっと、ヤベさんの所まで直接行ってくるわ。」
「ヤベさんでしたら、上の間の列の、4ブロック目ぐらいだったと思いますよ。」
「りょーかい。」

 秋葉原は上の列を探しに行った。文明の利器に慣れてしまった
現代人、PHSや携帯電話が使えないと途端に探すのが難しくなる。
苦労してようやく探し出したヤベさんも、やはり携帯が通じないらしい。
「秋葉原さんおはようございます〜、さっきから携帯が通じないですよ〜」
「ヤベさんもですか、ウチもなんですわ。コンダラも通じないらしいです。」
 コンダラとは、島のハンドルである。
「コンダラおにいちゃんもつながらないですか〜、このあたり一帯全滅ですね」
「そうみたい。…ん〜、妨害でもされてるのかな?」
「妨害ですか?そんなことありますかね〜」
「いや、他の可能性もありますけど…なんか変ですよね。」
「あ〜秋葉原さんも思いますか?、何か変なんですよね〜。」
「ううん、こっちもか。いったい何があるんだ…」
 独り言のようにつぶやく。


124 :春画変態 :2000/09/28(木) 01:03
 列に戻っても、携帯電話とPHSは不通のままだった。
ホールからの情報が途絶えたまま、散発的にデマが飛び交う。
レヴォ準備会が携帯の妨害を行っている、
スペイン坂までの列は会場後一時間経つまで入場させないなど、
分かる人間が聞けば苦笑するしかないようなデマばかりだが、
一般待機列の不安と怒りは高まる。
 列を管理するスタッフも正確な情報が入ってこないらしく、
「それについては分かりません、申し訳ありませんが列で待機してください」
を繰り返すばかりだ。

「島君、どうも怖いな。」
「そうですね。これは絶対何かありますね。」
「どうも、スタッフ間の連絡網も機能していないらしいな。
 何か意図的な妨害が行われている気がしてならん」
「意図的な妨害?!もしそうだとして、何の為に?」
「いや、それが分からんのだが…。
 ただの愉快犯ならまだ良いが、これは絶対なにかある。
 …島君、万一のときは、逃げろよ。」
「それを乗り越えてこそ熟練の買い子ですよ、と言いたいところですがね、
 今回はマジに怖いですね。」

 そう、熟練した者たちの不安。それは迫り来る惨事への、警告だった。

125 :春画変態 :2000/09/28(木) 01:04
2000.10/19 Sun. 10:08 池袋サンシャイン

 携帯電話も、PHSも、そして無線機も通じないまま、列の再整理が始まった。
一応はスタッフの指示に従うものの、一般参加者列の怒りは隠せない。
 スタッフに詰め寄り、理不尽な質問と怒りをぶつける参加者。
そんな状況が各所で見られた。
「落ちつけば良いものを…。スタッフを責めても早く入れる訳ではないのに。」
 今日は一般として参加しているが、コミケットではスタッフとして理不尽な怒りを
受ける立場にあるだけに、秋葉原の目にはその姿が哀れに見えた。
しかしそれだけではなかった。悪意のようなものを感じ取ったのだ。
「…?」
 手助けしてあげたい気はあるが、越権行為だという気持ちがそれを押しとどめる。

 その時だった。列の数カ所でざわめきが起こり、波紋の如く広がっていった。
「323がAirの新刊を出す!」
「限定コピー600部」
「混乱を避けるために、この列を入場させない」

 それは、欲望と、利害と、独占欲と、怒りと、そして殺気の波紋となって、
恐るべきスピードで広がった。
「秋葉原さんッ!走ってくださいっ!」
 島に急に腕を引かれ、一瞬後、後ろからものすごい勢いで押された。
秋葉原は安全なルートを見定めようとした。しかし、そんなものは、ない。

「走るな!落ちついて!落ーちーつーいーてー!」
秋葉原は押されつつ、早足で進みながらも、とっさにしかしゆっくりと、
腹の底から喉を開くようにして叫んだ。
 そんなものが何の役に立たないと知りながらも。

 10秒も経たないうちに、階段の所で列が潰れた。
将棋倒し。踏み越えて進もうとする「群れ」。

 …階段で、二層目の将棋倒しが完成したところで、入場列の惨事は止まった。

 骨折21名、うち重傷者2名。緊急搬送6名、うち一時的に意識を失ったものが2名。
それすらも、ホール内で起こった惨事に比べれば、はるかにましだった。

 そう、それが後にセカンドジェノサイドと呼ばれた、
池袋大惨事のほんの一部であった。

「本当は、その時にはもう同人界最終章はとっくに始まっていたんだ。
 自分の手が血に染まって、ようやく気がついただけだ」

 …続く


126 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/28(木) 08:44
あまりにさがりすぎなのでage

127 :三文文士 :2000/09/28(木) 10:54
>サンデーライターさん
貴メールは受領できたのですが、こちらからのメールがなかなかうまく発送できま
せん。もうしばらくお待ちいただけないでしょうか。
なにぶん、あのデータ、テキストで260kb、LHA圧縮して70kbもあるもん
で。

128 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/28(木) 11:18
あぁぁ、だんだん終焉に向けてのプロローグが出されてくる。
フィクションとわかってても・・・ホントになりそうで一抹の不安がよぎります・・・

129 :手動筆記人 :2000/09/28(木) 11:37
>>127
何か今、LYCOSメールで障害起きてるみたいっすね。

>ログイン障害について
>9月28日(木)午前8時30分頃から、ログインできな状態になっております
>現在復旧作業中ですので、皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、しばらくお待ちください。
http://www.lycos.co.jp/mailcity/top.html

いや、朝方メールが来てたので返事を書こうと今ログインしたらこないなことに(笑)


130 :へっぽこー1号 :2000/09/28(木) 17:10
2000年12月11日 10:25  世田谷国立病院
コミケで事件が起こる、それを予感した僕はある事故の被害者の病室へ向かった
その事故はコミケとは直接関係は無い、がファン心理や同人を知らない僕に
取っては重要な情報源(プロファイリング)として確実に有効なのだ
時間はまるで残されていないが今はとにかく情報が欲しい
病院独特の臭いがする廊下を通り、目的の412病室へ着いた、軽くノックをし中に入る
その個室の病室にはベット、テレビ、棚が置いてあるが生活感はまるで無い
ベットでは一人の少女が横になっていた、その事件の一番の被害者だろう
「皐月祥子さんですね、先日連絡しました者です」と言いながら警察手帳を見せる
祥子はくすっと笑った、が表情はどこか冷たい感じがする
「まるで刑事ドラマそのままの事をするのですね」
「ははっ、一応刑事ですからね、早速事件の事を聞いても言いですか」
とにかく丁寧な口調を心がけて話をする、市民にとって警察は威圧の対象に見られやすい

彼女は10月19日のイベントのサークルの参加者だったのだ
あの事故が起こった時、ホールの入り口付近に居た為に割れたガラスの
下敷きにされてしまった、これだけなら2ヶ月の入院は無かった
最悪なのはこの後だ、人が彼女を踏み潰しながら通過していったのだ。
結果彼女は右足を圧迫骨折、左腕を脱臼、凄惨なのは顔をガラスで切ったらしく
左眼を失明、足の方は神経も切れてしまったらしくリハビリ中だ

「・・・であなたは何故こんな事故が起こったと思いますか?」
言った後、しまったと思った、一番の被害者に被害者の心理など聞くべきことではない
祥子は目を閉じ、沈黙する・・・空気に鉛を流し込んだような雰囲気が部屋を包む
そしてゆっくり答えた、一つ一つ慎重に答えを選んでいくように
「・・・多分、これが結果だったのかも」
「結果、ですか?」
「そう・・・私たちが作り上げてきた物の最後、生命の進化の終焉と似て
 自らの手で終焉を迎えるという結果が・・・」
「・・・解らないな、何故自らの手で滅びの道を歩くのですか?」
「色々な人がいるんですよ、純粋に同人が楽しい人、転売する事で
 小金を稼ぐ人、お祭り気分でとにかくファン交流を楽しむ人とかさまざまですから」
「では一部の人たちの為に全てが壊されると言う事ですか・・・」
「ええ、悲しいけど既に始まってますから・・・」

部屋をノックする音が聞こえ、看護婦が検温の時間だと伝えてきた
僕は会釈をし、部屋を立ち去った
病院を出て、駐車場へ向かいながら煙草に火をつける
「終焉か・・・」
彼女が言った言葉を呟きながら煙草の煙を吐き出した。


どうもへっぽこー1号です、レヴォの事件をちょっとだけ膨らませて見ました・・・
相変わらず名無しの刑事さんです、今でも名前募集中です

131 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/28(木) 18:44
レヴォって10月29日じゃなかったっけ?
まあ、架空の物語だから実際の日にちに合わせる必要はないのだろうけど。

132 :流れ書き :2000/09/28(木) 19:07
>>131
あ゛(^^;

……すいません(^^;
うう、大失敗だ……

133 :へっぽこー1号 :2000/09/28(木) 23:33
>131さん
あ゛
そう言えばそうですね・・・当日行くのに大丈夫か私?

134 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/29(金) 04:00
さあageの時間だ

135 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

136 :サンデーライター :2000/09/29(金) 10:54
135は各自セルフあぼーん(無視)ということで、

>>105 百円ライターさん他
>配置について
2日目ですが、私は「232は夏と同じ場所」と書いてしまったのですが、
吉村(兄)のサークルも西にあるというように書かれているので、
創作(少年)は西2ホール「あ」〜「き」は確定ですかね。
そうすると創作(JUNE&文芸)は西1ホール、創作(少年&少女)は西2ホールというところでしょうか。

137 :名無しさん@そうだ地獄へ逝こう :2000/09/29(金) 12:25
って言うかもうあぼーんされてますね<135の書き込み

楽しみにしてますんで皆様頑張って下さい>ライター各位
俺もネタ構想中だけどいいのが浮かばない・・・・どうしよう(汗)

138 :1読者 :2000/09/29(金) 19:48
下がってると寂しいのでage

139 :南無 :2000/09/29(金) 22:49
ところで・・・替え歌でもイイ?

140 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/29(金) 22:54
>139
「同人を語る」スレもあるよ。どっちがいいかは自分で決めてね。

141 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/29(金) 23:07
替え歌は語るスレの方が良いんじゃないかな。

142 :Jr :2000/09/29(金) 23:08
2000 12/12 21:33
環七通り 方南町交差点

チェイサーのヘッドライトが、道端に残る汚れた雪を照らし出す。

「えと、もうちょっと行くとファミレスがあるんで、その次のトコを左に……。」
「ん、解った。」
「でもホント、送って貰って助かりますよ。電車代浮くし。」
「おいおい、交通費もちゃんと支給される筈だぞ。……ったく。
 ……まあいいや。俺が用事があって行くんだから、このくらいはね。
 本当は明日、霧沢に持ってきて貰えれば良かったんだけどな。」
「すみません……。」
「女の子か?」
「はあ、一応。あ、でもそういうんじゃないっすよ。相方、じゃなくて
 仲間というかパートナーというかなんというか……。」
「なんだそれ……。お、ここだな。次を左ね。」
「はい。…………あれです。あのマンション。あっ、車どうしましょう?」
「いいさ、そこに停めておこう。」

143 :Jr :2000/09/29(金) 23:08
22:17 霧沢桂一の部屋

「これがコミケの、えーと、パンフレットです。」
「………………えらく厚いね。」
「いつもそんなカンジですよ。あ、立川さんコーヒー飲みます?インスタントですけど。」
「ん、じゃ頂くかな。待ってる間にちょっと読ませて貰うから。
 ……うわ、細かいなー。あ、この写真は夏にやったっていう時の?」
「あー、それは去年の冬の写真です。クリスマスと重なったんすよ。」
「クリスマスの日でもこんなに人が来るんだ。……恋人同士で来たりするのか……?
 しかし凄いな。そういや高島さんが数十万人だとか言ってたっけ……。」
霧沢がカップを手にしながら苦笑する。
(恋人ねぇ。いる人間は少ないんじゃないかなー。ま、人の事言えないか。)



「……なるほどね、確かに大きなイベントだ。けど想像してたほど物騒でもないなぁ。
 高島さんが甲種警備服の運用を決めるくらいだから、もっとこう、やばそうな物だと
 思ってたんだけどね。だから統警が出てくるのも納得してたんだが……うーん。」
「……」
「あれ?何やってるんだ?」
「他にも見て貰う物があって……立川さん、これ、読んでみて下さい。」
そう言って霧沢が指を差したのは、デスクの上のモニターだ。
モニターに映るのは、薄いグレーを背景に並ぶ番号と投稿文。
それを読み進めるうちに立川の表情が強張っていくのが、霧沢には解った。

144 :Jr :2000/09/29(金) 23:10
続きはまた……。

145 :三文文士 :2000/09/30(土) 12:27
「終わるコミケット 準備会史上最悪の3日間」
OPテーマソング:Cocoo「星に願いを」は、1さんの指定なので、これはそ
のままいくとして。CDS思わず買っちゃったよ^^;
EDテーマソングとして、笠原弘子「約束の土地へ」を推薦したい。

ああ 約束の土地へ どうぞ導いて 罪びとの群れを

螺旋階段へと非常口を飛び出したら 42階から見下ろすのは欲望の町
誰も気づかないけど 滅亡の歌が低く流れてる だから駆け下りるの

ああ 約束の土地へ どうぞ導いて 罪びとの群れを
ああ 穢れ一つない 人はいない 生きてゆくそのことが 戦いだから

閉ざされた回路に 入り込めるパスワードは…?
見えない幸せに届く道は まだ遠くて
誰も気づかなくても愛する人を照らす 星屑の一つになりたいわ

ああ 洗い流す雨 今降り注いで 罪びとの群れに
ああ 心から汚れた 人はいない 雲間から降りてくる光が欲しい

ああ 約束の土地へ どうぞ導いて 遥かな眼差し
ああ 穢れ一つない 人はいない 生きてゆくそのことが 戦いだから

で、今後の予定作品。
「コミックマーケット59カタログ ごあいさつ」

「Natuコミックシティ、東西同時開催オールジャンル40000sp募集、か。
なぁ、奴等ってさ」
「なに?」
「前頭葉あるのかな」

「緊急 館内703より西地区統括指揮所、カッタにあっては、げんざ(途絶)」
「西地区統括より703 応答願います、応答願います!」
「西2ホール本部より通報。外周より悲鳴、怒声など多数確認。先遣偵察を実施中
なるも、いまだ帰還せず」
「…駄目だったか。最後すら、自ら幕引き出来なかったとはな」
「…地区長?」
「企業対応部の西4本部、更衣室担当、場外救護担当、西救護室、公共地区担当、
入口担当に、部隊の派遣を要請しろ。それから、統括部に通報。西地区長は、西地
区全域に混雑非常事態を宣言する。あと、俺自らが出る。レポートと、帳簿の処理
よろしくな」

「赤司さん、どちらに行かれるんです!?」
「……現場だ」
「赤司さんが出ます。とりあえず、東123からの増援部隊は、西地区本部前アト
リウム側に集合。東456は部隊編制が遅れているそうです」
「もう、事前に準備しておかないから…」

#あと、一つだけ。聖マリアンヌ医科大学付属病院に入院するのは、できれば勘弁。
比良坂院長でしょ、きっと。女の子だと、実験で人生観変えられちゃうかもよ。

146 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/09/30(土) 22:12
>>145
>「Natuコミックシティ、東西同時開催オールジャンル40000sp募集、か。
なぁ、奴等ってさ」
>「なに?」
>「前頭葉あるのかな」

やりかねなさそうでワラタ(藁


147 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/01(日) 03:51
洒落にならないことが起きたな・・・・<同人作家事件
本当に有明にいられるかどうかわからんぞ、シャレではなく。

148 :Jr :2000/10/01(日) 06:10
>>142-143からの続き。

12/13 00:30

「それじゃあ、これは借りてくよ。
 ……この内容、本当に信用していいんだね?」
立川は分厚い冊子の他に、紙の束を抱えている。
匿名ゆえにガセネタが多いと言われる掲示板の書き込みの中から、
霧沢が自分の実体験に基づいて信用できると思われる文――その中には
自身が書き込んだ物も含まれていた――を抜き出し、
それをプリントアウトして立川に渡したのだ。

「はい……俺は、実際この目で見てきたんで。それともう一つの方なんすけど……。」
「もう一つ?ああ、自殺者が出たとかいう方か。」
「さっき見たら、どうもマスコミにチクったとかいうレスがあって……。
 煽りで、面白がってこういう事を書くヤツがいるんですけど、
 ホントにやるヤツもたまにいます。もしかしたら明日の朝刊に
 載るかもしれないんで、確認してみて下さい。」
「……解った。」
「あさってのミーティングにはちゃんと出られますから。それじゃ。」
「もう明日だよ。……俺が思ったより長居したせいだけど。じゃあ、ありがとな。」

149 :Jr :2000/10/01(日) 06:10
12/13 00:35

立川が愛車のハンドルを握りながら、助手席においた本とPPC用紙に目をやる。
「道理で谷川進が出てくるわけだ。警視庁も絡んで……? いや、まさかね……。」
無意識のうちに自然と漏れる声。不安に駆られているのだろうか?
上司からの、普段ならあり得ないような物々しい装備の指示。
そして競争相手でもある大手会社との協力体制。
――それも、昔「彼が動けば特機が動く」と言われた人間が指揮を執っているのだ――
ある程度の想像はしていた。だから納得していたはずだった。だが……。

徹夜、転売を始めとし、倒れた人間を躊躇無く踏み潰しながらの暴走。
ボランティアスタッフを隠れ蓑にした共同購入。
人気作家の本を入手するためには何でもやる人々。
最後のイベントだというので殉死しようとする人間までいる。
ほんの2時間ほど前に聞いたこれらの話は、立川にはとてもまともな物とは思えなかった。

……既に彼の頭の中には「アマチュア漫画の即売会」という概念は無い。
「今日の会議でこれをメンバーに見せて……昨日の資料と合わせて対策を……。
 甲種装備の確認ももう一度やっておいた方がいいな……。」

同時刻、霧沢は打ち合わせで会った谷川進の顔を思い浮かべていた。
(おっかねー人だったけど……けど、なんか頼れそうだったな……。)

「立川さん達なら……それにあの人達なら……」
「……大丈夫、やれるさ。」
霧沢が自室のベランダで。立川が運転席で。
それぞれが同じ瞬間に呟いた言葉は、しかしお互いの耳に届く事はなく、
冬の闇の中に溶けて消えていった。

150 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/01(日) 19:34
なんか最近シャレにならなくなってきたような…
勘弁してくれよ(;´Д`)

151 :Jr :2000/10/02(月) 00:47
http://members.nbci.com/doujin2/date.txt
150まで追加。

架空の話って事で、レヴォは19日でいいですかね?

152 :サンデーライター :2000/10/02(月) 00:52
使おうと思っていた作家が厨房に殺されるってネタが実際に起きてしまった(笑)
ってワラテル場合じゃないぞ、おい。マジでシャレにならん(冷汗)


153 :春画変態 :2000/10/02(月) 01:46
>151
あ、すんません。秋葉原と島はまき込まれたけど怪我した訳じゃないっす。
その辺の件は10/19後半で書きます
#まだ10/19が続くんかい

154 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/02(月) 02:19
読み手の勝手な意見かも知れませんが、
レヴォは29日に修正した方が良いのではないでしょうか?
やはり限りなくリアルティがあった方が面白いと思います。
それにタイムテーブルを見る限り、特に他に影響も無いようですので。

155 :春画変態 :2000/10/02(月) 03:41
>154
私も19日で書いててふと思ったのですが、この日は別に休日でもなんでもない
平日なんですよねぇ。
個人的には14日もしくは21日キボーンなんですがね。
この程度なら変えてもストーリー上の問題はないはずだし。

ちなみに10/29にすると、実はちょっと遅いかなという気がするんですが…
通常だと、レヴォが終わってから冬の原稿のスパートがかかり始めて、
12月上旬に入稿というスケジュールですが、最後のコミケットとなりますと
一週間ぐらい前倒しにしたほうがドラマティックな展開が期待できるのかな、と(^^;


156 :流れ書き :2000/10/02(月) 08:16
自分もタイムテーブル変更に異存はないです。
……というか、キッカケは自分でしたね……鬱打氏悩

157 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/02(月) 14:33
参入希望者なのですが、有明世代なもんで昔のコミケットの会場遍歴が
晴海・幕張以外分からないんですが、そこら辺をネタにしようと思っているので
会場遍歴等の昔のコミケットの歴史が載ってるようなサイトかスレッドってのをご存知の方が
いらっしゃいましたら教えて頂けませんでしょうか?
昔、晴海時代を懐かしむようなスレッドがあったのは記憶しているのですが
タイトルを忘れてしまって…覚えていらっしゃる方居たら教えて頂けるとありがたいです。

大体の会場遍歴だけでもここのスレで教えて頂けませんでしょうか?


158 :サンデーライター :2000/10/02(月) 16:19
>>157
コミケットの申込書に書いてあるよ。
それとも一般だから申込書は買ってないのかな?

159 :ログ保存人 :2000/10/02(月) 17:34
http://members.nbci.com/doujin2/comike.htm

資料集より転記。
自由に使ってくださいな。

160 :157 :2000/10/02(月) 22:43
>>158
いや、サークル活動はやってるんですけど諸般の事情により
コミケはまだ申し込んだことすらないのですよ。

>>159
ありがとうございました。大感謝(涙)

161 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/02(月) 23:53
>13
超遅レスで超スマヌが。
神林 長平氏の作品に”猶予の月(いざよいのつき)”と言う作品があるのだ。

162 :三文文士@宴 :2000/10/03(火) 06:27
はじける歓声、むせるような肉の焼いた香り、店員の大声、煙草の煙。
炭火焼肉酒家牛角下北沢店は、そんなもので満ちていた。
金曜日の夜、店は9割方埋まり、空席待ちの客が階段で立っている。

そんな中、店の一角に、4人が席を占めていた。
炭火の上に置かれた金網は、既に汚れていて、下げられるのを待つばかり。
テーブルの上は、大皿、こぼしたサワー、肉の脂、半分ぐらい残ったぬるいビール。
ほんのり頬を赤くした4人がまったりしているのを、店員が見て溜息をついている。
『…だめだ、ここもあきそうにねえや』

「さてと、とりあえず、ごちそうさまでした」おかっぱ、眼鏡、小太り、首からシ
ルバーの十字架、かたわらにはもちろん黒のリュック、上から下まで黒で着こなし
た、つまりある種の典型をみるような女性が挨拶した。
残りの2人も慌てて同じようなことを言う。
「ああ、まぁ、いいよ、いつもいつもゴストじゃさみしいだろーからな」
背広をしっかりきこなした30近くに見える男性が手を振りながら言う。
「それに、お前らには、これからもう一踏ん張りしてもらわなにゃならん。景気付
けとしちゃぁ、安く済んだよ」
「秋葉のいつもの駅ん中の喫茶店でやればもっと安く済んだのに。いつも本当にす
みません」上から下までユニクロで揃えた、これまたある種の典型を見るような男
性がいう。
「で、周りの耳を気にしながら、話をするんか? 確かにあそこの水出しコーヒー
は、おいしいけどなぁ。余計なこといわんと、感謝感激雨あられを捧げとけばええ
やんか」会社帰りにみえるスーツ姿の女性がいう。
「うるさいなぁ、姐さんだって、余計なこといってるんじゃないっすか?」

『こやつらも、ほんとかわらんなぁ』
声を大きくして、いつもの小競り合い(しかも結果は常に女が勝つ)を始めた3人
を見やりながら、男は思う。この3人たちがはじけるような青春時代−ちょいと規
格からは外れちゃいるものの−を過ごしている間、見守り、時に支え、伸ばしてき
たのが彼だった。
晴海、幕張、もう一度晴海、有明。
身体だけは大人でも心は子供だったこの3人たちの成長曲線に沿うように、コミケ
ットも、準備会も巨大化の一途をたどってきた。
そして、彼もその重要な一端をになってきた。

『もう俺たちが一線で戦う時代は終わる。今度の休止はいい機会だった』
男は日本を代表する巨大総合電機メーカーに勤務している。
仕事への精励が認められ、ついに先日主任に昇格した。
もう体力的にも、精神的にも、時間的にも限界線が近づいていることを意識せざる
を得ない時期に来ていた。

『次はこいつらが脚長おにいさんなり、おねえさんなりをやらにゃならんのだが。
はてさて、どこまでそれが意識できていることやら』
休止をきっかけに、準備会の長老・賢人たちは、スタッフ層の大幅な若返りを模索
していた。もちろん、元老院として、彼らが後見につくものの、できる限り、若い
スタッフに大きな範囲での業務の引継ぎ、硬直した準備会組織の大胆な見直し、準
備会の業務内容のリテイリングを、彼らは静かにだが容赦なく進めていた。

『もうコミケットはこのままではもたない。だが、この休止が我が国の同人誌市場
と同人誌文化にどれだけ影響を与えるかを思えば、そして、僕らの世代がどれだけ
時間を裂けるかを考え合わせれば、僕らに残された時間は過酷なまでに少ないんだ。
このことを自覚してほしい』
スタッフの長老、磐田の言葉を男は思い出した。
『最後まで、あの親父と付き合うのもしゃくだが。まぁ、あの親父のいっているこ
とはおっかないまで理にかなってもいる。ここまでくれば、最後まで付き合うしか
ないな』

「…さん、大丈夫ですか。お疲れですか」
昔に思いをはせていた男は、心配そうにこちらを見つめている6個の瞳に気づいた。

昔はもっと純粋だった瞳。今はある種の狡猾さをたたえた瞳。
自分がそう変えたのだと思うと、少し胸の痛みを覚えた。

「ああ、すまんすまん。ちょいと、考え事をしていた。さて、本題を始めるとする
かね」男はアタッシュケースからファイルを取り出した。

163 :三文文士@宴 :2000/10/03(火) 06:28
「とりあえず、現状から確認しようか」
「はい、既にMLで回したから、読んでいると思いますけど」
「ああ、ごめんなぁ。うち、ちょいと忙しゅうて…全部は読めてないねん」
「はいはい、じゃあ、軽くまとめるね。まず、先日の池袋の事件の結果、同人誌即
売会の会場としてのサンシャイン60は、既に死んだも同然です。会場とのパイプ
を一番太く持っていたのは、コミックレボリューション準備会ですが、今回の事件
の結果、代表が業務上過失傷害罪で取り調べ中であることもあり、事実上機能して
いません」
「うわぁ、きっついですね。業務上過失傷害だって」
「明日はわが身だぞ。下手うちゃ、いつだってそうなりかねない」
「都内の主要会場も、今回の事件により、態度を硬化させており、損保、春秋、都
産貿などは、既に結ばれた契約以外は、当面、アマチュア同人誌即売会に対する貸
し出しを行わないと決定しています。この動きは水面下で広がっていると思われま
す」
「その件やけど、どーも話が変なんや。どこかの都議が話を広めているらしいねん。
その都議はまだ抑えられてへん。で、そいつにそんなことを吹き込む絵を描いたく
そがきもまだおさえられてへん」
「マンガ防衛同盟などを通じて、こちらもロビイングをはじめてはいますが、知事
も知事だけに、なかなか有効な巻き返しが図れていません」
総合OTAKU産業を目指すブロッコリーの仕掛けはここまで及んでいた。

「で、企業系即売会の動向です。まず、四谷ですが、このチラシを見てください」
全員が覗き込む。
とても企業のチラシとは思えないほど稚拙な絵で構成されたチラシには、毒々しい
赤でこう記されていた。
「Natuコミックシティ1!開催決定!会場:東京ビッグサイト、インテックス
大阪 日本初の東西同時開催! 募集サークル:オールジャンル40000sp!」

背広の男がうんざりした様子でうめく。
「なぁ、一つ聞いて良いかな」
「はい、なんでしょう」
「あそこの経営者、前頭葉あるのかな。想像力を持ち合わせない経営者が経営する
企業にこれからの同人誌市場が握られるのかね。笑うべき素晴らしい話じゃないか。
涙が出てくるよ」
「いや、それなんですが」とくちばしが入る。
「ベルさんのルートで照会したところ、どーもあそこの社長は、乗り気じゃないで
すね。むしろ、その下の運営企画部の連中が震源地のようです。抑えられなかった
らしくて」
「だとしても、責めを負うべきは、無能な最高首脳じゃないか」
「はい、で、京阪地区の信頼すべき友人達からの情報によると、どーも、あそこの
事務局長、この状況を制御できなかった責任を取るということで、辞表を提出した
そうです」
「じゃあ、大阪地区はどうやって運営するんだ? 京阪地区のスタッフは、事務局
長が握っているはずだろ、確か、あそこは」
「まぁ、金で動く連中も少なくはないはずやから、そいつらと、あとは外注でなん
とかしのぐつもりと違いますか。その場その場の自転車操業しかしらん会社やし。
その件については、うちもつれ動かしてます。もう少し時間ください」
「サークルの動向は?」
「男性向創作の系統では、一部の資金繰りが切迫している大手以外は、ほとんど参
加が見込めないと思われます。女性向けでは、もう選択肢がないということで、大
手サークルの多くが申し込みをするものと思われます、このままでは」
「そこらへんももう少し工作できないかな」
「すでに何人か動かしています。2ちゃんなどでのディスインフォメーション工作
も私の手のもので進めさせていますので、もう少し楽しい結果が出てくるようにし
たいなと思ってますけど」
「京阪のスタッフの切り崩しも進めてくれ。一度夏コミの通称が定着すると厄介だ。
さすがに短縮形の用語までは商標登録の対象にはならん」
「進めちゃあいますけど、事務局長直系、いわゆる竹田組といわれる連中はともか
く、ほかのはまとまりありません。まとまっている連中は、おやじが抜けた以上、
もう関わらんでしょうし、まとまってない連中は力がありません。心配せんでもえ
えと思いますよ。でも、まぁ、念には念を入れて、やらせていただきます」
「よろしく頼む」

164 :三文文士@宴 :2000/10/03(火) 06:30
「で、浅草のほうなんですが」話の折り合いを見ながら次の話題を切り出す。
「例の名古屋事件のからみで、事務所が家宅捜索をうけてまして、そんなこんなの
大混乱から立ち直っていません。ここは当分新規企画を打ち出せないと思います」
「名古屋事件は結局なんなんだ、話ばっかり交錯して、なにがなんだか」
背広男はもう一人の男に目を向ける。
「ああ、まとめてありますよ。つまり話は単純です。どきメモの画像を取り込んで
グッズ化したサークルと、びーまにベスト版と称して、CD焼いてたサークルが、
著作権法違反で、コナミから名古屋地方検察庁に告訴されたんです」
「あかんやん、そんなん、救いようがないで」
「イタタタタ、痛いわね、それは」
「これに対する対応は、今館内でも議論が続いているんですが、それはそれとして。
で、そのサークルが長く名古屋で活動していたので、浅草も主催者として、幇助に
問われているわけです。まぁ、話は簡単なんですがね…」
「なんだ、言ってみなよ」
「これをやったのは、コナミの総務人事部法務グループなんですが、ここにどうも
証拠やらなんやら一式そろえて話を持ち込んだ奴がいたという話がありまして」
「また、MIBか」
「はい、どうも、夏コミあけてから、妙になんか動いている気がしてなりません」
「情報担当者の勘ってやつか」
「まだ、教えてもらった「感を勘に高める」ってところまではいけてませんけどね」
「となると、もう偶然じゃないな。その件、忘れずに調べておけよ。偶然が3つも
重なるはずがない。そんなことはありえない」
「この流れから、利益を得られている会社が一つだけあるんですよ。中小のアマチ
ュアイベントが減って、企業系のうち、一角がくずれて」
「どこだ」
「CPSです。コミッククリエーションは、発表済みのイベント全てがほぼ満了確
実です」二人が息を飲む。
「分かった。その筋は俺が洗う。株主でもあるしな」

彼らは全くメモを取らない。頭の中のクリップボードにメモを張り、あるいは破り
捨て、蛍光ペンで線を引き、付箋紙をつける。ちょっとしたメモと、環境の変化、そ
して、わずかな言動から、真相を引きずり出すことができる人間は、実は決して少
なくないことを、彼らは数々の苦い経験から思い知っていた。

「敵対情報についてはどうだ?」
「まぁ、敵対団体情報については、ルールどうり、暗号化してメール報告します」
「情報は、知っている人間の数の二乗の確率で漏洩するって、教えてもらいました
もん。これはうちらの間でも明かさん。兄さんだけが知っていればええこと」
「掲示板関係の情報漏洩は?」
「先日の作業の結果、随分減りました。やはり水道は元栓からしめないととまりま
せんね」
「未だにあの人、情報ルートから外されたの、気づいてへんなぁ」
「そこが油断だというのよ。ふん、私達が何も気づいてなかったとでも思っている
のかしらね。簡単にえさにひっかかって」
「まぁ、身内だという安心感と、匿名掲示板という安心感。この二重の安心感が、
奴の判断を狂わせているんだよ。もともと、そんなばかじゃないんだ。これからも
慎重に扱わないとね」
背広の男は、愛弟子の会話を聞き、満足しつつも戦慄した。
自分の生み出したものに。自分の育てたものに。
彼らはコミケットがなくなったら、何を持って、このゲームに代えるのだろう。
こんなに楽しいゲームに。

やがて、話が終わるころには店内も静けさを取り戻していた。
「失礼いたします。まもなく、ご注文の受付を終わらせていただきますが、何か追
加のご注文はございませんか」
「いや、ありません」

「ああ、あかんやん、こんな時間。もう、うち終電ないわ」
「何を白々しいことを言っているの、姐さん。いつものことでしょ。僕の車、アテ
にしているくせに」
「あは、ばれたか」
「あたしも送っていってよ。美味しい紅茶見つけたからあげるからさ」
年齢相応の明るい笑顔ではしゃぐ3人と店先で別れる。

背広の男は、準備会事務所に向かって歩いた。もう回りに店はない。
静かな住宅街だ。
「終わらせて、終わらせてなるものか、コミケットを」
そうつぶやいて、空を見上げる。空の澱んだ東京では、彼の故郷の10分の1も星
を見ることは出来ない。

「あいつら3人が主役を張るようになったコミケに一般参加してやる。それが俺の
最後の意地だ」
まだ見ぬ、まだ見えぬ敵に向かって、戦いを挑む言葉を投げて、また歩き出す。
だが、その男の背中は、なぜか小さく見えた。

165 :三文文士@感想 :2000/10/03(火) 06:33
すみません、最初に謝っておきます。
僕は別にブロッコリーが嫌いなわけではありません。
ただ、話の流れが偶然つながったというか、因果律が崩壊したというか。
なんか、どんどん極悪会社になっていくのがみていて、どーも。

さて、本作品は、ご迷惑をお掛けしたのに、優しい言葉で問責していた
だき、私の細い神経をさらにいじめていただいた内周辺境伯閣下に、さ
下げたく思います。背広の男は、一応あなたをイメージしました。

あと、コミケスタッフ暴露スレッド2の皆様にも深甚なるお詫びを重ね
て申し上げます。厨房でごめんなさい。

166 :名無しさん@そうだ地獄へ逝こう :2000/10/03(火) 06:58
>>161
そーですか。
こっちの勉強不足でした、申し訳ないm(__)m

鬱堕屍膿・・・・・・

167 :サンデーライター :2000/10/03(火) 10:37
>>164の終わりと>>165が壊れているみたいだ

168 :しーな :2000/10/03(火) 10:52
Jrさんの作ってくださったタイムチャートを参考に
過去の自分の書き込みを読み返していたら、
この先の展開に苦しいところが出てきたので
下記のファイルの、自分のとこの時間設定だけ、
変更させてもらっても良いでしょうか?

よろしければ変更したファイルをアップします。
http://members.nbci.com/doujin2/date.txt

169 :ヘタレ文スマソ書きたくなった :2000/10/03(火) 14:50
2000年年末、本日のコミックマーケットで全ては終わる。
冷たい空気の中、俺は一人で列に並んでいた。中小のイベントしか
行かない人混み嫌いの俺が、このコミックマーケットに来るのは
これで2度目。1度目は学生の頃、友人に手伝いを頼まれて。
当時はエロ本目当てに走り来るオタクパワーズに圧倒されたものだ。
だが、今日は・・・
大行列などほど遠く、実に閑散としている。事前コスプレ者の姿もめっきり
見えない。皆一様に息を潜めているようにも感じた。
いや実際そうなのだろう。元気なのはテレビのクソリポーターどもくらいだ。
「見て下さい、白麦茶の集団です!!」
声が鼻につく女リポーターが楽しげに叫び、カメラが俺達を映していた。

2週間前。西鉄バスジャック犯「ネオ麦茶」と同じ掲示板で犯行を
予告し、6人の幼女を惨殺したという日本史上最悪のロリペドが捕まった。
名は、「白麦茶」。・・・「白」は精液が由来らしい。
彼の部屋からはアニメ・漫画の少女があえぐ
変態同人誌が大量に見つかり、愛用のパソコンからは某掲示板へのアクセスも
認められた。細く白くニキビ顔、淀んだ瞳。ワイドショーは今
気色の悪い彼の顔一色だ。
それはつい先日まで、中学生活でのいじめを耐えつつ、放課後は
幼女を凶器で脅し林の中へ連れ込んでいた、15歳の少年の顔であった。
(つづく)



170 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/03(火) 15:18
すげーありそうで恐い。
でも続きが楽しみです。

171 :読み専でこういうのもなんだが :2000/10/03(火) 15:31
>169
このネタには俺的にはちょっといただけんなぁ……


172 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/03(火) 15:43
>169
こういうのもありだとは思うが、
気持ちよくは読めないだろうな。

173 :172 :2000/10/03(火) 15:50
あ〜、sage忘れた。

補足。
だからといって悪いという意味ではないので。

174 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/03(火) 15:56
>>172
>>173
>170
だよね?

175 :172 :2000/10/03(火) 16:17
>175
スマソ。
170のことね。

176 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/03(火) 16:30
>170
実際に人死が出た事件だからユーモアとしても辛いね

177 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/03(火) 17:48
このスレの1からずっと見てるんだけど、
なんか実際に冬が近づくにつれて冗談じゃなくなってくるような気がしてきた。
さしあたっては、行かないけれどレボが本気で怖い・・・

178 :手動筆記人@カゼひーてdown中 :2000/10/03(火) 19:57
えーと、レヴォは要所要所に重装歩兵かクルダのセヴァール(笑)が立ってるのを
知ってるからこそ、あーゆーネタを書いたんだけど…
(というか、暴走が起きてもワールドインポートマート4階入口で詰まる)
…ネタで済むよね、ね?(泣)

#でも、今後書く予定の「冬コミ2日目のカッタ列vsヲマエモナ実働部隊との
 銃撃戦」なんてのは、さすがに起きないと思う…いや、思いたい。
(いっそのこと、デビークロケット[携帯核バズーカ]でも登場させたほうが
 フィクション感が強くなるような気がしてきた今日この頃)


179 :名無山 :2000/10/04(水) 00:00
>170
>「見て下さい、白麦茶の集団です!!」
>声が鼻につく女リポーターが楽しげに叫び、カメラが俺達を映していた

かつて
「ご覧下さい!10万人のM崎の群れ〜」みたいなことが実際にあったな。
晴海の頃だが。

180 :しーな :2000/10/04(水) 11:41
2000.12.30 am9:14 とあるアパート前

昨晩から降り続いている雪は完全にアスファルトを覆い隠し、一面を銀世界に変えていた。
「異常気象だな」
真っ白になった道路を踏みしめながら誠が呟いた。
雪は静かに降り続いている。

ここ数年見た事もないような大雪に見舞われた東京はすっかり交通が麻痺している。
「間に合うかな…。もし遅れたらこの程度の雪で止まってしまうヤワな交通が悪いんだ」
二度寝してしまい遅刻した自分の責任を棚に上げ、誠はつぶやいた。
彼の心にある棚は数え切れない。

誠はアパートの扉の前にたどり着き、チャイムを押した。
表札には「秋見 美優」と書かれている。

ピンポーン。
…ドタバタ
「は、はい」
「えと、誠だけど」
「え、もうそんな時間?ごめんなさい、ちょ、ちょっと待って下さい」
ドタバタ…
予定では9時に迎えに来るはずだった。だがとっくに9時は過ぎている。
どうやら美優も寝坊していたようだ。

181 :しーな :2000/10/04(水) 11:43
しばらくして扉が開いた。
「すみません。ちょっと準備に手間取っちゃって…」
あわてて靴を履きながら美優が玄関から出てくる。
「あ、足下」
「え、きゃあ!」
見事、美優は雪に足を滑らせ尻餅をつく。

「痛たた」
「足下、気を付けてって言おうとしたんだけど…、大丈夫?」
誠が手を取って美優を立たせる。

「すみません」
「そんなに慌てなくても大丈夫だよ」
「ごめんなさい、五月ちゃんが待ってると思うと慌てちゃって」

二人は五月の高校の時の先輩だ。
五月が高一の時、美優が高二、誠が高三だった。

今まで通り今日も五月はサークル参加で、二人は一般参加である。
元々は五月が同人活動しているのを知ったのが、この世界に入るきっかけだった。
五月が熱心に同人誌を勧めてくるのを読むうちにどんどんハマっていった。
二人ともそれまでもアニメや漫画などはそれなりに見る方だったが、
同人を知ってからは一気にその世界に染まっていった。

彼女がいなければ数多のすばらしい同人誌と出会うことがなかっただろう、と誠は思っている。
五月には感謝の気持ちで一杯だ。五月のおかげで今の自分があると言ってもいい。
その五月に感謝の気持ちを込めて、今日は差し入れなどを持っていこうとしていた。

182 :しーな :2000/10/04(水) 11:45
ひとつ心配な事もあった。
最後のコミケという事もあって、五月は一番好きなジャンルで本を出すと言っていた。
しかしそのジャンルは五月に妙な厨房をまとわり付かせることになった原因のジャンルなのだ。
大丈夫だろうか…。

「大丈夫ですよ」
美優がにっこり笑って言う。
「五月ちゃんは強い子ですから」
誠は言葉に出していたわけではない。しかし美優は誠が五月の心配をしている事がわかっていたようだ。
美優はときどきこのような勘の良さを発揮する。
宇宙世紀に生まれていたらパイロットになっていたかもしれない。
誠はふとそんな事を考えていた。
いや、でも普段のボケっぷりじゃ無理かな?

「何ですか?」
「いや何でもない。じゃ、行こうか」
「はい。…あ…」
美優が突然、足を止めて振り向いた。
そのまま虚空を見つめている。
「どうしたの?」
美優は空ではなく、もっと遠くの何かを見つめているようだった。
「あ………終わっちゃう…」
不意に美優の瞳から一筋の涙が流れた。
雪は静かに降り続いている。


その時の誠は気がつかなかったが美優の見つめている方向は
今現在、最後のコミケットが開かれようとしている東京ビッグサイトの方向だった。

183 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/05(木) 11:10
とりあえず昼あげ

184 :三文文士@「ごあいさつ」 :2000/10/05(木) 12:17
この冬のコミックマーケット59は、すでに緊急アピールでもお知らせしたとおり、
久しぶりの「次の開催が決まっていない」コミケットとなりました。コミックマー
ケット準備会は、時代が変わろうとしていく中で、参加者が変わっていく中で、器
であるコミケットの運営そのものを変えていくための多少のお時間をいただくこと
なります。

今まで24年にわたって、紆余曲折しながらも、運営しつづけてきたコミケット。
それが一時とはいえ、休止することには一抹の寂しさも禁じえません。思えば、あ
の今はなき消防会館から、大田区産業会館、川崎市民プラザ、横浜産業貿易ホール、
TRC、幕張メッセとさまざまな会場を使用してきましたが、やはり我々にとって
特に思いが深いのは、晴海・東京国際見本市会場と、有明・東京ビッグサイトでし
ょう。マンガ、アニメ、オタク、コスプレ…長年にわたり流布されてきたマイナス
イメージを跳ね返し、プラスに変えていくための我々の闘いにとって、この2つの
会場はやはり別格の意味がありました。

コミケットとは何か、これをもう一度確認していくとするなら、それは、表現を伝
え受け止めることにより自らを豊かなものにしていこうとする、主に紙を核媒体と
した交流の場です。そして、コミケットは、それを維持し、拡大させていくことに
よって、世界の中に、その価値観を定着させていこうとする意思をも持っています。

24年もの長い間、この一時だけ現れる解放区を維持するために、どれだけの力が
注がれているか、私達は参加者の皆さんに伝達していく努力を特にしませんでした。
それは、あくまでコミケットの主体は参加者の皆々様であって、それを支える裏方
が前面にでるのは相応しくないという発想であり、また、その努力は、解放区の同
志である皆さんが、コミケットの歴史を引き継ぐ中で当然に分かっていてくれてい
るであろうという一種の甘えによるものでもありました。

私達はつねにコミケットは存続の不安の中にあるといってきました。しかし、この
危機感が十分に参加者の皆さんに届いていたか。今から思えば、ここに一つの鍵が
あったのではないかと思えてなりません。今秋に起きたある同人誌即売会における
痛ましい事故は、私達にも痛切な思いを抱かせずにはおきませんでした。今回の休
止が、参加者の皆さんに、同人誌とは、表現とは、あるいは、権利とは、自由とは、
責任とはといったことについて、ちょっとでも考えていただけるきっかけになると
信じています。

それでは、また、再びお会いするその日まで、ごきげんよう。      (米)

185 :三文文士 :2000/10/06(金) 02:16
今後どういう展開でせめようかな。
浅草の名古屋事件をちょいと掘り下げてみようかしら。

今日は吉野家で、特盛り食べながらそんなことを考えてしまった。
鬱山車脳

>サンデーライター様
例のメールお送りいたしましたので、よろしくご査収ください。

186 :手動筆記人 :2000/10/06(金) 10:32
2000.11.02 PM09:37 京王電鉄新代田駅ホーム
>>75より続き)

『…これって、漫画の原稿?』
「そうっス。そしてこいつをこうすると…」
画面上のカーソルが動き、今まで白地だった場所にトーンが表示される。
白さ溢れる原稿はみるみるうちに原稿としての体裁を整えていった。
『へえ…』
「こいつのおかげで、線画を描き上げてスキャナで取り込んでしまえば
 あとは原稿の仕上げも編集作業も、いつでもどこでも行えるっつー
 寸法っスよ」
『少なくとも、台詞のネーム貼りは飛躍的に楽になりそうね。台詞が
 吹出しに入らない、ってことで何度ネームを縮小コピーしたことか』
「重たいロゴデザイン帳を抱えて図書館までコピーに行って、ロゴの
 形にきれいに切って表紙に貼っていくような手間も省けますよ」
『そういや漫研で会誌作ってた時、そういうことしてたねぇ、うちら』
そう言って二人は笑いあった。

『…でも、こういうのって何だか味気なくない?』
晶はどこか不満げな表情を正通に向けた。
「”努力を誉めて貰って喜ぶな。作品を誉めて貰って初めて喜べ”」
正通もまた、不満げな表情を浮かべながら晶に言葉を返した。
「そう教えてくれたのは晶さんですよ。どれほどの手間暇を掛けて
 描いたところで、読者にとって作者の努力なんて全く関係ない。
 作品が面白いか否か、それだけが評価基準だ…ってね」
『そうだったね、吉村…』
「それに、俺が読者に見て貰いたいのはあくまで”話”ですから」
『今の読者で、ストーリーまでちゃんと見てる奴って居るのかねぇ』
晶は自嘲的に呟く。
「いますよ。人数は減ったかもしれませんけど、きっと」
正通は自信がこもった口調で答えた。
「…でないとやってらんないスよ。こんな酔狂なこと」
正通の言葉を聞き、晶は笑みを浮かべた。
『じゃあ、その酔狂な作品を読ませて貰えるかしら?』
「あ、じゃあファイル名の末尾がページ数に対応してるんで、順番に
 クリックして読んで下さい…ってエキスプローラーって知ってます?」
『マシン叩き落とそっか?』
晶は藤子不二夫A調の笑みを浮かべながら、ThinkPadを空中に持ち上げた。
「すみません、言葉が過ぎました」
『判ればよろしい』
晶はパソコンを膝の上に戻し、正通の作品を読み始めた。


187 :手動筆記人 :2000/10/06(金) 10:33
『…あんた、一体何考えてんの?』
全ての原稿を読み終え、晶は腕組みしながら正通に尋ねた。
「何って、この原稿読んでみて解りませんか?」
正通は憮然とした表情を浮かべながら答えた。
『そりゃ、あんたの言いたいことは解るけど…創作系なんてギャルゲー
 以上に新規参入が難しいジャンルなんじゃないの?』
晶は一気にまくし立てる。
『あんた、自分も”魔法少女R”みたいになれるとでも思ってんの?』
「いくら何でもそこまで夢見ちゃいませんよ、俺は」
正通はそういってかぶりを振った。
『最近の創作少年はペラい設定資料集や鉛筆書きのラフ本ばかり増えて
 読み応えが無くなった、ってグチってたのはあんたでしょうが』
「でも、”R”のおかげでストーリー重視の作品でも高評価を得ることが
 出来る、と世間に認知されたんですよ。そうしてかろうじて出来た
 道筋に続いていかなければ、道は絶えてしまうかもしれないんですよ!
『その後に続いていくのが、吉村でなければならない理由は無いわ』
晶は言下に斬り捨てた。
「俺が続いてはいけない、という理由もまた有りませんよ」
正通は晶の眼を真っ向から見据える。
二人は無言のまま対峙し続けた。

『…あんた、自分がやろうとしていることが限りなく無謀だ、ってこと
 解ってんの?』
先に静寂を破ったのは晶のほうだった。
「同じことをダチにも言われましたよ。お前は平成の山中鹿之助か、って」
『ああ、地幼年の作者の』
「…晶さん、相変わらずギャグが難解すぎっス」
その一言をきっかけに、二人を包んでいた気まずい雰囲気は一気に消え失せた。
「第一、俺にだって同人の端くれとしての自負くらい有ります。同人なら
 同人誌で自分の言いたいことを伝えなきゃ、何のための同人なんスか?」
緊張が解けて気が緩んだ正通が本音を漏らす。
『…そうだな、吉村。まぁ、頑張りな』
晶はなぜか、どこかぎこちなく答えた。
「今日、何だかんだ晶さんと話せて良かったですよ。俺、最近落ち込んでたんで」
正通はそんな晶の様子に気付かずに話を続ける。
『何で?』
「晶さん…俺、先週居たんスよ‥‥‥池袋に」
一瞬、空気が凍った。


188 :手動筆記人 :2000/10/06(金) 10:34
『…池袋、ってもしかして?』
「もしかしなくてもレヴォですよ。幸い、巻き込まれはしませんでしたけど」
『そう…』
再び二人の間に気まずい雰囲気が流れた。
「すいません、こんな話しちゃって」
正通はそういって頭を掻く。
『いいって、吉村もショックだったんだろうし』
「そりゃショックでしたよ。血の海、なんてのを見たのは生まれて初めての
 ことでしたからね。人のうめき声を聞いたのも、瓦礫と化した…」
突如、激しい打撃音があたりに響いた。
『吉村?』
正通は自らの拳をベンチに向かって打ち下ろしていた。
晶たちが座っているベンチがびりびりと揺れる。
「…悔しいんですよ」
正通は喉から絞り出すように、かろうじて言葉を紡いだ。
「こんな事態になるまで、何もできなかった自分が」
『…あんたのせいじゃないよ』
晶はひどく悲しげな表情を正通に向けた。
「いや、俺達のせいですよ。あいつらを…カッタに並ぶような奴らを
 信者だの転売屋だのと異分子扱いして、のけものにしてきたから、
 だから、あんなことに…」
『いや、あんたは悪くないよ。だって…』
晶はここで言葉を切り、ふと目線を遠くに向けた。
『…いや、何でもない』
直後、晶は意外な行動に出た。
「…あ、晶さん?」
晶は正通の背に腕を回し、上半身を引き寄せ、自らの胸元にその顔を埋めさせた。
あまりにも突拍子も無い出来事に、正通は硬直したまましばらく動けなかった。
晶は正通の耳元まで唇を移動させ、そしてこう囁いた。
『あんたは、あんたの信じる道を行きな。少なくとも、あたしは応援するよ』
正通の耳元は晶の息吹で揺れ、正通の鼻腔は晶の香りで充ち、正通の全身は
晶の体温で包まれていた。そんな至福の状態であったため、晶の言葉は
正通の脳に全く届いていなかった。


189 :手動筆記人 :2000/10/06(金) 10:39
『…いや、あたしとしたことがちと大胆なことしちゃったな、にははっ』
晶は照れくさそうに腕をほどき、正通から離れた。
「‥‥‥」
正通は顔を真っ赤にして放心状態に陥っていた。
『よ、吉村? おーい、気をしっかり持てー』
晶は正通の眼前で掌を上下させる。
「…晶さん」
正通は、今夢から覚めたばかりのようにぼうっとした様子だった。
『なに?』
「…この、とらのあなの紙袋、持ってない方が晶さん綺麗ですよ」
『な、何言い出すのよいきなり!』
「つーか、この紙袋の中に何入ってんスか? さっき、紙袋が背中に当たった
 とき滅茶苦茶痛かったっスよ」
『…ひ・み・つ☆』
「どーせ、またキャットファイトのポーズ集でも買ったんじゃないスか?」
『”また”って、そんなもん最初から買っとらんわ!』
そういって二人は笑い合った。

「じゃあ、俺、そろそろ帰りますわ」
正通はThinkPadを鞄にしまい、ベンチから立ち上がった。
『うん、ちょっと長く引き留めちゃってごめんね』
「まぁ、今日は色々話もできましたし、思わぬ役得もあったし」
正通は先ほどのことを思いだし、再び赤面した。
『自分で言ってて顔赤くしてちゃ仕方ないねぇ』
晶はひやかすようにニヤニヤと笑う。
「そういえば晶さんは、まだこの辺に住んでんスか?」
『うん、いちおう実家だしね』
「そうスか…じゃ、電車来たんで。今日はありがとうございました」
『いや、こっちこそありがとうな、吉村』
「じゃ、また冬コミで」
正通がそう言ったと同時に電車のドアが閉まり、走り去っていった。
晶は、電車が見えなくなるまで手を振って見送り…

『‥‥‥いつから、そこに居たの?』
晶は振り向くことなく呟いた。
その口調は、今までとは全く違う冷酷なものだった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ども、お久しぶりの晶編の続きです。
続き(というか晶編終章)は夕方あたりに。

190 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/06(金) 13:55
age

191 :サンデーライター :2000/10/06(金) 15:51
今しがた「オマエモナ 01」に申し込んでしまいましたっ!
サークル名は「終わるコミケット制作委員会(おわるこみけっとせいさくいいんかい)」です。
当日はコレと前スレのSSから「終わるコミケット プロローグ版(仮題)」をコピー誌で出す予定です。
それと、どなたかサークルカットを描いてくれる方きぼーん。
テンプレートに描いてメールで私宛に送ってください。

192 :手動筆記人 :2000/10/06(金) 17:47
ども、肉般若スレをリロードしまくってたら仕事が溜まってしまいました(笑)
というわけで#190の続きは明日以降ということで。

>>192
ついに実際に動きはじめたんですねぇ。いやなんか凄いですわ。
オイラは自分の方の作業で手一杯なんで、オマエモナには一般参加で
逝くことになりそうです。
サクールカットは、描いてみたかったりはしますがオイラの絵柄は
「エコケットに逝け!」と言われそうなぷに絵なもんで、スレッドの
雰囲気に合わないんじゃないかと思ってたり。
誰か、藤原カムイばりにオヤジとウエポンとギャルが描ける人は
居ないもんですかのぉ(他力本願)

#そいえば、来週水曜日まで吉野家牛丼100円引なんですよね?>三文文士さん
 明日はダイエーで特価バーゲンが開かれそうだし(笑)


193 :流れ書き :2000/10/06(金) 19:07
最近本職多忙につき進んでません、スマソ。でも今晩から書くつもり。
ちなみに雅人編をもう1回書いてから佳織編に飛ぶかと思います。

>>192
いよいよですね。実際動き始めたという実感を受けます。
私も一般参加で逝くかもしれません。
サクールカットは、絵心ないもので……鬱出汁悩。
手動筆記人氏の「藤原カムイ」ばりというのも、確かにいいですね。
さすがにウメヅはやばいですか(苦藁


この間梅田のレコード屋で買った「この地球を神と崇める」っていう曲の、
「破壊の悲劇」っていうのがレヴォの破局に合いすぎ……鬱打。


194 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/07(土) 13:58
とりあえずあげとこう。

195 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/10(火) 05:46
ぞぬから揚げ一丁!

196 :Jr :2000/10/10(火) 17:43
>>169 しーなさん
遅レスすみません。
ファイルの一番上に書いてあるとおり、更新や追加はご自由にどうぞです。
いつアップしたかを一番上に書いておいて貰えると、混乱がないと思います。


197 :三文文士@「謝辞(うそ)」(つくりかけ) :2000/10/11(水) 11:06
本SS集の作成にあたり、以下の資料を使用しました。ここに深甚なる感謝の念を
表します。

「コミケット準備会の業革」(私家版)(日本中央競馬調教助手会)
「コミックマーケット」(文部白書増刊・文部省大臣官房政策企画課編)
「おたく市場」(大日本経済新聞社)
「コミックマーケット準備会執行機構図」(第58次コミックマーケット準備会総
本部機構監理担当)
「コミケット準備会 きしむ巨大権力」(私家版)(日本中央競馬調教助手会)
「不屈の混雑対応担当物語」(私家版)(OG会)
「コミケット準備会スタッフ憲章」(コミケット準備会スタッフ憲章製作委員会)
「こちら東3ホールBシャッター前分駐隊」(私家版)(東3会)
「孤高の帝国−検証・コミックマーケット−」(大日本経済新聞社)
「外周担当只野ブロック長」(私家版)(スタジオ・コンプリィト)
「注目のインディーズマンガ」(リクルート)

協力
日本電信電話株式会社グループ各社(全国の電話通信網の整備)
2ちゃんねる(板の整備)

てなかんじでなんか造れないか模索中です。


198 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/11(水) 11:06
あーげ

199 :しーな :2000/10/11(水) 11:19
>>197
了解しました。
自分の書いた分の時間設定を変更させてもらいました。
http://members.nbci.com/doujin2/date.txt

200 :しーな :2000/10/11(水) 11:20
一応修正した内容を書き出してみました。
細かい修正が多い上、他の事件には関係ない事ばかりだと思うので、
ただの私の自己満足と思って読み流してくださいませ。


■時間の変更、設定

前スレ311
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175&st=311&to=311&nofirst=true
> 2000.12.29 pm1:34 とあるサークルスペース前

2000.12.30 pm12:04 とあるサークルスペース前

前スレ342
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175&st=342&to=342&nofirst=true
> 2000.12.30 pm12:36 とあるサークルスペース内

2000.12.30 pm12:06 とあるサークルスペース内


前スレ472
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175&st=472&to=472&nofirst=true

1行目に
「2000.12.30 pm12:16 とあるサークルスペース内」
を挿入

>>22
1行目に
「2000.12.30 pm12:25 東京ビッグサイト西2ホール」
を挿入


■ついでに年齢設定の変更

前スレ311
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175&st=311&to=311&nofirst=true
> 18の夏にサークル参加するようになって5年になる

15の夏に一般参加するようになって4年になる。サークル参加するようになってからは3年だ。

前スレ342
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175&st=342&to=342&nofirst=true
> 年齢は自分より上だろう。27@`8ぐらいか。

年齢は自分より上だろう。22@`3ぐらいか。

> 「3年前の冬コミでもこうしてあなたのサークルの隣になったのよ」

「2年前の冬コミでもこうしてあなたのサークルの隣になったのよ」

> 紛れも無く、3年前に五月がこのジャンルで出した最後の同人誌だ。

紛れも無く、2年前に五月がこのジャンルで出した最後の同人誌だ。


あと五月のサークルの配置なんですが
ネコミミサークルでデジこ本を出してるんでやっぱ東館ですよね。
東1〜6のどこかはわからないですけど。

201 :サンデーライター :2000/10/11(水) 11:48
>>198
あと「同人誌の起源」(民明書房)も入れて欲しいですね(藁

202 :ヘタレ文スマソ2 :2000/10/11(水) 13:54
小さい者ほど大きい者の皮をかぶりたがる。「ネオ麦茶」も
「麦茶」という、当時その掲示板では高名だった固定ハンドル名を
いじくったものだという。・・その正体は幼い子供でさえ
凶器の助けがないと干渉できない真性のクズだというのに。
「・・・」
そこまで考えて、俺は自分を嘲笑した。
15歳。そのころやはりいじめに遭っていて、家で鬱憤ばらしに
9つ年下の妹をいじめていた俺が、言えた義理ではないからだった。

白麦茶逮捕後、当然ながら某掲示板そしてコミックマーケットへの
風当たりはクライマックスを迎えた。
掲示板は殺人予告が出る度に利用者を増やし、ネオ麦茶の時をしのぐ話題の
サイトと化していた。が、それもマスコミが
卑劣残虐掲示板として辛辣に報道するようになってからは、
バスジャック時のように逆にそれをウリにする、ということも不可能となった。
そして数日前、ついに閉鎖を余儀なくされた。

(すまん つづく)




203 :手動筆記人 :2000/10/11(水) 14:10
>>198
「コミケってそういうことだったのか会議」(大日本経済新聞社)
「米澤嘉博 未来を語る」(A!SKi)
「逆説のコミケ史」(丼沢元彦)

…も希望(笑)


204 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/12(木) 04:29
あげます

205 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/12(木) 04:35
小林よひのり「コミケ論」は?

206 :三文文士@雑感 :2000/10/12(木) 08:01
せっかくだから、こういうネタ系も入れておいたほうが面白いかなぁ。

「僕はこんな本を読んできた」(磐田次男、文藝戦国)
「コミックマーケットを想う」(吉川智恵、文藝戦国)
「情報、代表に達せず」(OG会)
「統括部、応答せよ」(コミケット準備会編集編纂担当編)
「更衣室担当斯く闘えリ」(更衣室担当戦友会)
「混雑対応担当を作った男−総統括補佐島の物語」(OG会)
「会すれど議せず、議すれど決せず、決すれど行わず」(CPS出版)
「コミックマーケットスクランブル」(CPS出版)
「まんがレポート全集」(CPS出版)
「さとみちゃんのはてしない物語」(同人誌生活文化総合研究所)
「食は有明にあり 食道楽ホール長の証言」(CPS出版)
「準備会の漢 角息シリーズ スタッフ候補生、雑務班を撃滅せよ、コンビニホッ
トスパー、東3ホールの煙、ガレリアの死闘、燃えるビッグサイト、勇士の帰還、
決戦!西ホール!、KGOBの反乱、ホール長角息」(CPS文庫)

一応、一つ除いて、原典あり。

207 :ヘタレ文スマソ3 :2000/10/12(木) 09:11
実は俺もその某掲示板を結構利用していた「名無しさん」の
一人だった。ギコ猫という、色々な変形を遂げ、
毒を吐いたり素晴らしいことをほざいたりする謎の生命体が
可愛くて大好きだったりした。匿名性の無法地帯(?)なだけに
それ故がかもしだす面白味が俺にしっくりきていたのだ・・他にも
煽りや嫌味まじりの敬語レス達で、ネットで生きていく術を
学ばしてもらったり・・無視の技術とか荒らしへの耐性とか・・・
・・俺の精神がガキらしく、あんまり体得できなかったが。
「あのう」
どもった声が、トリップ中の俺をいきなり引き戻した。
真横に小学生の女の子がいる。
ゆるいウェーブのかかったダークブラウンの髪。控えめな
グレイのカラーのアンサンブルスーツをまとっている。
こんな時に小学生がこんな所にいるのもビックリだが、
もっと俺を戸惑わせたのは、彼女の眼鏡の向こうの大きな瞳から
数滴の涙がこぼれているという、即誤解を生みそうな
シチュエイションであった。
「あのう・・あのう、えと・・」
おどおどしながら目をこすり少女は、
「ははははははい何でしょう?え、ホント何?え?」
少女の涙にパニックになる実に情けないオトコに
一体の猫人形を見せた。
・・突如俺に閃光が走った。
ヤフゥ掲示板で速攻排除された、ある1つのレス。
『ラストコミケに出没します。某掲示板で「筋肉大暴走伝説」という
固定ハンドルを名乗っていた者です。当日は某掲示板の
マスコットも連れていきます。良かったら声をかけて下さい。
合言葉は・・・』




208 :ヘタレ文スマソ4 :2000/10/12(木) 10:00
「合言葉は・・・」
指さす手を震わせる俺を、
ターンエーの口をしているギコ猫がじいっと見つめていた。
「逝ってよし」
その解答はギコ猫の持ち主を微笑ませ、大粒の涙を1粒
地面に落とした。

コテハン筋肉大暴走伝説は、ワイドショーが喜んで非道意見として
取り上げるレス達の
生みの親御さんである。ネナベネカマとはよく聞くが・・
まさかティムポマンコ連呼人間がこんな美少女小学生とは、誰が予測
できただろう。
「あ、あたしこれでも高2なんですよ」
「うそっ」
「化粧もしないし、むかつくほど童顔ですからねー
仕方ないけど、ビックリなされるの。
まあそのかわり中身は・・ね。」
・・・・うん。
少女は照れて顔を伏せた。


209 :流れ書き@自分も :2000/10/12(木) 10:42
「混対スタッフ応答セズ」(慎重文庫)
「僕の本を転売らないで」(雷撃文庫)
「ぼくらのコミケット戦争」(角沢文庫)
「コミックマーケットへの道」(エニックソ)

古本屋で適当に買ってみた本から。
ネタです、ネタ(藁

210 :名無しさんi286 :2000/10/12(木) 15:05
2000年12月28日 14:24 東5ホール内

 静かな、空間。

 敷き詰められた机。その上に並べられた椅子。静かに吹き抜ける風が、島端の机に
貼られたブロック案内表示の紙を揺らす。机に貼られたシールは、やがて訪れる
『サークル』という名の主を、穏やかな時の中で待っている。

 遠くから歓声が聞こえる。西4のコスプレ広場で行われている、設営反省会の喧噪が
聞こえてくる。設営部の頭はまだ総本部にいる筈だから、今は前座で盛り上がって
いるのだろう。微かに届く楽しげな笑い声が、耳に心地よい。

 でも、こんな空気を噛みしめることが出来るのも、これが最後。

 笹島遥、東*ホール長。C59唯一の、女性ホール長だ。今までのホール長が、今回
限りの新しい部署--メアリ対--へ異動となったため、ホール長補佐を長く務めてきた
彼女に、最後のお鉢が回ってきた…といったところだろうか。
「……ホントに、最後の最後…よね。役なんて欲しくないって、ずっと思ってたのに」
 ぽつりと呟く。寂しげな微笑み。両手を前で組み、その場に立ちつくす。
 ……天井から漏れる日の光が、肌に心地よい。願うことなら、この天気は明日
明後日の本番の日にとっておいてほしかったのに…コミケットの神様は、つくづく
最後まで意地悪なんだね。…思うとおりにならないから、また楽しい…なんて言葉が
頭をよぎったが、流石に今回ばかりは不謹慎だと思ったのか、軽く頭を振った。

「遥さん、こんなところに居たんだ…」
 不意に、背後から声。振り返らなくても、遥はそれが誰だか、声だけで解った。
「澤さんか…どうしたの、設営終わったあと姿を見かけなかったから、バックれちゃっ
 たのかと思ってたよ」
「……それは、酷いです」
 一瞬、むっとした声になった彼女が可笑しかったのか、ついクスクス笑いを
漏らす遥。
「大丈夫、澤さんがそんなコトするなんて思ってないし、いまの怒った返事でどれだけ
 本気でスタッフするつもりがあるのかは、解ったから」
 言葉を切って、遥がゆっくりと、優しい微笑みをたたえ、振り返る。

「最後のコミケットに、ようこそ」



211 :名無しさんi286 :2000/10/12(木) 15:06
2000年12月28日 14:28 東5ホール

 平穏に終わることだけを、ただ、願う。

「でも、今回は前日設営、随分と早く終わりましたね〜」
 澤由希、遥と同じ東*ホールのブロック担当は、のんびりと言葉を紡いだ。
「前日設営じゃなくて、設営、ね。設営部の上の人、呼び方にこだわってたから…。
 ま、最後のコミケってことで、一般のお手伝いさんが増えたからかな。でも、多す
 ぎて終いには飽和状態だったけどね」
「はい。私なんか、机2本と椅子を10脚ぐらい運んだら、仕事なくなっちゃい
 ました。ちょっと寂しかったです」
 てへへ、と笑いながら、人なつっこい顔を向けてくる由希。赤の他人だったら、
流石に疎ましいと思うのだろうが…二人はこれでそこそこ長いつきあいだったりする。
漫研の先輩後輩という間柄をスタートとして、片手で足りない程度のつき合いを続けて
いる。
「だから、お手伝いの人が増えたっていうのは、時短の主な理由じゃないですよね」
「だとしたら、やっぱりあれよね『代表が遅刻しなかった事』かな……って」
 代表が----の下りを見事にハモられて、遥が思わず苦笑いを浮かべる。
「だって、ガレリア側のシャッターが開いたのって、今回10時きっかりでしたし…」
「…ま、最後ぐらい予定通りに事が運ぶコミケットがあったって良いじゃない」
 苦笑いを浮かべたまま、遥が答える。どうせ、オンタイムで事が運ぶのは、今日
までだ。搬入が始まれば、そのオンタイム進行だって不可能に近いだろう…という
言葉は、流石に飲み込んだ。
 そして、由希はまだ知らない。爆発物が設営作業中に見つかったと言うことを。
最早、最後のコミケットの平和は表層だけのものとなっていた。否、それも何処まで
取り繕えるかは、甚だ怪しい
「…澤さんは、確か今日と明日だけだったよね、スタッフするの」
 ゆっくりとした口調。嫌な方向へと思考が流されないよう、出来るだけはっきりと。
「はい。クウガでサークル取れてましたので、二日目はお休みです。…ホントは何時も
 通り売り娘さんに任せるトコなんですけど…最後の時間は、自分のサークルで立ち会
 いたいんです」
 ただ笑顔だった由希の顔が、引き締まった微笑み--ほんの少し、哀しみを落とした--
になる。そんな彼女を、目を細めて見つめる遥。帰れるサークル…それは同人世界の
マイホームなのだろう。全てはそこから始まり、全てはそこで終わりを迎えるのだ。
サークル活動を止めてから数年。自分の家を手放し、沢山の家と家とを繋ぐ『場』を
守る事に専念してきた遥にとって、そんな由希のことが、少し、羨ましかった。
「……ちゃんと楽しんできなさいよ? 二日目…閉会宣言の拍手、とびっきり大きな
 ものに出来るよう、私達も楽しみながら頑張るから」

 だから、最後の瞬間まで守り、見つめ続けてみようと思う。

「はい。あ、でも、一日目の閉会宣言もそれに負けないぐらい大きなものに出来るよ
 う、私も頑張りますよ」

 皆で築き、その様々な憧憬を内包した
          コミックマーケットという、小さいけど、大きな世界を。


212 :名無しさんi286 :2000/10/12(木) 15:07
2000年12月28日 17:25 東*ホール・サークル受付

 何時も通りだと、思ってた。

「お疲れさまー」
「お疲れさまでーす!」
 遥が自分の居場所に戻ると、そこは既に臨戦態勢が整えられていた。
「えーっと…ファックス良し、電話…良し。通話確認はもう済んでる?」
「あ、電話の方は済んでます。FAXは、総本部から確認送信するって--あ、来た
 みたい」
 大きな作動音を立てながら、FAXが紙を吐き出していく。手に取る遥。
「『館内各地区長・ホール長通達……29日の目標…』」
 遥の読み上げる声に、一瞬静まりかえるスタッフ。
「『夏コミに引き続き、スタッフによる『にゅ』『にょ』の使用禁止。今回はそれに
 加え『ぴょ』『にはは』『ぶいっ』の使用禁止』」
 静寂が破られ、思わず爆笑し出すスタッフ。
「やっべ、これ今日の目標だったら、俺もう破っちゃってるよ〜」
「でもさ、今日だったら使って良いって事じゃないかぴょ? にははっ」
 笑い合う、馬鹿だけど頼もしい戦友達のおふざけに笑みをこぼしつつ、遥は続きを
読み上げる。
「……『恙なく、全ての人が楽しいコミケットの進行』」
 再び、笑い声が止んでいく。真剣な眼差し。
「…甘いお題目…全ての人が楽しいコミケットなんて、所詮は絵空事なんだけど…
 私達がそれを信じて頑張らなきゃ、コミケットは歩いていけないんだよね。大変
 だけど……頑張ろう、よろしくっ」
 親指を突き上げる人、諸手をあげて拍手をする人、微笑みながら頷く人…。此処に
いるのは大なり小なり、コミケットを真剣に好きな人たちだという事を、遥は痛感
する。前日のこんな時間まで、本番を迎えるために仕事を続けることが出来るのは、
即ちそういうことなのだと。
「えーっと、今いる外周ブロック担当は18:00に見本誌部屋集合ってことだから宜し
 く。残った人は館内張り付き隊と交代するか、見本誌箱用の郵パック作りね」
 遥の言葉に、受付に集まっていたスタッフが動き出す。


2000年12月28日 19:05 東ホール2階、とある控え室

「米沢代表が、連れて行かれた」
 唐突な館内総統括の言葉に、その場にいた全員が語る言葉を失った。
「だ、誰にですかっ!? いったい何処へっ!?」
 総毛だった地区長が、椅子を倒しながら立ち上がる。
「……警察に事情聴取だ。今回ばかりは身代わりが立てられなかった…例のサン
 シャインの件以降、警察も厳しいらしい…身代わりも立てられなかったよ」
 暖房の入っていない控え室の空気が、さらに幾分下がったように、遥は感じた。

 その場に集められたホール長以上の責任スタッフは、それ以上誰も口を開かなかっ
た。重い、空気。全館放送が、残っているサークル参加者の速やかな退出を促すメッ
セージを伝えたが、それが終わると、再び重苦しい沈黙が続く。
「……前回の発火騒ぎの時も、取り調べは長時間に及んだ。我々は、代表抜きで…
 最後のコミックマーケットを開くしかない…それだけの覚悟を、持っていて欲しい」
 総統括の言葉が、全員の希望を飲み込んでいく。せめて当日までに帰ってきてくれ
れば、という思いは、もはや空しいだけだと言うことなのだろうか。
 決して一枚岩ではない準備会。それを緩やかにまとめていた、代表の不在。それが
どんな事態をもたらすのか…。

 もはや、それは祭りではなかった。這い寄る混沌。際限なき悪夢。何が起きるのか
誰にも解らない。
「こんな最後……誰も望んでないのにっ……!!」
 遥の短い呟きが、冷たい空気の向こうに白く浮かび…消えていった……。

−−−
駄文失礼。何時もageだけだと失礼かな、と思ったので
お目汚しながら書いてみました。
多少なりとも整合性合わせようとして、ヘタレに
磨きをかけたけど…文書くって楽しいね(懲りろ少し;


213 :ログ保存人 :2000/10/13(金) 04:26
http://ueno.cool.ne.jp/endofcomike/

9/25〜10/12分までのログを更新。
春画変態さん、ヘタレ文スマソさん、名無しさんi286さんのログを追加。
他追加分のあった人の分も更新済み。
BBSは感想や連絡などにお使い下さい。

名無しさんi286さんの文を見て更新意欲が沸きました。
やっぱり意欲がそそられるようなものがあるといいですな。

214 :三文文士 :2000/10/13(金) 15:05
i286さん、まじでいいです。
なんというか、1さんのいう「最後のコミケットの空気」がスタッフの視点から、
しっかり描かれています。

215 :名無しさんi286 :2000/10/14(土) 04:24
2000年12月28日 19:27 東*ホール内

 一人、立っている。

「……寒いな」
 底冷えのする寒さに、澤由希が思わず泣き言を呟く。両手で握った使い捨て懐炉
だけが、冷えた身体に温もりを与えてくれていた。
「……そういえば、もうそろそろ雪が降るって……」
 家を出る前に確認した、新聞の時間別天気予報を思い起こして、開け放された搬入
シャッターへと目を向ける。
 頼りなげな常設照明の明かりが、トラックヤードの光景を朧気に浮かび上がらせて
いる。其処に立つゲートのスタッフや警備員達のシルエットが吐く白い息だけが、
やけに鮮明に見えた。

「なに、ぼーっとしとんねん」
 背中越しの声と同時に、唐突に襲う、頬の熱い感覚。全くの不意打ちに、肩を振る
わせ、短い悲鳴を上げる由希。
「悲鳴上げる事ないやないか……ホンマ、澤は臆病なやっちゃなぁ」
 けらけらと笑う背後の男に、由希は身体ごとくるりと振り返った。あからさまな
非難の視線を、彼に突き刺す。
「朝倉さんに、女の子をストーキングする趣味があるなんて知りませんでした」
「ス、ストーキングやなんて、んな人聞きの悪ィ----」
 朝倉と呼ばれた男は、由希の言葉に慌ててかぶりを振った。
「いっつもそうです。なんで私に近づくときは、毎回毎回不意打ちまがいのコトする
 んですか? 私だって、いい加減怒りますよ?」
 ジト目に、うっすらと涙がたまっているのを認めて、朝倉はさらに慌てたそぶりに
なる。
「ちゃうちゃうっ! 単なるジョーダンやがな、ジョーダン」
「……冗談で、嫌がらせするんですか?」
 非難の槍襖が、ずぶずぶと朝倉の耳に突き刺さっていく。----撃沈。
「……全面的に、私が悪ぅございました」
 打ちのめされた朝倉が、がっくりとうなだれ、謝罪の言葉を結ぶ。
「宜しいです。それじゃ、フォルクスで奢りということで、手を打ちましょう」
「……吉牛では、あかんか」
「駄目です」
「……まぁ、ええわ。澤の一人くらい、ファミレスで奢るくらいの財力は----」
「あ、遥さんも一緒に連れて行きますから」
「二人かいっ!」
 理不尽な由希の宣言に、思わず突っ込みを入れる朝倉。しかし、いつの間にか笑顔に
転じた彼女を見て、朝倉はそれ以上の突っ込みを入れることはしなかった。
「(……寝た子を起こすのは止めとこか……澤、今でもぐずり癖あるし)」

 朝倉圭。遥や由希と同じホールの外周ブロック長を務めている。そのうえ、高校の
漫研では一つ先輩が遥、一つ後輩が由希という、学生時代からの同人仲間でもある。
腐れ縁も此処に極まれり、といった感はあるが、本人達曰く、
『腐れ縁は腐れ縁』
 と、いうことらしい。それでも、何だかんだで仲のいい三人ではある。

「……それ以上の関係には、なかなかなれへんもんやなぁ」
「……何か言いましたか?」
「いや、何にも。それより、フォルクスの奢りはもうちょっと先の話やろ? 取り
 あえず今は、これで我慢しといてな」
 朝倉は、段ボール箱から長方形の箱に入った弁当を取り出し、由希に手渡した。
「待ってました〜。朝は軽く食べてきただけだったから、お腹空いてたんですよ〜」
 本当に嬉しそうに、箱の蓋を開ける由希。「わ、カレーですね」
「それと、お茶な」
 ずっと朝倉の手の中にあった缶の緑茶--先刻、由希の頬に当てられたもの--も、
合わせて由希に渡される。
「でもって、食うときぐらいは椅子に座れや」
「……腰が冷えるから、嫌です」
「立ったままカレーをかっこむような真似はすな」
「……」
 しぶしぶ、外周通路に置かれたパイプ椅子に腰を下ろす由希。
「お尻が冷たいです……」
「我慢せい。なんやったら、本部に戻った時に交代要員回すようにするけど----」
「それは、いいです。まだ、私が此処に交代に来てからそんなに時間、たってま
 せんし」
 館内定点警備--外周通路や中央通路などで、車両や人員に注意を促す--に由希が
着いてから、そろそろ三十分。身体も十分に冷えた頃合いだったが、もうちょっとだけ
頑張っていよう、頑張っていたい…そう由希は思っていた。
「ま、ええわ。了解」
 ぼちぼち交代時間なんやけど、ま、人手に余裕があるわけや無し、もうちょっと
頑張っててもらおか。それに、一度言い出したら聞かへんからな、こいつは。朝倉は、
心の中で小さく嘆息した。

216 :名無しさんi286 :2000/10/14(土) 04:25
「あとな、搬入終了時間、予定よりかなり遅くなりそうやねん」
「え、なんでですか?」
 今にもカレーを頬張ろうとしていた由希は、スプーンを下ろすと朝倉の顔を見上
げた。朝倉が答える。
「最後のコミケっちゅーことで、サークルも張り切ったんやろな。申込書に書かれ
 てた新刊の総搬入予定量、前の夏コミの五割り増しっちゅー話は、拡大で聞いた
 やろ?」
「はい。でも、大抵は落としたとか、ダミーのなんちゃって新刊とかで、実際の発
 行率はかなり下回るだろうって、その時言ってましたよね」
 軽く頷く朝倉。
「しかしやな、今回はその予定量の9割が、きっちりと発行、印刷、でもって搬入
 されるんやて、マジで」
「……9割ですか」
 流石に、この発行率には由希も驚いた。思わず、ホール内をぐるりと見回す。
「……もう殆ど搬入終わったね、って感じの梱包の数に思えるんですけど。しかも、
 いつもよりちょっと多めくらいの」
 外周や偽壁の搬入量が凄いのは言うまでもなく、島中でも結構な量の梱包が積み
上げられている。お誕生日席の幾つかでは、堆く積み上げられた梱包--下手な外周サー
クル並--が、荷崩れ防止用の透明ビニールでグルグル巻きにされていた。
「……搬入量過多で販売停止カード出さないかんようなところも、結構ありそうやな。
 ともかく、今の段階で搬入が済んでる業者は、三分の二っちゅーとこらしいわ」
「残りの業者さんは?」
「まだ北一駐車場や。ホール内に入ってもこれてへん」
 今度は由希が、心の中で嘆息する番だった。宮内庁や皇宮警察から、業者による
朝搬入は『絶対禁止』との通達…というよりは命令が、準備会に言い渡されていた
ことは由希も知っている。開会宣言をするという親王殿下の警護に、万全を期すと
いう理由のためだ。
「……朝搬入を禁止しても、結局、サークル入場時間はどうやっても混乱するんです
 けどね〜」
「全くやな。ま、殿下はんが開会宣言するんは、確か西のアトリウムっちゅー話
 やったと思うから、多分東は西ほどには混乱しないとは思うねんけど----」
 今の言い様は、流石に西のスタッフに悪いと思った朝倉だったが、直ぐに忘れる
ことにした。夏コミで、あんな巫山戯たパニックを引き起こした西の奴らに、詫びる
ような言葉なんかあるわけないわ。……拡大集会で流された夏コミの事件のビデオを
見、事件の顛末を、瑣末なところまで聞かされ、知ったときにわき起った怒りが、
未だ収まっていない朝倉であった。
「そーゆーことで、最後のトラックが搬入終わってホールを出てくまで、ワイ等は
 帰れへんモンと思っといた方がええな」
 そう言って、ニヤリと笑う朝倉。
「ははひは」
 口に含んでいたスプーンを、慌てて引き抜く由希。
「私は、元からそのつもりですよ。最後のコミケットには最後までつきあうって、
 腹をくくってから家を出てきたんですから」
 スプーンをぐっと握りしめて、由希は微笑んだ。
「えぇ度胸やな。本番迎える前にへばるんやないで」
「朝倉さんこそ」
 お互いの顔を一瞬見つめ合い、そして、笑った。

   準備会内部で起きつつある異変に気づくこともなく
       『玩具の兵隊』は夢につこうとしている
           ラスト・コミケット
                史上最大の、悪夢


217 :名無しさんi286 :2000/10/14(土) 04:48
1アーティクルで収まらなかった…宇津田誌納(泣。
一昨日UPしたのも、ところどころ説明抜けててイミフメだし。

>214
あう、恐縮です。あと、ログ追加ありがとうございます〜。マジ恐縮です;
>215
ありがとうございます。このスレはつい最近読み始めたのですが、
三文文士さんの「緊急アピール」や「ご挨拶」をはじめ、スレ全体に
インスパイアされて、つい口を(文を)挟みました。これからも、
皆さんの活躍に期待しています〜。
 

218 :Jr :2000/10/14(土) 17:12
http://members.nbci.com/doujin2/date.txt
レヴォを29日に修正、>>216の分まで追加。

私信でスミマセンが、
>サンデーライターさん、字並べ屋さん
ファイルを送りましたのでご確認下さい。

219 :サンデーライター :2000/10/15(日) 05:27
http://members.nbci.com/doujin2/ を、少しいじってみました。

220 :へたれ文スマソ5 :2000/10/15(日) 10:33
少ししてから顔を上げた少女−筋肉大暴走伝説は、逆三角ののっかった建物を見つめ、
しばらく沈黙していた。
有明の広い空に紅い陽が昇り始めた。
それは人間も建物も空気も穏やかに染め上げ、俺のちっぽけさ・・・
お前にとって大事なものがなくなっても、時間は立ち止まることなく
進んでくんだボケィ・・・を教えてくれるようでもあった。
「レス、ありがとう」
筋肉大暴走伝説(以下筋肉)がふっとつぶやいた。
「すぐ消されちゃったけど、ヤフゥのやつ。うれしかった。
貴方以外は荒らししかいなかったから」
「ああ・・・荒らしっていうか、PTAババアのヒステリーで
染まってたね、他のレス。無視って言葉をしらんのかって感じの」
「はは」
苦笑の後、筋肉は寂しげに再度うつむいた。
「みんなひどいですよね・・某掲示板利用してた人って多いと思うんですよ、
ヤフゥ掲示板利用者の中にだって。みんなあんなに使っていたくせに・・」
「ああ・・」
現在は利用してたことがばれると近所で白い目で見られたり、学校では
いじめられたりするようだ。筋肉は皮肉をたっぷり込めてこう言った。
「マスコミが悪いと言ったら即同意で、本当日本人てかんじ」
「はは」
今度は俺が苦笑する番だった。

「・・にしても」
声色ががらっと変わり、筋肉の瞳は俺を映していた。
「ん?」
「いや、なんか」
少女は首筋をなで、少し困っているようだった。寒さのせいか、
頬は薄く赤みをさしている。
「びっくりしちゃったぁ・・まさか
『伝説の名無しさん』が、こ、こんなかっこいい人だったなんて・・・」
「・・は」
「『おれも行きますよー、ラストコミケ。金髪見かけたら声かけて』
レス見たとき、オイオイどんなオタクだよゴルァっておもったけど・・・
超今風。マジえ、本当あの人?って感じだったし」

221 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/15(日) 13:43
絵描きさん向けにお絵かき掲示板を作ったらどうかな。
ホームページとか作ったことないから、言いっぱなしになっちゃうけど。
ごめん。

222 :へたれ文スマソ6ほんとにヘタレ :2000/10/15(日) 15:03
最初の緊張度が薄れ、筋肉のしゃべり方は女子高生のそれへと
姿を戻していくようだった。反対に、
「は、はあ・・そッスかね。ど、どうも・・」
褒められるのが苦手な俺はだんだんと腰が低くなっていった。
・・まあ、容姿なんて何とかしようと思えばいくらでも色が付けられる。内向的な
自分を何とかしようと思って、まず髪をブリーチすることから始めた、
ただそれだけのことだった。やってる間うとうとしてて、気がついたら
見事な黄色になっていた、というのは流石に内緒だが。
「ていうか、××の●●に似てるって言われません?」
「あ、あのさあ」
その手の話を長くされるのはつらい。俺は話を飛ばした。
「寒くないの?スカートのスーツで・・・タイツじゃ足つらくない?」
見た目は凛々しいが防寒度は低そうな姿を心配した。
「ああ、・・・寒くないって言ったら嘘ですけど。でもいいんです。
だって今日は最後のコミケだもん」
筋肉はふふっと微笑して、またビックサイトを仰いだ。
「うち、両親がオタクで。あたし生後1ヶ月からコミックマーケットに
出てるんです。もー生まれついてのオタクっつーことですねー!・・・それだけコミケと
付き合っちゃうと、ハイ今回で終わりですゆわれても納得いくわけ
ないっちゅーか?ふざけんじゃねーってゆーか?報道網がすごいから行くなとか
両親がいいやがっても、何か、・・」
筋肉は言葉を止めた。
「・・・」
それは次の言葉が重いことを予感させた。
「・・何か、それって・・ずっと付き合ってた人をあっさり裏切るみたいで
できませんよね。・・これでもあたし、今半端じゃなく悔しいんですよ。
悔しくて悔しくて、どうして夏のコミケで白麦茶殺っとかなかったんだろうって
馬鹿なこと考えちゃったりもしたりするんです」
「だから今日は偉大なコミックマーケットへの敬意を表して、スーツできました。
だから何じゃあとつっこまれるとこまるんだけど、あはは」

223 :なじょ :2000/10/15(日) 23:04
「くだらない」
男の頭に足をかけて、彼が叫んでいる。
「なあ、くだらないと思わないか?」
飛び散る唾液が男の顔にかかる。
「どいつもこいつも、いい年して、ロリコンエロ漫画買うために」
男の顔から血の気が引いた。黒く鈍く光る、確かな存在感を持った銃口が男の頭に向け
られている。
「この寒い中、徹夜までして並んでるんだ。気違い沙汰だと思わないか?」
ごつん。男の頭が銃で小突かれた。
「オイ、聞いてるか?」
「聞いてるさ」
男の声には明らかな不快感。
「違う」
男の頭に狙いをつけていた銃口が外れる。
「何だって?」
「黒人がみんなジャンキーのこそ泥じゃないように、日本人が出っ歯の眼鏡じゃないよ
うに、オタクだってそんな奴らばかりじゃない」
「ほお」
「大体この日本にオタクって呼べる人間が何人いると思ってんだい?ここにいる奴らだ
けでも二十万人は超えるんだ。そんな数の人間を一括りにできるわけがないだろ?大体
徹夜してる奴らなんか、僕に言わせれば只のクズだ。それこそいい年して刹那的
快楽主義者みたいに。いいかいよく聞いてくれよ。ひとつのことについて決断を下すま
では、態度を保留してたっていいんじゃないか?なんでそんなにすぐに決めたがるんだ?
僕達が、僕達が」
そこで男は言葉に詰まった。
「何かしたかって?してるさ。特にオマエはな」
再び男の頭に銃口が押し当てられた。
「言っていることには納得できるな。だがな」
彼は天を仰ぎ見た。
「オマエは臭すぎるし、太すぎるし、喋り方と言ってることは合わせてホモくさいし」
「俺を、殺すのか?」
「自分を省みるということを知らないし、言ってしまえば厚顔無恥」
「なあ」
「多分、成長しきれてないってことだ。最後に何か言い残すことは?」
「・・・・・・」
「つまんねえ奴」
ぷしゅ。
「あ、しまったな・・・ニュース板に立ててくればよかった」
「ちょっと!ここは故障中ですよ!」
言われた彼は振り向き、にこやかに言った。
「あぼーん」
ぷしゅ。

224 :手動筆記人 :2000/10/16(月) 02:42
2000.11.02 PM10:05 京王電鉄新代田駅ホーム
>>190より続き)

電車から降りた客が改札口に消え、再び静寂が戻ったホームに晶は一人
立っていた。
ふと、11月の冷たい風が晶の頬を撫で、肩まで伸びる髪を梳いてゆく。
その姿は幻想すら感じさせる艶やかさだったが、しかし、そこには先ほどまで
正通とふざけ合っていた朗らかさ、陽気さは微塵もなく消え失せており、代わり
に冷ややかなオーラを身に纏っていた。
「…一応、礼儀として気配は消したつもりだったんだがなァ? ヒャヒャヒャ」
誰も居なかった筈の、晶達が座っていたベンチの後ろの茂みから人影が現れた
…いや、以前からずっと居たのだ。それほど完璧に気配を消していた。
『無駄口はいいから、可及的速やかに用件を終わらせてもらえるかしら?
 同志インコンパラブル』
「相変わらず冷たいねぇ、同志マレイヤ。で、さっきのあんたの後輩とやらは
 あんたのお眼鏡に適ったのかイ?」
インコンパラブルと呼ばれた男は、20歳そこそこに見える優しげな青年の姿
とは裏腹に、下卑た口調と虫酸が走るような笑い声と肩に掛けたコミケット
紙袋(小)が奇天烈なグルーブ感を醸し出しまくっていた。
『…ダメね、あの子は』
無表情のまま、晶…マレイヤは肩をすくめた。
『夢を見てしまってるわ』
それはささやかな、しかし叶えられることは希有な夢。
自分の作品が他者に認められる夢。
自分の作品が他者の意識を変えるほどの影響を与える夢。
『…夢の世界にいるうちは、私たちの仲間になどなりはしないわ』
「なら、その夢を覚まさせてやればいいんじゃねェの? ヒャヒャヒャ」
『冬コミで現実に打ちのめされることだけは間違いないわ。でも、それでは
 遅すぎるの。我々が事を起こすのはその冬コミにおいてなのだから』
「確かにそりゃそうだ。ま、モナー隊を一個連隊作れるほどスカウトして
 きた”地獄のメーテル”が言うことなら間違いねェだろうしな」
『私がスカウトしたメンバーは、まだ百人にも達していなくてよ』
”地獄のメーテル”か…
マレイヤは、その言葉を心の中で反芻する。彼女はあらゆる手段を弄して
数多の青年をメンバーに引き入れてきた。そして、彼等を決心させるための
最後の駄目押しの一言は、いつも同じだった。
”古き良きコミケを徹夜・悪臭・暴走と傍若無人の限りを尽くして荒らし、
 ついにはレヴォを潰し、そしてコミケすらも滅しようとしておきながら
 今も反省することなくのうのうと生き続けるクソオタ共に、貴方の手で
 正義の裁きを下し、この世は因果応報であることを思い知らせてみる気は
 ないかしら? 我々には、それを実現できる「力」が有るのよ”
大義名分を得て自らが正義の味方となり、”悪”に対して一方的な暴力を行使
することができる誘惑に抗えることができる人間は、それほど多くはなかった。

「しかし、あんたがスカウトしてきた純粋真っ直ちゃん達も、まさかあんたが
 レヴォ大暴動の糸を裏で引いてたなんて思いもしねェだろうがな、ヒャヒャヒャ」
マレイヤの内心を知ってか知らずか、インコンパラブルの下卑た笑い声が響く。
『あんたは、歴史の教科書に落書きしたことは無いの? 織田信長が本能寺で
 死ななかった後の天下統一の進撃路を。日本海軍がミッドウェイで敗北しな
 かった後の連合艦隊の航跡を』
今まで無表情だった顔に自虐を込めた笑みを浮かべ、マレイヤは話を続けた。
『…私が立てた作戦案も、そんな誰でも思い描くような空想の一つ。ただ、
 今まで誰も実際に行動に移したバカが居なかっただけ』
「じゃあ、実際にヤっちまった俺様はヴァカか? 確かにヴァカだけどな、
 ヒャヒャヒャヒャヒャ! あの作戦書もごちゃごちゃ書かれてた前文など
 一言も覚えちゃいねェけど、行動自体はたったの二言だったしな。
 ”カッタの新刊が下の間に有るともっともらしく話せ、そして走れ”てな」
インコンパラブルの耳障りな笑い声が響く中、彼女は前文を思い出していた。

”エス(粛正対象者)の愚劣さを天下に知らしめて他の一般参加者の義憤を
 喚起してエスたちを隔離排斥させるため。また、エスの暴走阻止の失敗に
 よってレヴォスタッフ間の内紛を誘発させてその力を殺ぎ、しいては混対
 の中核をなす彼等を弱体化させることによって[来るべき粛正の時]遂行の
 際の障害を取り除くため、以下の作戦を立案するものである…
 Operation -Red October-”


225 :手動筆記人 :2000/10/16(月) 02:54
マレイヤ…当時はまだ”モナー六十三号”と呼称されていた…が提出した
作戦計画書は、直属上官の手により最高意志決定機関”休息所”にて諮問
に掛けられ、それは意欲的なものとして[来るべき粛正の時]への陽動作戦
の一つとして採用・承認された。
彼女は、作戦実務担当者として、自らの同期生であるインコンパラブル
…当時彼も”モナー六十五号”と呼称…を指名し、許可を求めた。
有能ではあるが奇怪な言動が多すぎる六十五号の扱いを考えあぐねていた
上層部は、半ばやっかい払いをするように許可を与えた。
彼は人間として大切な何かが完全に欠落していたが、その代償なのか
非合法活動工作員として求めうる最高の資質を備えていた。

マレイヤ…いや、六角晶個人として、作戦計画の中に秘められた願いがあった。
願わくば、自ら立てた作戦が失敗に終わることを。
この作戦は、インコンパラブル一人が騒ぎ立てたところで同調者が居なければ
何の効果も及ぼさないものだった。エス(粛正対象者)が何のアクションも
起こさず粛々と並んでいれば、[来るべき粛正の時]の際のこちらのアクションも
比較的穏やかなものになるはずだった。
守るべきルールはただ一つ、「自らの理性を保つ」。いくらカッタ列に並ぶ
愚か者達でも、夏コミにシャッター前で起こした惨劇から学習しているはずた。
彼等を誅殺する事に躊躇は覚えなかったが、好きこのんで滅殺するほど好戦的
でも無かった。彼女は最後の可能性に賭けた。
しかし…

「でもよ、レヴォで並んでたのは俺様以上のヴァカどもばっかりだったぜ。
 奴等、俺様がちょっと演技をしただけで勝手に暴走し始めやがったからナ!
 ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
彼女が開いたパンドラの箱には、”希望”すら残されていなかった。

予想を遙かに超える戦果が認められ、モナー六十三号は”マレイヤ”のコード
ネームが与えられ、作戦・諜報参謀として”休息所”の末席に加えられた。
モナー六十五号もまた、”インコンパラブル”のコードネームと共にマレイヤが
立てた作戦に関してフリーハンドで関与・遂行できる権限が与えられた。
そして彼等の昇進と同時に、”休息所”において[来るべき粛正の時]のために
立てられたいくつかの作戦計画のうち、"Case White"(白の場合)が全会一致で
承認・発動された。
それは、考え得る限りにおける”最悪”を具現化したような作戦計画だった。

----------

ども、何か文章がいつまで経っても纏まりそうにないので、自らにカツを
入れる意味も込めて前半部をUp。
最近、凄い文章書きさんが多数参戦してきてちと焦ってたりするし(^^;
懸案の情報処理試験も終わったし、とりあえず後編がんばろ。


226 :名無しさんi286 :2000/10/16(月) 03:51
2000年12月28日 20:49 東*ホール・サークル受付

 目に見える形で、始まった

「お疲れ、由希ちゃん。其処に温かい飲み物が有るから、一本もってって」
「お疲れさまです、えー、なんでもいいんですか?」
 結局、由希は搬入作業が終わるまで、館内警備から離れる事はなかった。幾度か
交代要員は来たのだが、
『私は大丈夫だから、他の人のところへ行ってあげてください』
 と、にっこり笑ってしまわれては、交代をしに来たスタッフも、帰るほか無い。
「それじゃ、コーンポタージュ頂きますね」
 コーヒーやお茶の缶に混じり、一つだけ残っていた小さな黄色い缶を取り上げると、
両手で包み込むように持ち替えた。冷たい手に、じんわりと広がる熱さが心地よい。
「……よっ……と」
 サークル受付のスペースへと入り込む。乱雑に出されたパイプ椅子の一つを選んで、
ちょこんと座る。一つ息を吐き出すと、由希はゆっくりと顔を上げ、東456の全景を
見渡した。

 張りつめた、静けさ。机の下に積まれた新刊、椅子の上には大量のチラシの束。
そして、その視界には人一人存在しない。白く冷たい水銀灯の光が、無人のスペー
スを、通路を、照らしている。
 由希は、この光景を見るのが好きだった。色んな人の思いが込められた、百万からの
新刊達が静かに眠りについている、この時間を見るのが。明日には、作り手の価値観に
共感した見知らぬ誰かの手によって、この有明を離れていくのだ。
 そうして運ばれた思いは、やがて有明へと帰ってくる。
 それは、こんな素敵な本にもっと沢山出会いたいと願う、参加者の形を取るだろう。
 それは、そのジャンルへの思い入れを増幅された、既存サークルの新刊という形を
取るだろう。
 ひょっとしたら、私達もこんな本を描いてみたい、私達の思いを伝えたい、という
新規サークルの形を取るかもしれない。

 出会いは、此処で生まれる。その出会いの場に立ち会うことが出来るのが、由希には
嬉しかったのだ。『よーするに、拡大再生産ってやつやろ。ホンマに澤はドリーマー
入っとんなぁ』……朝倉さんにこの事を話したときには、そう言って笑われたけれど。
「……(でも……もう、終わっちゃうんだよね……)」
 コミックマーケットは、終わりを迎える。何れは、このコミケットに代わる別の
即売会が、『出会いの場』を提供していくのだろう。由希が、それをスタッフとして
支えることは、恐らく、無い。彼女が好きなのは、『コミケット』の空気だったから。
「…………」
 目尻にたまった涙を、誰にも気づかれないように拭い去る。感傷に浸るのは、
コミケットが終わった後で十分できる。……どうせ泣くなら、終わった後に思い切り
泣こう。

 Trrr...Trrr...Trrr...

 突然、電話の着信音が響いた。その場にいたスタッフ達は、雑談を止めてそちらへと
振り向く。そして、由希も。
「もしもし、東*サークル受付です----」
 由希に笑顔で飲み物を勧めたホール長付が、受話器を取り上げた。何の用事だろう。
ホール長の遥さんはまだ帰ってきてないし、今日の仕事は殆ど終わってる筈なんだけ
ど。こくこくと、少し温くなったコーンスープを飲みこみながら、考える由希。
「----------------そうですか……解りました……はい、それでは」
 電話の応対の声が強張っている事に、その場にいた全員が気づいていた。受話器が
置かれ、注目のホール長付がこちらへと振り返り……一言。

「西ホールで、暴動だ」


227 :名無しさんi286 :2000/10/16(月) 03:53
2000年12月28日 21:00 西2ホール

 解れていく、結束

「…………ひどい……」
 口に手を当て、由希は思わず呟く。
 机や椅子、チラシが、床一面に散乱していた。何処かのサークルの梱包が踏みつけ
られ、或いは引き裂かれ、中身の新刊がそこら中にばらまかれている。少し遠くでは、
赤帽の軽トラックが横倒しにされているのが見えた。
 そして、殺気だった空気。スタッフや警備員に取り押さえられた人々が、ヒステ
リックに意味不明なことを叫び続けている。男女の割合は半々といったところか。
「……取り押さえられたんは、だいたい五十名そこそこっちゅー感じやな。全員、
 サークル参加者や」
 不意に、背後で朝倉の声。由希はちらりと朝倉を見やったが、直ぐに視線を戻す。
「……見知ってる顔も、ちらほらいますよ。みんな、かなり大手のサークルさんです」
 小さく呟く由希。
「そっか……それと、あの子らが暴動起こした相手っちゅーのが、そこでへたばっとる
 おっさん達や」
 朝倉が指を差した方へと、由希も視線を移す。額に血を滲ませながら、肩で息をし
ている男が数人。襲いかかられたことに怒るでもなく、神妙にスタッフの手当を受けて
いる。……やっぱり、見知った顔だった。
「……印刷所の、人ですね」
「あぁ。それと、犬の兄ちゃんらが何人か、救護室に運ばれたみたいやで」
「…………」
 由希はそれ以上、何も言わなかった。取りあえず、何があったのか知ろうと、手近な
スタッフを探す由希。
 居た。腕章をした恰幅のいい男が、こちらに背を向けている。もう数人、男性スタッ
フが近くにたむろしていた。何かを取り囲むように。
 中心に、少女。首からぶら下げている前日搬入通行証…サークル参加者らしい。
 少女は、泣いていた。
「……どうしたんですか?」
 スタッフに問いかける、由希。振り向いたスタッフのIDカードには、『西地区・
地区長代行』と記されていた。
「……東のスタッフには関係ない。さっさと自分の居場所へ戻れ」
 一瞬、由希の胸のIDを確認した男は、敵意のこもった言葉を投げつける。まるで、
親の敵でも見るかのような、そんな視線も合わせて。
「東だ西だって、そんなの関係ないじゃないですか」
 由希は、真っ向からその視線を受け止めた。かなり身長差があるから、見上げる
ような形ではあるが。
「だいたい、女の子を寄ってたかって男の人が取り囲むなんて、サイテーです。取り
 押さえられてないところを見ると、彼女が暴れたとかって訳でもないみたいですし」
 一息ついて、
「その子は、こちらで保護します。貴男方は別のお仕事をして下さい」
 由希が、きっぱりと言い放つ。色めき立つ四人のスタッフ。
「下っ端如きが偉そうなことを抜かすなよっ。これだから、東の馬鹿スタッフは
 使い物にならねぇんだよなぁっ」
 代行の隣にいる男が、そう怒鳴った後、下世話に笑った。追随する三人。
「……(……おかしい)」
 怒りよりも先に、小さな疑念が生まれた由希。イントネーションも、間の取り方も、
言葉の勢いにも、妙な違和感を感じるのだ。こちらを煽ろうとして、使い慣れていない
汚い言葉を無理に使っているように感じた……自分の意志とは別に。
 なら、なんの為に? 東西間のスタッフの関係を悪化させる為? もしそうだと
したら、何の理由があって? 得になることなんか、一つもないだろうに。……そんな
由希の疑問も、次の西館スタッフの一言で、怒りの向こうへと消えた。
「----ペーペー女なんかがホール長張ってるトコの下っ端スタッフは、トップ同様
 頭が空っぽのヤツが多いのかね----」


228 :名無しさんi286 :2000/10/16(月) 03:56
 ぱんっ

 派手な音。そして、静寂。ざわめいていた空気が、その音に飲み込まれてしまった
かのようだった。その場にいた全員が、音の発生源へと視線を向ける。
 右腕を振りきった由希。二、三歩蹌踉けた後、左頬を押さえながらスタッフが座り
込む。抜く手も見せない、見事な平手打ちだった。
「(目にも止まらぬ早業っちゅーのは、まさしくこの事やな……)」
 苦笑いをしながら、凛然と立つ由希に見ほれる朝倉である。
「(しっかし、由希に対して遥さんの暴言を吐くとは、不運なやっちゃのぅ……)」
 何が起ったのか解らず、暫く惚けていた男の顔に、怒りの表情が沸き上がる。
反動をつけて素早く立ち上が----ろうとしたが、床のチラシに足を滑らせ、再び
倒れ込んだ。あちこちで、失笑。
「てめぇ、何しやがんだっ!!」
 女性に殴られ、無様に転んだ男----それも大勢の人が注目する中で----は、最早
怒鳴り散らすしか、取り繕う術を持たなかった。
「向こうでお話、聞かせてくれるかな?」
 頬を涙でぬらしたまま、きょとんとした目でこちらを見る少女に、由希が優しく
話しかける。柔らかい微笑み。
 回りを取り囲むスタッフと、情けなく倒れ込んだままのスタッフは、完全無視。
「…………っ!!!!」
 由希にはり倒された男は、声にならない叫びを上げながら立ち上がり、由希の肩口を
掴み上げた。由希の軽い体が、木の葉のように揺り動かされる。男は力で、由希に
対して有利な立場に立とうとした。しかし。
「……殴りたければ、どうぞ」
 凛とした、冷たい言葉。何も見ていないかのような無感情な視線が、男の怒りを
更に駆り立てる。男の自由な方の腕が引かれ、由希へと振り落ろされた。
「そこまでにしとき」
「……朝倉さん?」
 その腕をやすやすと掴んだ突然の朝倉の姿に、由希が目を瞬かせる。
「あんまし男を追いつめんなや。痛い目にあいたいっちゅーわけでもないやろ?」
 そのまま、男の腕をひねり上げながら、一瞬考える顔をする朝倉。
「もしかして、マゾの気があったりするん?」
「しません」
 即答。
「ま、冗談はおいとくとして----」
 そのまま、捕らえた男の手を離し、三人へと突き出す。「地区長代行ともあろう
 人が、小さな女の子一人威圧するだけしか能が無いっちゅーわけでもないやろ?
 これ以上醜態さらす前に、とっととどっか行かんかい」
 朝倉は薄笑いを浮かべながら、ひらひらと手を動かした。
「あん? 巫山戯たことを……そういうお前には、一体どんな----」
 地区長代行の口が、ぴたりと止まる。視線が、朝倉の顔とIDを行き来していた。
「『ゲートキーパー』の、朝倉……」
「んなアニメの役所で人を呼ぶな、けったくそわるい」
「遥さんは、『シャッター前の守護神』って呼んでいましたけど」
「それはそれで、むっちゃダサいやん……」
 ……しっかし、俺も有名になったもんやな。朝倉はぽりぽりと頬をかきながら、
自分のネームバリューを思った。


229 :名無しさんi286 :2000/10/16(月) 03:56
 全戦全勝。館内総統括にそう言わしめる彼は、幹部スタッフの間ではよく語られる
存在だ。
 朝倉が陣頭指揮に立つシャッター前が混乱に陥ったことは、ただの一度もない。巧み
な話術で、一刻も早く大手へ走りたい参加者の感情を掌握し、最善のスタッフ配置で、
それらの参加者を安全にトラックヤードへと誘導する…言うほど簡単なことではない。
一次防衛線すら踏み越えさせず、シャッターが完全に開放するまで完璧に群を押し
止める----それが例えカッタ目当ての群であっても(最も、カッタ目当ての群を担当
したのは二度しかなかったが)----のは、今のところ彼にしかできない芸当であった。

「それとも、ホンマにそれだけしかでけへんのか? やったら、随分とヘタレた地区長
 代行…あぁ、地区長のヘタレな部分を代行してんねや、それやったら、納得やわ」
 今度は、嘲笑混じり。一旦は元に戻った地区長代行の顔色に、再び朱が入る。
「……仲裁に入って、余計怒らせてどうするんですか」
 小声で、由希が責める。
「……何のために怒らせてんねん。怒りがワイに向いとる間に、澤はとっととその
 娘連れてどっか行かんかい」
「……朝倉さんの、西のスタッフへの憎悪を、ただ叩き付けてるだけに見えます」
「うっ……」
 朝倉の、一見納得できそうな言い訳を、由希はあっさりと看破した。
「でも、時間は稼げたみたいです。ありがとうございました」
 言葉に詰まった朝倉に構わず、由希は小さく頭を下げる。
「……何のことや----」
「こそこそ喋ってないで、こっちを----」
「何の騒ぎだっ!!!!」
 朝倉と地区長代行の言葉を、威厳のある声がかき消した。
「……総統括」
 地区長代行の震えた声が、その名を呼ぶ。朝倉も、緩慢な動作で其方へと振り
返った。
「……何やってるの?」
「げ……遥さん」
 総統括の隣に立ち並ぶ、館内担当幹部スタッフの中に遥がいるのを見て、ばつが
悪そうに頭をかく朝倉。遥は、まだ事態を把握できずに、朝倉と由希を交互に見やっ
ている。
「乱闘騒ぎがあったと聞いて取り急ぎ来てみたが……まさかスタッフ間での事だっ
 たとはな」
 そう言って、館内総統括は朝倉と由希、地区長代行に視線を留める。素知らぬ顔の
朝倉、総統括をそのまま見据える由希とは対照的に、妙に慌てたそぶりになる地区長
代行。
「地区長代行。君は、地区本部に戻っていろ……詳しい話は、後で聞く」
 総統括は冷淡に言い放つと、返事も聞かぬままに朝倉達へと歩み寄った。
「朝倉……君も引いてくれ。此処は西ホールだ。回りの目も考えろ」
「へぃへぃ」
 両手を広げて小さくバンザイをすると、朝倉はやる気もなさそうに頷いた。もっと
も、これ以上地区長代理を挑発する事は、回りにいる西の一般スタッフをも無用に
刺激することになるとは、朝倉自身も理解している。
 総統括は小さく頷くと、次は由希へと顔を向ける。
「剛気な女性だな……それはいい。ただ、暴力を振るうのは感心しない」
「……見ていらっしゃったんですか?」
「そこのスタッフの顔が腫れているのでね。朝倉が殴ったのなら、あの程度では済ま
 ないし、ならば君が手を挙げたのだろうと考えたのだが、違ったか?」
 指を差された男性スタッフが、何かを訴えようと口を開いたが、総統括に一睨み
されて縮こまる。
「以後、気をつけます」
 由希は、微笑みながらそう答えた。


230 :名無しさんi286 :2000/10/16(月) 03:57
 乱闘に加わったサークル参加者達が、次々と警察官に連れられていく。恐らく、この
コミケットの間に解放されることはないだろう。彼らのコミケットは、これで終わっ
たのだ。
 その様子を、遥達は黙って見つめるしかなかった。何か理由はあるにせよ、法という
ルールを破った以上、罰を受けねばならない。遥の横に立つ朝倉も、ただ黙って彼らを
見送っていた。由希は、先ほどの少女の肩をしっかりと抱いている。少女は、泣いてい
た。彼女と共に訪れたサークル仲間は、既にホールから連れ出されていた。
 それは、まるで、葬列のようだった。
 乱闘の時は猛り狂っていただろう参加者達は、今はただ黙り、肩を落とし、警察官に
付き添われながらホールを後にしていく。それを見送る乱闘に参加しなかった参加者や
スタッフ達も、何事も口にしなかった。ただ足音だけが、その場にいた者の心に、
ずしりずしりと積もっていく。確かな重みと、哀しみ。

「----あー、すいません」
 遥は、声の方向へと視線だけを送る。何時の間にいたのだろう、其処には男が一人
立っていた。背広に、すり切れそうなコート。腕には、警察の腕章。
「……やっと気づいてくれた。あの、私、湾岸署の----」
 何やら自分の名前を言ったようだが、遥は適当に聞き流した。
「----で、ですね。この件に関して、ちょっと主催者の米沢さんに事情をお聞きしたく
 思いまして----」
「米沢代表に?」
「はい。あ、もうホテルにお戻りですかね……」
 訝しげに、その刑事の目をのぞき込む遥。
「……米沢代表なら----」
「其処の地区本部におる館内担当のお偉いさんに聞けばえーやん。ほら、その部屋や」
 遥の言葉にかぶせるようにして、朝倉が無愛想に言い放つ。
「あ、そうですか。どうもどうも」
 軽く頭を下げると、その刑事は其方へと歩み去った。
「……」
「……あれ、警察が鬱陶しかったんちゃいますの? 余計なお世話やった?」
 遥の横睨みが自分に突き刺さっているのを見て、朝倉が小声で探りを入れる。
「うん。ちょっと聞きたいこと、あったから」
 目をつぶり、溜息と共に答えを吐き出す遥だった。


231 :名無しさんi286 :2000/10/16(月) 03:58
 結局、その場は西のスタッフや館内担当統括部、サークル対応係が収集を着けると
決まり、遥達のようなそれ以外のスタッフには、帰宅命令が出された。何か手伝う
ことがあれば、と遥は申し出たのだが、それもやんわりと総統括に断られ、結局、
館の外へと追い出されてしまっていた。
「寒さが身に染みるのぅ」
 朝倉がズボンのポケットに手を入れながら、ぼそりと呟いた。もちろん外はかなりの
寒さだったのだが、朝倉が言う寒さは、それだけを差すものではない。
「そうね……」
 遥も、小さく呟いた。その後ろをついて歩く由希と、彼女がかばったサークル参加の
少女----名前は新谷悠と言った----は、何も言わずに、ただ着いてくる。
「……なぁ…何が、起ったん?」
 朝倉が、後ろについてくる悠に問いかける。出来るだけ、静かな声で。
「…………」
 俯いたまま、悠は何も語らない。
「言いたくなかったら、無理に言わなくても良いです。……言葉に整理するには、まだ
 ちょっと早いと思います」
 そう言って、傍らの悠を気遣う由希。明日の売り物の全てと、それを創るため、
共に頑張った仲間の殆どを失ったばかりの少女に何かを喋らせるのは、余りにも酷だと
思ったから。
「……いえ、大丈夫……です……」
 悠の掠れた声が、三人の耳に届く。誰も、其方を振り向かなかった。今までと同じ
ように、ゆっくりと歩を進めるだけ。そんな、不器用で小さな心遣いを感じながら、
悠は少しずつ、辿々しく話し始めた。

 西ホールには、大勢のサークル参加者が自分のスペースにやってきていて、印刷所
から届く筈の新刊を待っていたらしい。搬入量や落丁、乱丁の確認など、理由は様々
だろう。悠のサークルも、そのうちの一つだった。なんでも最後のコミケットという
ことで特別にカバー付の本を刷ったらしい。今日の内に多少でもカバーを掛ける
作業をしようと、届くはずの新刊を待っていた。
 しかし、新刊はやってこなかった。代わりにやってきたのは、ひたすら平身低頭に
詫びる、印刷所のスタッフ。新刊を運んでいたトラックが、首都高で事故を起こした。
誠に申し訳ない……と。周りを見回せば、外周大手サークルも軒並み荷物が無く、
印刷・運輸業者が詫びに回っていた。
 そして、怒号が飛んだ。
 最初にどこから飛んだのかは、解らない。続けて、とにかく彼方此方から、怒りに
まかせた怒声が上がった。次に、机や椅子がそこかしこで蹴倒される、激しい音。
 負の感情だけがぐるぐると、ホールの中を渦巻いていく。少女のサークル仲間も、
それに感化されたかのように、謝罪に来ていた印刷業者へと詰め寄っていく。そして。
「やっちまえ」
 軽い男の声だった。せっぱ詰まった感も、怒りの感情すらもない、場違いな声。
しかし、それで十分だった。新刊は、もう来ない。この、最後のコミックマーケット
というハレの舞台に……そのやり切れない、納得できるはずもない、その怒りを叩
付ける合図としては。
 その後のことは、何も覚えていない……と、悠は締めくくった。気がついたとき
には、悠はスタッフ達に囲まれていたという。
『お前のサークルが、暴動の発端だ』
 そう罵られ、責められ続けたと。


232 :名無しさんi286 :2000/10/16(月) 03:58
「……初めて、コミケに受かったんです」
 悠は言葉を続ける。
「私達のサークル、ずっと福岡で活動してて……何時かは、コミケで沢山の人に
 本を手にとって、読んで貰いたいねって……私も含めて、高校生ばっかりのサー
 クルだったから、そう簡単に東京に出るって事、出来なかったから……」
 鞄の中から、一通の封筒を取り出す悠。準備会から届けられた、色ラベル付の封筒。
「地元でもほんのちょっと人気が出て……そろそろコミケに出ても恥ずかしくない
 かなって事になって。……夏は、落ちちゃったんです。でも、冬は受かってて……
 凄く嬉しくて……最後のコミケには間に合ったねっ……て……」
 封筒を握りしめた手を、胸に押し当てる。手の上に、幾つかの雫が落ちた。
「……学校終わったら、みんな集まって……漫画描いて…………たくさん感想が聞け
 たらいいねって……そう思って…………っく」
 しゃくり上げる悠。あとはただ、悠の押し殺した泣声だけが、四人だけが歩く歩道に
響いた。誰も、口を開かなかった。口を開けば、きっと何かへの呪い事を吐き出すに
違いなかったから。そして、それは悠にとって、何の慰めにならないことも知っていた
から。
 だから、ただ黙って歩くことしか出来なかった。

「これから、何か差し入れを持っていくことにします」
 会議棟下のタクシー展開場で、悠はほんの少しだけ、微笑んで見せた。泣くだけ
泣いて、吐露するだけ吐露して、ほんの少しだけではあるが、心を軽くすることが
出来たようだった。……そう、見えたし、そう、思いたかった。
「……確か、みんなが連れて行かれたのって、湾岸署、でしたよね」
「……うん」
 由希が、頷く。自然に微笑むなんて事は、出来そうもない。作り笑いをするのは
悠に失礼な気がして、由希は今にも泣き出しそうな、そんな表情でいることしか
出来なかった。
「……少しでも出来ることをしたいと思うし……しなくちゃいけないですよね」
「偉いなぁ……いや、ホンマに。君みたいのんが同人世界にぎょーさんおったら……
 あんな事もこんな事も、きっと起らへんかったやろに」
 朝倉は悲しそうに笑いながら、悠の頭をくしゃくしゃと掻き撫でる。悠は苦笑いを
しながら、
「そんなに立派な人間じゃないです、私。今も、色んなどろどろした思い、あります
 から」
 と、小さな声で否定した。
「……もし、何かあったら電話してきてね。出来る限り、力になるよ」
 今まで話に加わらず、その様子を見守っていた遥が、悠の手にメモを握り込ませる。
「笹島さん……」
「さっきの馬鹿スタッフと違って、少しは話が分かるつもりでいるから、私。携帯
 だから、気兼ねせずにかけてきて良いからね」
「……ありがとう……ありがとう、ございます」
 深々と、お辞儀を返す悠。その声はほんのちょっと、詰まったように聞こえた。
しかし、顔を上げたときには、やっぱりほんのちょっとだけ、微笑んでいた。

 悠を乗せたタクシーのテールランプが見えなくなるまで、遥達は其処に佇んでいた。
そして……やっぱり、誰も、口を開かなかった。


233 :名無しさんi286 :2000/10/16(月) 03:59
2000年12月28日 22:24 晴海通り

 闇の中へ

 運転席の遥も、後部座席の朝倉も、お互いの腹の内を探るような沈黙を続けている。
エンジン音と、助手席で眠る由希の寝息だけが、二人の間を埋めていく。
「……雪、とうとう降ってきよりましたな」
 先に口を開いたのは、朝倉だった。フロントガラスに当たった雪が、ヒーターの熱に
融かされ、水滴となって流れていく。そしてまた一粒……一粒。
「……本当だ。朝には積もってそう……チェーン、用意してきて良かった」
 気だるげに、遥が答える。信号が青になったのを確認して、ゆっくりとアクセルを
踏み込む。車通りも殆どない年の暮れの街を、浜松ナンバーのファンカーゴが駆け
抜けていく。
「……なんや、この冬コミ呪われとんのとちゃいますか。呪った人間と呪いを実行した
 ヤツは同じヤツで、しかも準備会の其処此処におるような気がしまっせ」
 先ずは朝倉が、軽くジャブを入れる。朝倉の視線は、バックミラー越しの遥の顔を
捕らえて放さない。
「……当たりかもね……うぅん、大正解かな。有象無象の連中が、跳梁跋扈してる……
 準備会の中だけじゃない、その外にもね。どいつもこいつも、コミケットを食い物や
 錦の御旗としか考えてない……可哀相な人間よ」
「……西ホールの暴動、どこら辺が扇動したん思います?」
「……そんな事、私の口から言えると思う?」
 ちらり。遥の視線が、朝倉の瞳を射る。強固な意志。
「あらかた想像がついてる……っちゅー感じやね。サークル参加者とは別の誰かが
 扇動したってとこも、意見があってるゆーことで理解させてもらいま」
「……好きに理解して良いわ」
 ……本当は色々、話や相談したいやろに、下手に権力持った中間管理職も大変やな。
朝倉は心の中で呟くと、再び口を開く。
「刑事が来たときに、なんか質問があったのにとかゆーてましたな。あれ、何を聞きた
 かったんで?」
「……あの刑事さん、なんて言ったか覚えてる?」
「? 確か、米やんは何処だって……それぐらいしか言ってなかったんちゃいますの?」 遥が、僅かに頭を縦に振った。
「……ところで、代表が六時頃、警察に事情聴取で連れて行かれたって知ってる?」
「……初耳やね。そう言えば確かに米やんの姿、なんや暫く見かけへんかったわ。
 やっぱ、例の時限爆弾の一件……?」
「……さぁ? 私は、その件の処理はメアリ対統括が警察に話をして終わったと理解
 してたんだけど。……総統括から事情聴取の件を聞いたんだけど、何の事情聴取
 かは聞いてなかったわね、そういえば」
 其処まで言うと、今度は遥のほうから、ミラー越しに朝倉を見据える。
「で……警察に事情聴取に言ってるはずの代表を、どうして刑事がビッグサイトで
 探さなきゃいけないわけ?」
「っ……」
「まぁ、日本警察が情報の下位伝達も出来ないような無能揃いだったり、あの刑事に
 健忘症の気があったりすれば、話は別なんだろうけどね」
 目の前の信号----豊洲交差点----が赤に変わる。減速し、停止線を余して止まる
ファンカーゴ。

「……死ななきゃ、いいんだけどね」
 慌てたように、遥の表情をのぞき込む朝倉。遥の視線は、ウィンドウの向こう側。
朝倉もそれに倣うと、豊洲駅から大荷物を持った団体が出てくるところが目に入った。
PCゲームのヒロインがでかでかと描かれた紙袋は、嫌でも目立つ。
「……馬鹿は死ななきゃ治らない言いますけど、死んでも治らない連中や……徹夜で
 凍死でもしたら、東京湾に放り込んで事件隠蔽したいとこやな……」
 朝倉は憎々しげ気に集団を睨み付け、唾棄するように呟く。
「……なんで、あいつらみたいなのがコミケにやって来られるのに……あの娘みた
 いな子が、参加できないんだろうね」
「……何で……やろかね……」
 そして、車内は再び沈黙に包まれる。
 信号が、青に変わる。遥は、それでも暫く、その集団に視線を向けていた。
「……鬱陶しい」
 遥は、誰にも聞こえないような声で呟くと、ワイパーのスイッチを入れた。

 街路灯の光がぼやけて滲むほどに濡れたフロントガラスを、ワイパーが拭っていく。
向こうが見渡せるようになったかと思うと、直ぐに新しい雪の粒がフロントガラスを
叩いた。拭い、叩く。その、繰り返し。
 ……同じだね、私達や、あいつらと。遥は自嘲的に笑うと、ようやくアクセルを踏み
込んだ。

234 :名無しさんi286 :2000/10/16(月) 04:28
……改行一ヶ所抜けてるし……逝ってきます(汗

235 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/16(月) 05:15
朝一番あげ〜。
いいスレをほかしとくのはもったいない。

236 :サンデーライター :2000/10/16(月) 10:51
引越し先確認〜

237 :サンデーライター :2000/10/16(月) 18:12
2000/12/30 10:41 東京都江東区塩浜 南東京信用金庫塩浜支店

双眼鏡の中には、ライフル銃を持って店内の残された人達を脅している犯人達の姿が見える。
「参りましたね、野上さん。これじゃぁ手も足も出ない」
部下の上松が悔しげに言う。
「ホシが武器を持ってちゃぁしょうがねぇさ。まぁ機動隊も来てることだし、なんとかならぁ」
小さな信用金庫の支店だが、周辺の中小商工業者がよく利用するため、
年末の土曜日に窓口を開けていたのが犯人達の標的にされてしまった。
「おい、ホシは割れたのか?」
パトカーの無線を聞いていた上松に問い掛ける。
「前があるやつがいました。えぇっと…、あの黒いジャンパーの男です」
「だれだ?」
「松田雄介。8年前に銀行強盗をして1人殺してます。今は仮釈放中です」
「ったく、しょうがねぇヤツだなぁ」
野上は火のついてないタバコをくわえなおすと、無線FAXで送られてきた紙をめくった。
「ん? こいつ…」
「野上さん、知ってるんですか?」
「知ってるも何も、オレが挙げたヤマじゃねぇか。何で気が付かなかったんだ!」
野上はタバコを雪の積もった地面に投げ捨てると、ぐしゃぐしゃと踏み潰した。
「おい上松、大門を呼べ」
「は?」
「西部署の大門を呼んでくれ。こいつぁ一筋縄じゃ済みそうにねぇからな」

238 :サンデーライター :2000/10/16(月) 18:13
2000/12/30 10:47 警視庁西部警察署

旧式の電話のベルが部屋に響く。
「はい、捜査課。…。団長、湾岸署の野上さんです」
団長と呼ばれた男が受話器を受け取る。
「はい、大門です」
『やぁ久しぶりだね、野上だよ』
「あぁ野上さん、どうしました」
『昔、俺と一緒に松田っていう銀行強盗を挙げたのを覚えてるか?』
「えぇ。それがどうか?」
『またやりやがったんだよ。南東京信金の塩浜支店だ。すぐ来れるか?』
「大丈夫です。少し待っててください」
『また、派手にやろうぜ』
大門は受話器を置くと、周りに集まっていた部下に声をかけた。
「よし、行くぞ!」

239 :サンデーライター :2000/10/16(月) 18:13
2000/12/30 11:28 東京都江東区塩浜 南東京信用金庫塩浜支店

濃い緑色のジャンパーを着た男が、女性行員を抱えて入り口に現れた。
人質に頭には拳銃が押し当てられている。
「おい! 車はどうした! 早く用意しねぇとこいつの命はねぇぞ!」
その時、野上の後ろに、金色のフェアレディZを先頭にしたパトカーの列が到着した。
Zから降りてきたのは大門である。
「野上さん、お久しぶりです。それで、どうなってます?」
「ヤツらは逃走用の車を要求している。人質を3人とられてるんで用意させてるがな」
そこへ上松がやって来た。
「車の用意ができました。犯人に渡しますか?」
「私がやろう」と言って、大門はパトカーのマイクを取った。
「おい、松田。大門だ。久しぶりだな。話がある。ちょっと出てこねぇか」
スピーカーから大門の声が響く。
暫くの後、建物から黒いジャンパーを着た男―松田が女性客を抱えて出てきた。
右手にはライフルがある。
松田は不敵な笑みを浮かべると、大きな声で怒鳴った。
「久しぶりだな、大門さんよぅ。おかげで楽しいムショ暮らしだったぜ」
大門は黙って松田を見ている。
「10億円と飛行機を用意しろ。香港まで行けるヤツをな。そいつに金を積み込め。
 それから、オレたちが日本を出るまでの身の安全を保障しろ。そうでないと…」
松田がニヤリと笑う。
「臨海副都心を吹っ飛ばす!」
「なにっ」
思わず植松が叫ぶ。他の警官たちも一様に驚いているようだ。
しかし野上と大門は、それを予想していたかのように動じていない。
「年末の土曜日だ。台場には人が集まってるだろうなぁ。
 ビッグサイトじゃぁ、今日は何をやってるんだァ?
 もちろん、湾岸署も一緒に吹っ飛ばしてやるさ。感謝しろよ!」

240 :サンデーライター :2000/10/16(月) 18:29
と、いうわけで、なぜか「西部警察」になっています。
「2時間スペシャル 臨海副都心大爆破!」ってなところですかね。
また面倒くさいことにしてしまって申し訳ないが、なんだか楽しい(笑)。

241 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/17(火) 00:11
i286氏のコミケスターフのお話、自分好きです。
ただ、自分が勉強不足なもんで、理解出来ない用語がチラホラ・・・
そんな訳で、「終わるコミケシリーズ」の用語集きぼーん。
他力本願でスマソ。

あぁ、クレクレ厨房丸出し・・・
・・・鬱山車納。

242 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/17(火) 01:37
>>243
どれがわからないのか書いてくれないと
用語集も何も作れないと思うんだけど?

243 :三文文士@押しかけ女房の物語 :2000/10/17(火) 05:41
「さて、一休みしよっと」
東*ホール長付、木下尚子は荷支度をすませると、椅子に座り込んだ。
長年使われていることを思わせるティーセットを手馴れた様子で操ると、そこに出
来たはミルクティー。クッキーをお茶請けにした一休み。

きれいに整った本箱だらけの部屋の中に、ちょっと不似合いなゆうパックが10個
以上。中には、彼女が選んだ「必要な物」がぎっしり。

コミックマーケット準備会館内担当。
準備会の主要部門のなかで、最大規模を誇る彼らは、1つの統括本部、3つの地区
本部、8つのホール詰所に分かれて、業務に従事する。

彼女は、補給、物流、スタッフ勤怠管理、詰所管理など館内担当の後方業務を長年
続け、スタッフの業務環境の飛躍的な向上を成し遂げた、いわば隠れたプロだ。

前回までは、別のホールにいたが、史上初の、そして最後の女性ホール長の誕生を
聞き、異動を申し出た。本人の希望と、いくつかの取引と根回しと挨拶、そして人
事担当者のちょっとした気まぐれで決まったその人事は、しかし、体制表をみたブ
ロック長たちに大きな波紋をもたらした。

「木下の姐さん、うちらを見捨てるんすか」
「遥姐さん、お願いですから木下の姐さん返してくださいよぅ」
「あのぉ、今からでも東*ホールに移れませんですかね…」
「駄目だ、終わった…。うちのホールは終わった…」
『大惨事』拡大準備集会での彼らのうめくような恨み言、泣き言の数々を思い出し
てくすっと笑う。

(…どーせ、最後なんだもん。仕える人ぐらいは自分の趣味で選ぶわよ。少なくと
も遥さんは、誰かがゴミをまとめて、書類を整理し、下水を整備していることを知
っている。新米ホール長なら、誰かひとりでも後ろで支えてあげなきゃ)
往々にして、庶務担当者への評価、仕事の重要性の認識は低くなりがちだ。
それは準備会上層部の中でも変わらない。
物静かな尚子が、実は内心不満を抱えていたことを、前のホール長は気づくことが
出来なかったのだ。あの西2ホール長は。インフラの整備には金がかかることも、
インフラがなければ満足に仕事ができないことも、そして、インフラを整備するた
めに誰かが犠牲になっていることにすら。

ホール詰所に掲示するA2版の状況表示盤。のど飴。健康ドリンク。膨大な数の筆
記用具。ホカロン。一般参加者応対用想定問答集ファイル。ちょっとしたお菓子。
メモ帳。付箋紙。メディカルキット。紐。数えきれないほどの物資が箱の中につめ
られている。もちろん、これらはすべて彼女の自費で賄われている。準備会にもそ
こまでの金はない。

「ありがとう。おかげで助かります。本当にありがとう」
異動希望を聞いた時の、笹島遥ホール長の笑顔、握った手のぬくもり、手渡された
お手製クッキーの入った袋の感触を尚子は思いだした。その言葉が聞きたかった。
人間は理念のために闘いつづけることなどできない。理念を貫こうとして闘う人の
ためにともに闘うのだ。

「さて、あと一ふん張りしますか」
お茶をすすり、クッキーをほおばりながら、一般参加者案内用の掲示物などをお気
に入りのMACで作成する。
設営日に、帰宅後出力センターに持ち込むつもりのデータ。
それを作る彼女の眼はきらきらと輝いていた。

大した影響はないと思われたあるスタッフの異動。
しかし、だがしかし、その波紋は思ったよりも大きく深く広がっている。
その波紋に気づくものは少なく、そのもたらす結果を想像したものはまだいない。
それはある意味喜劇だった。

244 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/17(火) 05:52
ここで用語集まで始めちゃうと鬱陶しくてしょうがない。
どこか別のところでやれ。ログを置いてくれてるところに掲示板があったはずだ。

245 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/17(火) 09:48
なんかフィクション性が強まってきててちょっと萎え
魔法少女モノぐらいは笑えたけど

コミケでの騒動が「謎の組織」とかによるものだったりするより
現実にいそうなごく普通の参加者とごく普通のスタッフと厨房どもの
せめぎ合いの中でやむなく終わりを告げるコミケット、という雰囲気が
好きだったのだけど

まぁパラレルだから気にしなければいいのか

246 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/17(火) 11:08
>247
じゃあ、てめえが書け
気にしないなら、わざわざ書くな

247 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/17(火) 11:13
>>248
まぁまぁ、落ち着いて。
そういう意見もあるで受け止めておこうや。


248 :サンデーライター :2000/10/17(火) 11:55
http://members.nbci.com/doujin2/ に、レス式掲示板を開設しました。
疑問・質問・相談事はこちらへどうぞ。
ライター間の打ち合わせなどにも使ってください。

249 :名無しさんi286 :2000/10/17(火) 12:36
鯖移転に伴うスレッドのお気に入り登録変更終了〜。ここのところ私含めてsage進行
だったから、ひょっとしたら気がつかれずに移転されてないんじゃないかと…(藁えない
#あと、フリーメアド私も取ってみました。何かありましたら連絡下さい。

>243
どーもです〜。わかんない用語は、ニュアンス的に感じ取って貰えれば、それで(^^;。
私も、使ってる用語を全部詳しく知ってるわけではなかったりしますし…。
>245
キャラクターのクロスオーバーをして頂いて、ありがとうございます〜。ホール長付の
木下さん、私もこれから使わせていただきますね。私も他のライターさんのキャラと
クロスオーバーするようなストーリー、ちょっと考えてみようと思います。
>247
萎えですか…そうですか。もうちょっと、頑張ってみます。
>248
またーりと、行きましょう。何か書いてオープンな場に出す以上、何かしらの
リアクションがあって当然ですし、また、色々と為になったりしますからね(^^;。
>250
ご苦労様です。巡回コースに入れさせて頂きます〜。

250 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/17(火) 12:45
なんか、コピペがあぼーんされてて
レスの数字が変わったみたいだね。
混乱しまくった(笑)

251 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/17(火) 13:42
サンデーライターさん、
>>222
って意見があるんですけど、いかがですか?

252 :三文文士@個人的な感想 :2000/10/17(火) 15:38
秘密組織みたいなものがあっても全く不思議に思わない。
最近話題に上がってきたものだけでも、準備会の情報を集める人たちの秘密組織が
あったし、無線同人があったし。

なにしろ、1のころから、押井系の影響強い人ばかりでしたので、そういう方向に
進んでいくのは、あんまし不思議に思わなかったりもする。

あ、でもちょっとした人の行動、ちょっとした異動なんかが、50万人という数の
暴力的な波動の中で、大変なことを生み出していくってのはこれもまた好み。派手
な崩壊を取るか、なんかマニアックな崩壊を取るか。

用語集とかオマエモナ01で配るものに混ぜ込んだら良いんですかね。
良いなら、メアドとっている人の間で回覧して適当なものをでっちあげるという方
法がないでもない。あるいは、ちょっとしたアンケートとかね。

問題:誰がまとめますか
問題:だれが本にすると思っているんですか。そのコストは誰が負担するんですか。

はい、大変失礼いたしました。鬱山車脳。

あと、僕の関心は、すごく後方に向いているので、そっちの方ばっかにこれからも
なると思います。あんまし、どんぱちとか書くのは興味が湧かないんですよね。

253 :サンデーライター :2000/10/17(火) 16:47
オマエモナの参加費を振り込んできました。
ところで、本はどれくらい売れると見込めば良いんでしょうねぇ。結構買いたい人が多いみたいだけど。
一応コピー誌で50は持ち込むつもりですが、それ以上だと印刷所で刷った方が手間もかからないし、かえって安い。
それとも1000とか刷って50部単位で卸売りするとかな(笑)

>>253
私は自分のHPでもお絵かき掲示板は使ったことが無いので詳しく知りませんが、無料で使えるところがあるか探してみます。

254 :Jr@独り言……でもないか :2000/10/17(火) 17:08
派手でシリアスなドンパチと、
一般(またはそれに近い)参加者の間での幕間劇っぽい話と。
自分が書きたいのはその中間なんですよね。
元々、霧沢と杉名はその2つの接点として考えたキャラで。
既にラストシーンだけは決まってるけど、そこまでどう持ってくかな……。

#しかし参加経験の浅さは文章にも影響するなぁ、俺。
#i286さんの文とか読むと、ホントそう思います。(汗)
#あ、手動筆記人さんってもしかしてブギー好きですか?(笑)

255 :流れ書き :2000/10/17(火) 17:54
i286さんの文に触発されて書きちう……しかしブランクというのはキツイもので(^^;
いやぁ、やっぱりリアリティがありますよ、i286さんの文、やられました。

さあ、しっかり書くぞっと。

256 :サンデーライター :2000/10/17(火) 19:04
イラスト掲示板(らしいもの)を作ってみました。
オフ描きしたらファイルを適当なWEBスペースにアップして、
IMGタグを掲示板に貼り付けてください。
試そうと思ったけど絵を描いている時間が無いので誰かよろしく。

257 :手動筆記人 :2000/10/17(火) 19:19
オイラが書きたいのは、デスペラートばりの銃撃乱戦大虐殺シーンよりも
(まぁそれも書きたいんだけど)、その結果もたらされたものだったりします。
「春夏秋冬」(高井祐)のような話、といって解ってくれる人が居ると嬉しいです。

>>256
ブギーは歪曲王までは読みましたけど、最近読み返してないので内容忘れてたり(^^;
どっちかっつーと「バトルロワイヤル」と「レッドサンブラッククロス」が
今の文章の元になってます。つーか脇に置いてたり(笑)

#ちなみに、自分の分にサブタイトルを付けるとこういう感じで。

「はじめての友達」(次回配信予定)
「惨劇の鼓動」>>73-75@`>>187-190@`>>225@`>>227(続行中)
「穢された聖地」前スレ432@`552-558@`>>110
「明日は、きっといい日」前スレ219@`220
「最後の宴」前スレ294-296
「白き悪夢、舞い降りて」
「崩壊 -Destruction-」
「瞬きのあいだの永遠」
「夢醒めし後に」
「君に映る夢と希望」

いくつか、元ネタが有ります。


258 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/18(水) 00:10
なんかすごいねえ・・・

259 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/18(水) 02:01
もったいない…さがってるじゃないか…

260 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/18(水) 02:03
はいはい。大政奉還の頃には京都にいた。もうかなりおばさんだったけど。(気にしないでね)

う…うわああああああぁぁぁぁぁぁぁ!

261 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/18(水) 13:28
>>260 は何? 誤爆?

ついでにage

262 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/19(木) 02:57
19日もage

263 :三文文士@個人的な通信文 :2000/10/19(木) 04:34
実況!コミックマーケット58現地警備本部スレッド内 有明警戒1さま
あなたのお力をどうしてもお借りしたく思います。
やりたいネタがあるのですが、私に必要な知識がありません。
多分、あなたなら(そして一部のめ組系腐女子なら)、以下の文を読んだだけで、
何をしたいのか、お分かりになると思います。
興味がおありなようでしたら、ご連絡をえたく。
「池袋、救助入電中、池袋、救助入電中」
「なお、本出場は、第3出場となります。繰り返します、本出場は、第3出場」
「第二次特命増強出場指令」

>主要執筆者紹介さま
新星がきらめいておりますが、どうされます。このままにしておかれるおつもり
でしょうか。

264 :サンデーライター :2000/10/19(木) 11:10
来る者は拒まず、去る者は追わず。

265 :手動筆記人 :2000/10/19(木) 11:19
>>263
「作品には、作品をもって答える」
これしか方法は無いように思うんですが。
…自分の身にメチャクチャ跳ね返ってきますけど(^^;


266 :主要執筆者紹介 :2000/10/19(木) 16:16
>三文文士様
実は書いています。おっしゃられること、大体分かります。近いうちに出そうと思
っていましたので、特に問題ありません。去らんです(笑)

ていうか、俺もi286さんへの評価、極めて高いです。文章が光っています。

267 :手動筆記人 :2000/10/19(木) 18:13
>>265
ごめん、何か勘違いしてた。スマソ。

268 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/20(金) 10:51
153まで沈んでしまったのでage

269 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/21(土) 09:08
あげ

270 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/21(土) 12:52
週末はよく沈んでるのでage

271 :闇に踊る :2000/10/21(土) 14:14
「……んざい電波の届かない場所におられるか、電源をきっ……」
折戸はため息を吐きながら通話を打ち切った。20回も同じアナウンスを聞いていれ
ば溜息の一つくらいは出ようと言うものだ。
「何やってやがんだ、松畑の奴……」
11時には連絡する、そう昼の電話では言っていた。待つのに耐え切れずこちらから
携帯にかけても出るのは「通話がつながりません」と言うテープだけだ。
イベンター同士の話合いがここまでかかるとはとても思えない。まして明日は最後
のコミケットがあるのに、だ。それとも話が盛り上がってそのまま飲みにでも行っ
たのか。
「でも、あの葉書の内容だと盛り上がるような話ではなかったと思うがなぁ」
イベンター同士の連絡会が、コミケ終了と言う事態に際して話合いを持つべく松畑
は出かけていったのだ。ただの懇親会とは違う。
窓の外、午前1時ともなるとここいら辺では遠くの外灯以外光は見えない。北の地方
とは言えまだ雪が降る頃ではないが、さすがに吹く風は切りつけるように痛く感じ
る。多分ここより少しは暖かいであろう東京にいる友人の事を、1人折戸は考えて
いた。



272 :闇に踊る :2000/10/21(土) 14:16
折戸と松畑はイベントを始めてもう10年になる。県内はもとより近県のイベンター
からも参加サークル・一般参加者共にレベルの高いイベントと一目置かれる存在だっ
た〜それは大学進学・就職と全て地元で行い、持てる自由時間をイベントに費やして
きた結果だったが〜彼らにも限界が、そして決断の日が来ていた。
折戸がCレボの惨劇とコミケット終了の報を聞いたのは、3ヵ月後の1月7日に開催
する自身最後の同人イベントの企画を煮詰めていた頃であった。彼を含め、周りの
反応は怒りや悲しみよりも"ああ、やっぱりな"と言う諦め気味の気分が大半を占め
ていた。彼らは東京周辺のサークル・イベンター達に比べ一様に覚めた見方をしてい
たので、いつそうなってもおかしくないと思っていたのだ。
ある種雲の上の話だったこの事件は、しかし次第に彼ら自身に染みてくる様になっ
た。運の悪いことにこの事故で今まであまり報道されていなかった数々の事件・事故
までが週刊誌あたりにセンセーショナルに取り上げられる事態となったのだ。
 「奇妙な"おたく"の行動〜命よりも本が大事!?」
「まんがに恋した末に……。有明に火炎瓶を持ち込んだ男の"純情"」
「あの殺人鬼が見ていた"同人誌"の実態……表現自由の裏に隠れてたモノ」etc……
そして幾度目になるだろう、同人誌へのパッシングが始まった。だが今までと違っ
たのはイベント活動そのものに攻撃が集中してきたのだ。結果、各地の公共会館は
同人誌イベントへの貸し出しを渋るようになってきた。折戸も会館側に呼び出され
てやんわりとだが注意を受けた。
「君の所は問題ないんだが、周りは色々うるさくてね……」
初老の担当者はそう言って溜息を吐いた。


273 :闇に踊る :2000/10/21(土) 14:18
「"イベンター殺すにゃ刃物はいらぬ、会場貸さなくすれば良い"ってなあ良く言った
ものだぜ。来年春まではともかく夏以降の開催数は激減だろうよ」
昨日、東京へ行く前に打ち合せに来た松畑の台詞だった。彼の集めてきた情報によ
れば東京のオンリー系は中止の告知が増えていると言う。
「関東各県、それから大阪の100スペースクラスは片っ端から会場で跳ねられている
らしいねぇ。青少年育成条例が厳しい自治体や教育県で知られる所なんぞも同様。
来年末まで会場の調整に入っているような大手も今後どんな付帯条件が課せられる
か予測もつきゃあしねえ」
「ワイドショーあたりが派手にはしゃいでくれたから、全国万遍なく同人イベントの
悪名が広まってしまったか……ってよくそこまでの情報手に入れたな、松よ」
「っーかここまでしか分からん。ネットや知り合いのサークルへの問合せにも限界
があるしなあ。新潟以東と中国四国以西はお手上げ状態だわな」
大仰なジェスチャーで嘆く松畑。
「ガタケットや伊予っこ、CNあたりにコネ付けなけりゃこれ以上個人じゃ無理だわ」
「で、この葉書の登場となるわけか」
折戸は机の上に放り出されてあった葉書を手に取る。先日届いたそれには無味乾燥
なワープロ文字で次の事が書かれていた。
先日のCレボの事件やそれに伴う数々の報道、そして遂にはコミケットが終了する
に至り同人誌に関わるもの全てにとって今現在最大の危機が訪れているのは明白で
ある。
そこで予てからの懸案であった全国イベンター連絡会をこの機に設立し、直接行動
にて事態の打開を図りたい。ついては冬コミ前日にイベンターの集会を行い現状の
報告と今後の活動指針を話し合いたい。今後の活動に重要な集会となる為是非の参
加を求める。
差出人は「全国イベンター連絡会設立委員会」と有る。個人名はなかった。


274 :闇に踊る :2000/10/21(土) 14:21
「やっぱり何度読んでも胡散臭いわな」
松畑の感想は折戸も同感だった。
「いくつか気に入らない所が有るんだよね。一つ目は差出人に個人名が無いってとこ」
ここ数回あったいわいる"即売会の即売会"関連の連絡では必ず代表者名が記されて
いたが、この葉書にそれはない。
「第二に、"直接行動"ってななんだよ。70年代の学生運動かってんだ。大体同人イベ
ント創始者コミケ準備会の設立経緯からしてその手の雰囲気濃厚だからな。終了間
近の今は安保闘争末期みたいに部署毎の暗闘内ゲバなんでもアリだったりしてな」
「おいおい」
とりあえずツッコミチョップをかます折戸だが、多少いつもの陽気さは欠けていた。
「他にも気になる部分はあるけどな。気に入らんのはこのテンションの無駄に高い文
章の書き方でな」
指先で葉書をもてあそびながらのんきな顔で松畑は続ける。
「お前さんのいつものカンという事か。だったらやっぱり行くのを止めるか」
不安に捕われた折戸に首を振る松畑。
「いやいや、百聞は何とやらというではないか。怪しいならそれなりの心構えをして
せいぜい見物してくるさ」
「すまんな。年明け早々イベントさえなけりゃ僕が行くんだが」
「主催者は本部席に鎮座ましましていないとスタッフが困るだろうが。ま、ついでに
コミケ覗いてくるから欲しいサークルあれば今のうちに言えよ」
笑ってカタログを差し出す松畑だった。


275 :闇に踊る :2000/10/21(土) 14:23
不意に手に持ったままの携帯が鳴り、物思いにふけっていた折戸は危うく落としそう
になった。やっと連絡がきたかと思ったのだが液晶に表示された名前は違っていた。
小野寺という隣県でイベントスタッフをしている知り合いだった。
「どうも東京でえらいことが起こったようでして」
真夜中に電話した詫びもそこそこに勢い込んで彼は話し出した。
「知り合いのサークルから聞いた話ですが、今晩ビックサイトでサークルと印刷所の
間で暴力事件が起こったそうです。流血騒ぎにまでなったそうで……」
思わずため息を吐く折戸。松畑との会話が脳裏に浮かぶ中、小野寺に先を促す。
「問題は、その場にすぐ警察が駆けつけて双方しょっ引いたって事ですよ。準備会、
当日開催中止もありえるし、マスコミの絡みもありますからかなりピリピリしてる
みたいなんですが。
とにかくウチの代表も例の集まりであっち行っているんで連絡とろうとしたんですけ
ど全然だめなんですよ。他行っているはずの知合いみんな連絡不通で……松畑さん、
たしか行っているんでしょ。そっちの方から何か話ありませんかね。もしもし。もし
もし?」


276 :闇に踊る :2000/10/21(土) 14:30
毎回楽しみに読んでいたのですが、つい書きこんでしまいました。始めての書き込
みなので、場を白けさせたのではないかと心配なのですが。失礼しました〜。

277 :新規参入きぼーん者 :2000/10/22(日) 03:06
新小説追加祝いage。
あげついでにちょっと質問なんですが、コミケ当日の天気の設定ってどうなってましたっけ?
一日目当日朝から雪であってましたよね??

278 :サンデーライター :2000/10/22(日) 03:14
>>277
前スレにまとめてあります。
なんだったら、どこかにアプしましょうか?

279 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/22(日) 03:18
>277
私の場合、前スレの425のサンデーライターさんが書かれた
コミケ前後の気象情報を参考にさせていただいてます。
多分、他の執筆者の方もそうだと思うのですが…どうでしょ?

280 :名無しさんi286 :2000/10/22(日) 03:21
被った上に名無しだった……再び逝ってきます(涙

281 :新規参入きぼーん者 :2000/10/22(日) 03:40
>>278-279
了解いたしました、前スレを自力で発掘してまいります。
ありがとうございました。
んでも、これから参入される方々の為にサイトの方にアプするか
大体の天気で十分なので時系列データに書き加えていただけると後々いいかもしれませんね。

282 :アップ人 :2000/10/23(月) 00:40
前スレ425のサンデーライター氏の気象情報についての
書きこみをアップしときました。

ftp.xoom.com

ID:doujin2
pass:doujin

file:Weather.txt

283 :主要執筆者紹介 :2000/10/23(月) 01:51
サンデーライター氏
終わるコミケット製作委員会表見代表を兼務するライターの第一人者。東京都交通
局、コミケットの巫女、嘘ラジオ放送、東京都生活安全局(SA?)、魔法少女と
多彩きわまる展開は参加経験の豊富さを物語る。設定の共有化にもいち早く着手、
「首都高の事故」、「天候」、「配置日程」など重要なファクターの埋め込みによ
り、本スレッドを大きく豊かに発展させた。ただ、西部警察まで導入する構造の複
雑さには、「どう収拾するの?」との突っ込みも多い。そこで、「それがどうした
!」ないし「オマエモナ」で切り返さず、書ききれるかは、本スレッドとライター
の評価を大きく左右する分水嶺となる。使いたい名台詞を最初に決め、それが使わ
れるシチュエーションを構築する手法に定評あり。

三文文士氏
「緊急アピール」「C59ごあいさつ」というウソ準備会文書に抜群の冴えを見せ
るライター。元ネタがあるほうが強いパロディ体質。ウソ参考文献なども製作して
いる。紀宮さまがオタクではないかとする説から、紀宮内親王ご来場→警備強化と
いうスレッドの「源流」を創りだした。「秘密組織があっても不思議には思わぬ」
といいつつ、本人はちょっとした人の動きが全体を大きく塗り替えていくという志
向が強いよう。軽妙な会話形態のSSに強く、体言止めによる単語をちりばめる形
での情景描写に優れる。キャラクターに名前を付けないのが特徴だと思っていたら、
木下ホール長付を生み出した。心境の変化があったのかも。あ、あと、スタッフス
レッドに乗り込んで、内周辺境伯さんから穏やかに懇切丁寧に罵倒された。

字並べ屋氏
押井守萌えというスレッドの源流をもっとも強く引き継ぐ「水曜会」シリーズのラ
イター。ちなみに、公安調査庁の最高幹部会議と同名なのは、偶然ではないと評者
は睨んでいる。既に死者も出しており、結末では、かなり血なまぐさい結果を生み
出すと思われる。重量感ある文体と、細かな設定に評価は高い。新作が強く待たれ
るライターのひとり。


284 :主要執筆者紹介 :2000/10/23(月) 01:54
100円ライター氏
チンピラ、腐れ大手に振り回される印刷会社など、人生の不幸街道をひた走る人々
の愚かさをひたすら描くライター。女性サークルの凄惨きわまる紛争を描いた「あ
るサークルの情景」をあえて代表作として挙げよう。乾いた文体にファン層も広い
のでは。新作が強く待たれるライターのひとり。

見習い文士氏
ちょいと貴族趣味はいった2ちゃん系スタッフ、腕章夫人、内周辺境伯、飲料部支
配人の会話を鮮やかに描いた「ザ・トップ・オブ・有明」、やるべきことをやるべき
時にやるという、砂の薔薇的正義を貫かなかったために不幸になる同人少女を描い
た作品の二系列を持つ。2ちゃんによる情報パニックを指摘した推察力は見事。同
人界にもデジタル・ディバイドが問題になる時がくるのか。本業多忙のため、最近
は作品未発表。前日設営編の予告あり。新作が強く待たれるライターのひとり。

流れ書き氏
聖地晴海への郷愁と、急速な商業文化の流入への違和感を抱きつづける何人かの同
人作家の心情を丹念に描きつづけるライター。何人かのキャラクターを丹念に描き
つづける描写力には頭が下がる。ていうか、香織萌えの動きが広まらないのはなぜ
だ!?あんないい子なのにぃ(爆)

ネギピロ氏
「世界庭園物語」、「特別警備隊」、「ブラディーメアリ対策担当」シリーズの三
系列を持つ実力派。関係するSSの設定をうまく取り込みながら、しっかりとした
ものを生み出してくる力量には頭が下がる。

架空戦記コミケット氏
コミックマーケット59での「休止」を前提としたSSが主流となる中、一人2012年の
73回目の物語もつむぐライター。独自の進化に、また良き風情あり。「やるしかな
い。そうだろ?」という台詞の格好よさは本スレッド最強かも。血なまぐさい結末
という方向性はこの人が生み出した(と思う)。

285 :主要執筆者紹介 :2000/10/23(月) 01:57
Jr氏
「東日本警備サービス」シリーズを代表作とするライター。「終わるコミケット」
製作委員会情報開発担当幹事。登場人物リスト、事件時系列リストなど、設定情報
の共有化という点からすると、スレッド貢献度第一位で、他のライター連からとて
も感謝されているエライ人。あの、例のマガジンのこっぱずかしいマンガみたいな
やつ、確信犯的に続けてみませんか?(笑いつつマジ)

手動筆記人氏
「吉村家の兄妹」シリーズ、「晶」シリーズを抱えるライター。池袋のC−REV
Oで大惨事を生み出したライター中、ある意味最強の極悪人。琴美ちゃん萌えとい
う重要なファクターを生み出した功績も大きい。氏の描く「最期」を楽しみにする
読者も多いはず。キャラクターの魅力、舞台展開の巧みさで読ませる実力派ライタ
ー。

しーな氏
こころすくような、鮮やかな「暴言」で魅せた「あずさと五月」シリーズを代表作
とするライター。カワハラキクコという超有名大物スタッフなど使い方がうまく、
人の内面描写の緻密さ、繊細さが光る実力派。

286 :主要執筆者紹介 :2000/10/23(月) 01:58
名無しさんi286氏
期待の超新星ライター。他のライターからも惜しみない賞賛を贈られた。曰く「マ
ジでいい」「更新意欲が湧きました」。豊富な参加経験に裏打ちされた無理のない
設定、それでいてドラマチックな展開、緩急つけつつも最後まで読ませる文章の力
量は極めて評価が高く、今後の展開が注目される。今、一番旬のライターさんかも。
ホール長萌えるっす。

春画変態氏
「レヴォ準備会とサンシャインシティにとって涙すべき一日」事件を買い子の視点
からしっかりと描いたライター。ちょいとパトレイバーとコミックパーティ入った
買い子同士の会話がたまんなく良い。レヴォの悲劇については、このまま整合性を
上手く取りつつ、掘り下げるおつもりのよう。続編が期待される。

ヘタレ文スマソ氏
突然のある基地外が起こした事件により、2つのある巨大共同体が崩れ落ちていく
様を背景にしながら、ある男女の会話を描くという高千穂遥的世界を生み出したラ
イターさん。俺的にすごく評価高い。

#えっと、今回かけなかったライターさんがおられますが、他意ありません。ちょ
っと読み込みに時間掛けられなかったので^^; あと、字数制限厳しくなったのね。
ちょっと大変だった。

287 :Jr :2000/10/23(月) 04:57
>主要執筆者紹介さん
どうもです。あのこっぱずかしいやつは、
また書くかもです。本筋とは深く絡みませんが。

#ちょと前に「目指せヘヴォンスレ」って書いたのですが、
#あれってやおいじゃないとダメなのでしょうか?(汗)


288 :三文文士 :2000/10/23(月) 08:06
>紹介さん
ご紹介いただきましてありがとうございます。
ところで、なんで、自分が「元ネタがあったほうが強いパロディ体質」だなんて分
かったんですか?せっかく秘密にしていたのに(爆)

自分では文章コラージュと呼んでいるんですが、元ねたを沢山集めておいて、適当
につなぎ合わせたり、変えたり引っこ抜いたりして、全然違う文章を作るのは、結
構得意技です。はい。

木下ホール長付については、i286さんの文章中、暴動電話をとったホール長付
のつもりです。ああいう人って、強い組織には必ずいるじゃないですか。人の世話
焼いて、全体の効率アップさせる人って。廻りが名前のついているキャラクターで
ある以上、せっかく造るなら、名前を与える方がより適切だと判断しました。

289 :闇に踊る :2000/10/24(火) 00:37
30人以上も一部屋に詰め込まれた上に暖房が効きすぎて暑い。外部に連絡をとること
を許されない。お昼から夜の1時まで食事をしていないので腹がへって眩暈がする。
怒鳴り合っていたため喉も乾いた。何よりトイレにすら行かせてもらえない。自分も
そうだが他の集まったイベンター達(殆どが20代の小イベントの代表だった)の事を考
えると松畑の怒りは沸騰点に限りなく近くなっていた。
「参りましたねぇ。私は良いけど若い子達や殴られた人、気の毒ですよね」
「確かに」
隣に座る男性が小さな声で嘆息するのに松畑も小声で応じる。自分より少し年嵩の、
ひょろりとした感じの男だった。出入口に立っていた完全武装の青年〜流石に持って
いる小銃はモデルガンだろうが〜が聞こえているぞとばかりにこちらを睨んだ。わざ
と大仰に肩をすくめ、松畑は机の上に視線を落とす。正面には、こちらは普通の格好
をしたやはり20代半ばの男が厳しい顔をして座っている。松畑はその目の色に単なる
熱気以外の何かがあるのを悟っていた。

「えらいボロッちい建物やなあ。何で又こんな所で会合なんぞ開くんやろ」
電車で偶然一緒になった隣県のイベンター・塚本はやれやれといった面持ちで言った。指定された午後1時ちょっと前、彼と松畑は葉書に指定された池袋の裏通りにある「新国崋山会館」と言う名称だけは立派なビルの前にいた。
「どうでも良いけど、もう少し分かりやすい場所にして欲しいですな」
「そうやな。何か葉書の文章と言いこれと言い、中で話される内容もあんま期待でき
そうにない気がしてきますわな」
同感だな、そう彼は思う。松畑は上から見下ろすようなあの葉書の文面に嫌な物を感
じていた。どうしてこの手の奴らはこうも偉そうなのだろう。同人の世界は彼らだけ
で動いていると思っているのか、と。だから最初あの葉書は無視してやろうかと思っ
たくらいだ。
だがそれはできなかった。長くこの世界に関わってきた一人として、後に続く者達に
何らかの道を残すのが先達としての責務と考え直したからだ。それに彼の感性はあの
文章に小さなささくれを感じたのだ。それを確かめるために松畑は今日ここに来た。
「じゃ、行きまひょか」
二人は建物に入った。そこには彼らが思いもしなかった出来事が待っていた。


290 :闇に踊る :2000/10/24(火) 00:39
現在同人誌の世界に混乱をもたらした責任の一端は無定見に規模の拡大とそれに対す
る統制を放棄した、更には全てを御破算にして解散するというコミケット準備会にあ
る。無論全ての責を負わせるのは酷と言う意見もあるが、しかしそれによって罪が帳
消しになる訳ではない。しかもこの事によって我々中小イベンターにも無視できない
程のダメージが負わせられるとあってはもはや座視して見ている状況は過ぎたと判断
せざるを得ない。
ここに我々イベンター連絡会設立委員会はその立上げの第一段階として最後のコミケ
ットを完膚なきまでに破壊する。そうして彼らにはこれまでの罪を全て負ってもらい
、混乱のもう一つの原因である転売屋や徹夜組と共に表舞台から退場してもらう。そ
の後我々連絡会が共同して新たな地平に今までとは違う新たな世界を開くのだ。これ
は一つには彼らに贖罪の機会を与える事になり、もう一つは我々の糧として最後の華
を送る事になるのだ。その為にはここにいる全ての人に我々の理解者として協力して
もらう。
以上の事を会議室正面に立った後藤という青年が言い放った時、暫く室内は一言も言
葉を放つ者は居なかった。
最初に立上がったのは塚本だった。
「アンチャンら、自分何言っとるかわかっとるんか?ナンボ今までロクでもない事が
あったからってそんな事やっても良いとどうして思うんや」
この一言をきっかけとして一転室内は騒然となった。そんな事をしたらこれまでより
もっと酷い状況になる。同人界を潰すつもりか。夏コミやCレヴォの悲劇を繰り返す
のか。それはテロリズムではないか。
「話ならんな。オレ帰らせてもらうわ」
そう言って塚本がドアに手を掛けようとした瞬間、それはいきなり開いた。何かを殴
る音と共に倒れる塚本。目深に迷彩帽を被った兵士が、足元の体に追討ちの蹴りを入
れていた。声にならない苦鳴。再び室内に静寂が落ちる。
「我々は協力を求めているのではない。協力してもらうと言っているのだよ」
後藤が静かに言った。承諾できないイベンター側と無言で恫喝する連絡会側。双方の
静かな戦いが始まった。


291 :闇に踊る :2000/10/24(火) 00:40
現在同人誌の世界に混乱をもたらした責任の一端は無定見に規模の拡大とそれに対す
る統制を放棄した、更には全てを御破算にして解散するというコミケット準備会にあ
る。無論全ての責を負わせるのは酷と言う意見もあるが、しかしそれによって罪が帳
消しになる訳ではない。しかもこの事によって我々中小イベンターにも無視できない
程のダメージが負わせられるとあってはもはや座視して見ている状況は過ぎたと判断
せざるを得ない。
ここに我々イベンター連絡会設立委員会はその立上げの第一段階として最後のコミケ
ットを完膚なきまでに破壊する。そうして彼らにはこれまでの罪を全て負ってもらい
、混乱のもう一つの原因である転売屋や徹夜組と共に表舞台から退場してもらう。そ
の後我々連絡会が共同して新たな地平に今までとは違う新たな世界を開くのだ。これ
は一つには彼らに贖罪の機会を与える事になり、もう一つは我々の糧として最後の華
を送る事になるのだ。その為にはここにいる全ての人に我々の理解者として協力して
もらう。
以上の事を会議室正面に立った後藤という青年が言い放った時、暫く室内は一言も言
葉を放つ者は居なかった。
最初に立上がったのは塚本だった。
「アンチャンら、自分何言っとるかわかっとるんか?ナンボ今までロクでもない事が
あったからってそんな事やっても良いとどうして思うんや」
この一言をきっかけとして一転室内は騒然となった。そんな事をしたらこれまでより
もっと酷い状況になる。同人界を潰すつもりか。夏コミやCレヴォの悲劇を繰り返す
のか。それはテロリズムではないか。
「話ならんな。オレ帰らせてもらうわ」
そう言って塚本がドアに手を掛けようとした瞬間、それはいきなり開いた。何かを殴
る音と共に倒れる塚本。目深に迷彩帽を被った兵士が、足元の体に追討ちの蹴りを入
れていた。声にならない苦鳴。再び室内に静寂が落ちる。
「我々は協力を求めているのではない。協力してもらうと言っているのだよ」
後藤が静かに言った。承諾できないイベンター側と無言で恫喝する連絡会側。双方の
静かな戦いが始まった。


292 :闇に踊る :2000/10/24(火) 00:42
現在同人誌の世界に混乱をもたらした責任の一端は無定見に規模の拡大とそれに対す
る統制を放棄した、更には全てを御破算にして解散するというコミケット準備会にあ
る。無論全ての責を負わせるのは酷と言う意見もあるが、しかしそれによって罪が帳
消しになる訳ではない。しかもこの事によって我々中小イベンターにも無視できない
程のダメージが負わせられるとあってはもはや座視して見ている状況は過ぎたと判断
せざるを得ない。
ここに我々イベンター連絡会設立委員会はその立上げの第一段階として最後のコミケ
ットを完膚なきまでに破壊する。そうして彼らにはこれまでの罪を全て負ってもらい
、混乱のもう一つの原因である転売屋や徹夜組と共に表舞台から退場してもらう。そ
の後我々連絡会が共同して新たな地平に今までとは違う新たな世界を開くのだ。これ
は一つには彼らに贖罪の機会を与える事になり、もう一つは我々の糧として最後の華
を送る事になるのだ。その為にはここにいる全ての人に我々の理解者として協力して
もらう。
以上の事を会議室正面に立った後藤という青年が言い放った時、暫く室内は一言も言
葉を放つ者は居なかった。
最初に立上がったのは塚本だった。
「アンチャンら、自分何言っとるかわかっとるんか?ナンボ今までロクでもない事が
あったからってそんな事やっても良いとどうして思うんや」
この一言をきっかけとして一転室内は騒然となった。そんな事をしたらこれまでより
もっと酷い状況になる。同人界を潰すつもりか。夏コミやCレヴォの悲劇を繰り返す
のか。それはテロリズムではないか。
「話ならんな。オレ帰らせてもらうわ」
そう言って塚本がドアに手を掛けようとした瞬間、それはいきなり開いた。何かを殴
る音と共に倒れる塚本。目深に迷彩帽を被った兵士が、足元の体に追討ちの蹴りを入
れていた。声にならない苦鳴。再び室内に静寂が落ちる。
「我々は協力を求めているのではない。協力してもらうと言っているのだよ」
後藤が静かに言った。承諾できないイベンター側と無言で恫喝する連絡会側。双方の
静かな戦いが始まった。


293 :闇に踊る :2000/10/24(火) 00:46
あわわ。改行間違えてしまいました。ごめんなさい。
鬱山車脳。

294 :闇に踊る :2000/10/24(火) 00:51
ついでに三重カキコまで……。本当にごめんなさい。逝ってきます。

295 :サンデーライター :2000/10/24(火) 01:13
2000/12/30 12:38 東京ビッグサイト 東4ホール総本部

妙にピリピリした空気が総本部に漂っている。
いつも以上の厳戒態勢だからと言うこともあるが、その真相を知る幹部スタッフは黙して語らない。
そこへスーツを着込んだ男が青い顔で入ってきた。
「だ、代表はいますか」
「いえ、少々席を外していますが…」
入口近くで作業をしていた女性スタッフが答える。
「私で良ければお話を聞きましょう」
そう出たのは、安全管理室の副室長という肩書きを持った男だった。
今までは防犯カメラのモニターを眺めていただけだったが、それと目つきが違うことは誰にでも分かった。
「では、上の部屋へ。みんなはそのまま仕事を続けてください。それと『室長』に連絡をお願いします」
そう言い残すと、『副室長』はスーツの男と総本部を出た。

総本部上にある代表への取材などに使われている小部屋に入ると、『副室長』は小さな声で言った。
「この部屋は盗聴の心配がありません。でも万一のために小声でお願いします」
「う、うむ」
スーツの男―見本市協会の人物だ―は、一呼吸置いて言った。
「今すぐに、会場からの総員退去をお願いします」
「…なにか、ありましたね?」
今までにも、当日会場側に脅迫電話をかける等といった妨害はあった。
しかしそれとは違うことが『副室長』には感じられた。
「塩浜で銀行強盗事件が起きました、いや、今も進行中です。その犯人がビッグサイトの爆破を予告したのです」
「…それだけではありませんね?」
「えぇ。犯人は他の建物も爆破すると予告しています。そして、既に3箇所で爆弾が発見されています」
短いが重い沈黙が流れた。

296 :サンデーライター :2000/10/24(火) 01:13
「お願いします。直ちに会場から総員退去してください」
「これだけの人数を退去させるには時間が必要です。混乱無く行うとすれば尚更だ」
「でも、犯人はいつ爆弾を爆発させるか分かりません」
しばしの沈黙の後、『副室長』が口を開いた。
「バスのルートとしてレインボーブリッジを確保してあります。現在は止まっていますが、13時から運行が再開されます。電車も最頻時と同じだけ運行されます。参加者には早期帰宅を促すアナウンスをします。それで帰宅予定者を早めに、なるべく多く帰します。その間に我々が爆弾の発見に全力を尽くします。爆弾についての情報は他にありますか?」
「今事務方が集めています。しかしそれだけで大丈夫ですか?」
「どうなるかは分かりませんが、最悪の事態だけは回避できるよう努力します。コミケットに対しての妨害でないのが厄介ですが」
「では事務所に戻り次第、分かる限りの情報を連絡します」
「お願いします。我々も全力を尽くします」
見本市協会の男は部屋を出ようとした時、振り向いて『副室長』に言った。
「これで怪我人が1人も出なければ『奇跡』ですね」
『副室長』は少し笑った様子で返した。
「奇跡は起こしてこそ価値があるものです」

297 :名無しさん@どーでもいいことだが。 :2000/10/24(火) 12:17
沈んでるよage

298 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/10/24(火) 16:05
「奇跡…か」
 一瞬彼の瞼の裏に、今はない晴海の会場が一瞬よぎった。

299 :三文文士@雑感:2000/10/24(火) 23:10
「な、なぜ、コミケットが終わらなくてはいけないんですか」
「ああ、それはつまり、組織としての寿命が尽きたということだろ」

「準備会の紋章を作る?! 馬鹿、代表が一番嫌うだろうが、んなこと」
「もはや共同体験や意識によって、人を引っ張って来れない以上、そうでもしない
と、現在の準備会スタッフを束ねられませんよ」
「それでぇ、本当に束ねられると思っているわけぇ」

「準備会の組織図を見ればわかるでしょうが!」
「組織図? なんのことだ、準備会には組織などない。あるのは体制だけでね」
「今更、この期に及んでもそんなことを!」

「人は弱い。でも、それでいいの。いつまでもそんなことで。スタッフは自分の頭
で自分の行く道を考えなくては。みんながみんな、自分の拓くべき道を行けるほど
強くなれば、世界は変わるはずよ、それももっといい方向に」

ううん、場面場面では、それなりの画像が出てくるんだけど、それをうまくストー
リーにできないなぁ。困った、困った。

300 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/10/25(水) 17:18
沈んどる…。期待age

301 :サンデーライター:2000/10/25(水) 17:38
「ライターズサロン」(と勝手に命名) http://members.nbci.com/doujin2/ に、
今までの書き込みを分割してアップしました。各種修正は行っていません。
ここのFTPパスなどは過去ログにあるので、ライター各自で修正してもらえると手っ取り早いかと。
とりあえずネタじゃないレスを削っていこうかと思います。

302 :参考までに:2000/10/25(水) 20:45
総本部のあるのは東4じゃなくて東1です…。<サンデーライターさん


303 :サンデーライター:2000/10/26(木) 00:18
をを!そうだった!
カンチガイシテタヨ

304 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/10/26(木) 09:14
応援age

305 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/10/27(金) 19:07
サイキンドウシタノ?

306 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/10/29(日) 01:23
今日はレヴォage

307 :Jr:2000/10/29(日) 19:43
杉名佳織の日記より――

10月29日 (日) 雨

コミックレヴォリューションに行った郁から、嫌な話を聞いた。
人気サークルの本を求める人達の暴走で、怪我人が出たらしい。
そう、まるで……夏コミの、あの時と同じように。
郁は少し離れた位置にいて、それに巻き込まれる事はなかったって言ってたけど……。
「ねえ……佳織。私、もう解んなくなっちゃったよ……。」
電話で聴いたその声は、何か疲れ切ったような、諦めたような、そんなカンジだった。
夏コミの後の私は、たぶん今の郁と同じ状態だったのかもしれないな……。

好きな本を描いて、好きなサークルの本を買って。
読んでくれた人から感想を貰うのが嬉しくて。
そういうのが楽しくて同人やってたのに、
一部の人の勝手な行動でそれが突然終わっちゃったりする。
なんか、凄く理不尽だよね……。

私が……私と桂一がやってる事も、突然終わる日が来ちゃったり……するのかな。

308 :サンデーライター:2000/10/29(日) 23:23
その漫画革命に行って来ました。
混んではいましたが、惨事は発生しなかった模様(藁

「終わるコミケット プロローグ版」は、プロローグ版にもかかわらずオフ本になります(をを!)
コピー&製本の手間を考えると、こっちの方が安上がりになるし。
で、200部刷ろうかと思うんですが、余ったら(いや、余る)コミティアあたりで売りますか?
もちろん「終わるコミケット制作委員会」で(笑)。

309 :三文文士:2000/10/30(月) 04:08
まじっすか?(笑)200? まじで?

今、手札ひっくりかえして、場にはれるやつを探しているんですけど、なかなかみ
つかりませんねぇ。ていうか、休めねえんだわ。
誰か、買ってきてくれないかなぁ。ほんと。切実。

とりあえず、本当に返事をくれた「有明警戒1」氏に心からの感謝を。
今共同制作中。もうしばらくお待ちください。ところで、生メアドはどーかと。

310 :サンデーライター:2000/10/30(月) 10:38
>三文文士さん
結構マジです。つーか、もう印刷所に予約入れてます。
現在ライダーズサロンに上げているPDF版で52ページあります。
コピーにすると両面でも13枚必要です。コピー代260円。それと表紙も。
印刷に出すと50部しか刷らなくても原価はほぼ同じになります。
200部にすれば、7割ぐらいまでに抑えることができます。
おまけに製本の手間もかからないし。
文字を少し小さめにしてページを減らせれば、もう少し安くなるでしょう。
それよりも、印刷費約4万円がちょっときついかも(藁

311 :三文文士@ホール長誕生!:2000/10/30(月) 11:44
携帯電話の会話
「で、申し訳ないんですが、さっきのメールの件、一つ、よろしくお願いしたいん
ですけど、どーでしょう」
「人物的にも能力的にも問題ないとは思うが、一つだけ」
「なんです?」
「本人は承諾しているか?」
「大事の前の小事という言葉がありますけど、どー思います?」
「…………お前、悪い女だな…。あと質問に質問で答えるのはやめなさい」
「はい、気ぃつけます。で、ご了承いただいたものと解釈してよろしいですね?」
「よろしい、ああ、よろしいとも。忘れずに総統括補佐筆頭にも承諾取れよ」
「姐さまには、最初に相談を受けました」
「……………………なるほど、そういうことだったか。遥もろくでもない奴に眼を
つけられたな」

12月10日 18:34 下北沢区民センター第4会議室
秋葉原の話、池袋の話、東急ハンズにこんなものが、そういや例の新刊押さえたよ。
いかにもいかにもな会話が空を飛び交う中、様々な風体の人間が続々と入ってくる。

机の上には、書類満載のファイル、色とりどりのペットボトル、筆記用具に煙草。
もちろん最近の風潮から、部屋は禁煙だ。何人かは、エレベーター前に切なそうな
、哀しそうな顔をして座り込みながら、煙草を吹かしている。

部屋の正面にホワイトボード。その右端にこんな文字。
「コミックマーケット準備会館内担当東#*@地区責任者スタッフ集会」

笹島遥東*ホール長補佐も、そこに姿を見せていた。
警備体制の強化に関する資料を読み直しながら、彼女はカロリーメイトをかじって
いる。集中力のある女性らしい、周りが彼女に視線を向けながら、ひそひそ話をし
ていることには気付かなかった。

「みなさぁん、こんばんわぁ!!」
(こんばんわー!)
「はい、皆さんお元気なようですね。気合がビキビキ伝わってくるぜ。では、地区
長から、お話いただきます。お願いします」
「はい、では、皆さん、こんばんわ。東***責任者集会ということで、本日お集
まりいただきました。で、まず、最初からもう嫌になるようなお話をしなくてはな
りません。これから配る資料1をご覧ください」

312 :三文文士@ホール長誕生!:2000/10/30(月) 11:46
丸眼鏡の優男風、でも視線が妙に鋭いスタッフがすばやく資料を配る。
(資料1:2ちゃんねる同人・コミケ掲示板内ブラディーメアリースレッドの書き
込みと中央線における人身事故について)
ざわついていた会議室が、一瞬静かになる。となり同士で顔を見合わせている。
絶句としかいいようのない反応だった。

「ええっと、ご存知ない方もいらっしゃいますので、説明します。2ちゃんねると
いわれるインターネット上の巨大匿名掲示板があるんですが、コミケが終わるので
自殺すると強く示唆する文章が載せられたんですね」
まさか、ほんとに
「で、まぁ、数ある与太話の一つとして扱ってきたんですが、本日、これから自殺
するという書き込みがあった直後に中央線で人身事故が発生しました。今のところ
この女性の身元は分かっていません。なんというか、つまり、ネギトロになってし
まったもので」
会議室内の気温が一気に下がったように思われた。みんな青い顔をしている。
ある女性スタッフが、自分の想像力を恨みつつ、トイレに駆け出した。

地区長の説明はまだ続く。
「警視庁生活安全部からもこの件に関して非公式ですが、イベント自体の中止か、
イベントの中止自体の中止が出来ないかという打診がありましたが、休止について
は今更わが陛下の勅命ですので、どーにもこーにもな話、っていうか、それがなん
とかできるなら、とっくになんとかしているわけで、まぁ、お話になりません。ま
して、イベント中止なんて論外です」


313 :三文文士@ホール長誕生!:2000/10/30(月) 11:47
遥もうなずきながら、頭はフル回転していた。統括ホール長補佐として、警備担当
ホール長補佐、ホール事務担当ホール長補佐、ブロック業務推進担当ホール長補佐、
混雑対応担当ホール長補佐の4人に出すべき指示、調整すべき事柄を頭の中で凄い
勢いでリストアップしていく。準備会スタッフとして、長い訓練と教育を受け、最
高度の錬度を誇る彼女にとっては、当然のことだった。
(すぐホール長と相談しなきゃ。方針策定して、割り振って…)
名嘉内東*ホール長は、27歳。某調査会社で調査職の激務にありながら、ホール
長までやっている化け物スタッフだ。時間がないので、「業務のシステム化」とい
うことに真剣に取り組むホール長としても知られる。業務内容を明示し、それを管
轄分担表という形で貼りだすなどということまで本当にやりきったのは彼だけだ。
遥が思考をめぐらす間も地区長の話は続いている。

「で、次の資料に進んでください。コミックマーケット準備会は、先ほど緊急の御
前会議を招集し、方針を決定しました。これがそれです」
資料を読んだ一部のスタッフから呪詛にみちたうめき声があがる。
この時期に、この時期に新部署設置だと!
(資料2:ブラディーメアリー問題に関する準備会の方針、およびこれに対応
する総本部担当専門部署設置について)

314 :三文文士@ホール長誕生!:2000/10/30(月) 11:53
「で、この部門の統括補佐として、名嘉内東*ホール長が転出することになりまし
た」
(ええーっ!)
その言葉を聞いて、遥は、声にならない悲鳴をあげた。大きく目を見開く。
「名嘉内さんは、ご本業も調査ですんで、総本部からご指名でした。で、館内から
あと、結城総統括部付と堀之内東$ホール長補佐を割譲します。このクラスの人間
を急に動かすのは、本来人事上大問題ですが、各ホールともご了解願います。その
他、館内から10名、更衣室の総統括直轄戦略予備の親衛第7強襲猟兵隊、しっか
し、あそこホント終わってるセンスだな、あ、失礼、公共の第1巡回班がここに加
わります」
言葉の意味が責任者スタッフ達に徐々に染み込んでいく。結城統括部付、名嘉内ホ
ール長、堀之内ホール長補佐。館内担当でも勇名を馳せる上級スタッフだ。そこに
更衣室のいわゆる中央C館班の流れを受けた最精鋭部隊、公共のやはり名門、長尾
総統括補佐を頭とする第1巡回班。それほどの精鋭30名をぶち込むほどの重要性
がこの事案にあるということだ。

「で、この事案に対応するための人事処置なんですが…。実は、自分、最近かなり
疑問に思っていたことがありました。というのも、準備会の人事は急すぎることが
多くなったように思うんですね。しかも、周りの根回しを済ませても、肝心の本人
の承諾を取ってないことが多いようなんです。というわけで、今後は、本人に無断
で重要ポストを用意するのはやめましょう。という話をするつもりだったんです。
で、口の根も乾かないうちにこんなことを申し上げるのは、気が引けますが、遥、
ごめん」

315 :三文文士@ホール長誕生!:2000/10/30(月) 11:54
ショックで思考停止状態だった遥も驚いた。急にきょろきょろする。
「はい、すみません、ちょっと聞いていなかったんですが、私を呼びましたか」
「うん、呼んだ。ごめんね、遥」
「え、なんでしょう。地区長から謝られることは特にないと思うんですが」
「いや、これからあるんだ。ええっと、これ、館内担当統括人事部の最終決定です。
修正後の総体制表については、今印刷中で、あ、来た、じゃあ、配ります。という
わけで、めでたく、笹島遥東*ホール長補佐をホール長に昇格させることに決まり
ました。おめでとうございます。笹島ホール長」
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってください!!!!」
予想どおりの反応に、根回しを受けていた一部の周りはニヤニヤしている。

「なに、遥?」
「私がホール長ですか、そんなこと急にいわれても、私にも心の準備というものが」
「ああ、そんなに心配なら、俺の部屋で手取り足取り、ベッドの上で」
「ふざけないでください! それにセクハラ!!」
「大丈夫、成功する可能性はゼロじゃないんだ」
「成功率がゼロでなければ許されるのは国連直轄の特務機関だけです!!!」
「なるほど、その突込みには説得力があるな」
「感心している場合ですか!!!!」
「ねえ、遥。もう観念しなよ。これ、総統括も、総統括補佐筆頭も、総統括代理も
既に了解しているんだけど」蓮っ葉な物言いをする女性スタッフがなだめに入る。

316 :三文文士@ホール長誕生!:2000/10/30(月) 11:54
「私は了解してないの!」
「私が、前日受付担当引き継がされたときもそんなもんだったよ」
「そりゃ、あなたの問題で、私の話とはちがうでしょう! 大体、準備会ってそん
ないい加減な組織でいいの!?」
「そりゃ、なんのこと? 準備会には組織はないわよ。あるのは一回ごとの体制だ
けだわ」
「この期に及んでもそんなこと言い出すわけ? スタッフ2000名もいて、20
いくつの担当があって、人事だわ予算だわいってるサークルがあるわけないでしょ
う!」
マグネシウムに火をつけたり、ナトリウムを水に突っ込んだような激烈な反応に、
周囲がさすがに戸惑いだす。

「ちょっとしたお楽しみのイベントのつもりだったんだけどなぁ。本人、興奮して
いるようだから、連れ出して、したのスタバで、フラペチーノでも飲ませて、因果
含めてくれ」
「分かりました、地区長」
「これじゃ会議にならんでね」

さっきの蓮っ葉な物言いをしたスタッフが遥の腕を取って無理やり連れ出す。
「そんなのって、ないよー!」
遥の興奮した声が、廊下に響いた。

再び携帯電話での会話
「だいぶてこずったらしいじゃないのよ」
「すみません、地区会議混乱させちゃいました」
「で、納得はしているのね?」
「はい、名嘉内さんとのコンビが長かったですから、想像もしてなかったことで、
パニック起こしたようです。いや、人間の心って脆いですね、本当に」
「じゃあ、それでいいわ。今回はありがとうね」
「ええ、で、本当にくれるんですね、例のサークルの既発行分1セット」
「だらけにもKにも虎にも流さないって誓えるならね」
「もちろん。あんなことになりたくないですから」
「いい心がけだこと」

317 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/10/30(月) 12:20
なんか、題名の言い回しが、どっかの勇者王みたいな感じ(笑)

318 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/01(水) 06:22
こんな良質スレ沈めちゃいかんage

319 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/01(水) 07:16
オチを読んでつくづく思います。
らいとすたっふ?(笑)


320 :闇に踊る:2000/11/01(水) 19:59
無表情な兵士が二人部屋の中を廻り、威嚇する様に警棒を弄ぶ。彼らは何時間かごと
に交代してその間に休憩を取っているらしい。松畑が数えてみていたら総員は8名と
知れた。だが話をするのはあの後藤だけだ。
ここに至るまで幾度かの言葉を交えられたが意思は交わる事は無かった。何故この日
にこんな事をするのか。協力する事とは何か。何時までこの状況を続けるのか。全て
の質問に彼は冒頭の御題目と゛協力すれば話す。゛と繰り返すだけだった。その態度
にいきり立つ者も居たが、彼らが兵士達に塚本と同じ目にあわされると声を出す者は
居なくなった。
幾人かのイベンターはこの緊張と、時間が経つにつれ現れてきた様様な生理現象に耐
え切れずに協力を誓った。彼らは別室に連れて行かれ戻っては来なかった。
後藤が副官らしい線の細そうな青年と休憩を終えて帰ってきた時、松畑の後ろ、高校
生とも見える眼鏡をかけた女性が恐る恐る手を挙げた。
「あの……お願いです、隣の人を休ませてください。かなり具合が悪くて吐きそうな
んです」
みれば確かに彼女の隣のやはり女性が青い顔をして震えている。
「では協力してもらうということでよろしいな。それが出口への早道だ」
無表情に突き放す後藤に唇をかむ女性。たまりかねた松畑がつい口を挟む。
「いい加減にしろよ兄ちゃん。あんたその手の趣味の人か」
「待ちなさい。短気は損気ですよ」
隣の男が袖を引くが口は止まらなかった。
「あんたらの思想云々はどーでも良いけどな、人苦しんでいるんに平気で居られるよ
うな感性じゃ、何やるにしろ全国のイベンターの共感は得られんだろうよ」
「こちらが求めているのは共感などという甘い物ではない。非道なのは充分承知の上
だ、赦しを乞う気は無い。だが最終的には君らは我々に感謝する事になると私は確信
している」
この手の人間にはまず話は通じない、その事を解っていた松畑だったが、ここまで来
て引くわけにはいかない。口を開いたその時、戸口から後藤の名を呼びながら青年が
一人飛び込んできた。


321 :闇に踊る:2000/11/01(水) 20:06
「後藤さん大変です。ビックサイトでば……」
「馬鹿者っ」
後藤がとっさにその口を手で押さえるが、その言葉は室内に聞こえてしまっていた。
顔色を変えた彼は兵士の頬を往復で張り、その腕を取ったまま歩き出した。他の兵士
達にも出る様に促し部屋を出て行く。松畑が追おうとすると戸口にいた別の兵士がそ
の前に立ち塞がった。後藤の声が遠ざかりながら、それでも確かにこう聞こえた。
「……戻って別働隊に指示を……。おいっ、協力者には丁重に接しろよ。それ以外に
はそれなりの扱いを、だぞ」
踵を返し立ち去る後藤達。後半は松畑の前の兵士に言ったものらしかった。
「待てやおい。話は終っとらんぞ」
追い縋ろうとする松畑に兵士はあくまで動かない。更に先程殴られた青年がバックア
ップについた。外から車の発車する音が複数聞こえた。


322 :闇に踊る:2000/11/01(水) 20:15
「いい加減に席に戻れよおっさん。さっきの奴みたいになりたいのか、あ
あ?」
業を煮やしたらしい兵士が低い声で脅す。
「芸の無い台詞しゃべんなガキ。最近の厨房でももうちょい気取った文句
言うぜ。お前も同人に関わる者ならちっとは気ィ利いた台詞回し考えろ」
「……っのっ」
顔面に朱の差した兵士が小銃を振り上げたその時、その顔をめがけ松畑の
肩口から何かが飛んだ。腕を上げていた為がら空きだった顔面にもろにぶ
ち当たる。兵士は悲鳴を上げよろめいた。足元が乱れ、後ろの青年をも巻
き込んで廊下に倒れこむ、
その頃には室内に居た者達が松畑に加勢しようと席から駆け出し、ドアに
殺到していた。だが、数十人の突進に対し戸口は余りに狭すぎた。刹那、
止ったかに見えた勢いは次の瞬間ドア諸共室外になだれ込み、兵士達を押
し潰していた。
「やれやれ、夏の西館もこんな具合だったんですかねぇ。それにしてもも
ったいない事をしました」
平然と立っていたのは松畑の隣に座っていた男だった。手にはDrペ○パ
ーの空缶。彼は何時の間にか松畑の後ろに近づき、隠し持っていた(つい
でに充分手で暖めた)それを思い切り振って、兵士に向かって蓋を開けた
のだ。
暗い廊下の奥から足音がした。別の階に居たらしい兵士二人がこちらに向
かって走って来る。ひと固まりになった集団に手を掛けようと近づいたそ
の目の前で突然閃光が閃く。暗かったので目の前に突き出されたカメラの
フラッシュに気付かなかったのだ。怯んだ所に残っていた者から椅子やら
何やらが投げつけられる。
「か弱い女の子いぢめて、あんたら一体何様のつもりよっ」
止めに外れたドアを投げたのは、この騒ぎのきっかけを作った女性だった。
「今のうちですよ。皆さんさっさとここから撤退しましょう」
「た、たしかにな。とにかく早く上からどいてくれ……」
下敷きになった松畑は声まで潰れていた。


323 :名無しさん@記録中:2000/11/01(水) 20:50
http://members.nbci.com/doujin2/character.html

登場人物のまとめを、前スレ359-360の Jr さんが作成されたものを元に
表として作成しました。(#2の316までのものです)
間違いなどがあれば教えてください。
基本的に名前の出たキャラクターを掲載しています。
(例外:チンピラ・筋肉大暴走伝説の相手・湾岸署の刑事さん)

324 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/02(木) 02:40
>323
分かりやすくて助かります。
こうして見てみると凄いですねぇ(笑)

325 :ひげ@ちんぽ:2000/11/02(木) 02:41
はっ!?

…なんだ夢か…

-------完--------

326 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/02(木) 03:08
巻?

327 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/02(木) 03:08
巻?

328 :サンデーライター:2000/11/04(土) 00:34
「終わるコミケット プロローグ版」は
「オマエモナ01」で本とFD(PDFファイル)で頒布予定です。
PDF版は「オマエモナ01」当日の夜にライターズサロンへアップ予定です。

329 :手動筆記人:2000/11/04(土) 05:39
>>227より続き)

『…”鬨の声をあげよ。主はあなたたちにこの町を与えられた。町とその中に
 あるものは、ことごとく滅ぼし尽くして主にささげよ”』
マレイヤは目線を宙に泳がせながら、唐突に呟く。
「ハァ? いきなり何言い出してんだァ?」
『Case White…いや、”作戦名:聖絶”と言った方がいいかしら? その前文よ。
 あなたも読んでたはずよ、同志インコンパラブル』
「どうして俺様の上の方々は、あんたも含めて小難しい言い回しをしたがるん
 かねェ? 要は”カッタの信者はまとめて逝ってヨシ!”っつーこったろ?」
『要約のしすぎね。まぁ、確かにその通りなんだけど』
旧約聖書ヨシュア記第6章−神の啓示を受けた預言者ヨシュアが御心のままに
ふたつの街の住民を悉く殺戮していく様が描かれている−から引用された前文
より始まるその作戦書は、”聖絶”の名が示す通り一方的な正義の行使による
他者−ここでは徹夜・悪臭・行列・転売・暴動…その他諸々の不祥事の殆どを
担っていたカッタ列の者達を指す−の殲滅を究極目的としていた。

”古き良きコミケを我等の手に取り戻すために”

こうしたスローガンのもと彩られた美麗字句を散りばめながら、普通ならば
妄想の産物として一笑に付されるような類の殺戮計画が延々と綴られていた。
だが、その計画が妄想ではないことを嫌がおうにも確信させられる”ブツ”を
彼等はお互いに所持していた。
『ところで、あんた”例の物”持ってきてるんでしょ? さっさと交換するわよ』
「おいおい、俺達のデートはまだまだこれからだぜ? ベイベー」
言い終わらぬうちに、マレイヤの鋭い眼光がインコンパラブルを射抜く。
「…躍進めざましい新任幹部様はジョークがお気に召されないようで、ヒャヒャヒャ」
マレイヤはその皮肉を聞き流し、小脇に抱えていた紙袋を前に突き出した。
その様子に観念したように、インコンパラブルも自らの紙袋を持ち直す。


330 :手動筆記人:2000/11/04(土) 05:41
「一応、トカレフの山の中からサウザンドオブワンを選り抜いてプレゼント
 したつもりだったんだけどなぁ」
少々不満そうにぶつぶつ言いながら、彼は相手の紙袋を受け取った。
『確かにこのトカレフはいい銃だったけど、私の手には余るわ』
マレイヤは絆創膏が巻かれた右手の人差し指を伸ばし、そのまま目の前の
 紙袋を掴んでいった。
「じゃあ、次のガンは気に入って貰えるハズだぜ、ヒャヒャヒャヒャヒャ」
『で、次の銃は何なの?』
「グロック18C、懐サイズのフルオートマシンピストルだぜ!」
『…まぁ、ありがたく頂いておくわ』
目の前でなぜか瞳を輝かせている青年の姿に激しい違和感を感じながら、
マレイヤはコミケロゴ入りの紙袋を脇に抱えなおした。
「しっかし、あんたの要望通り”金属探知器に引っかかりにくい銃”を
 幹部の奴等に揃えたけどよぉ、たかがコミケ相手にそこまで神経質になる
 必要は無ぇんじゃねェの?」
『…今回に限り、金属探知器がビッグサイトに設置されるとしたら?』
マレイヤは不敵な笑みを浮かべる。
『ビッグサイトの搬入出台帳を調べているうちに解ったことだけど、12/26に
 ゲート用の大型金属探知器が8台、アメリカから搬入されてくるわ』
「こりゃまた大層なこって」
『でも、いくら夏にあんなことが有ったからといって、金属探知器まで持ち
 出してくるのはどうにも腑に落ちない…そう思っていたら、探知機を輸入
 してくる予定の会社名を見て納得したわ。真心興産よ』
その名を聞き、インコンパラブルはヒューッ、と口笛を鳴らす。
「あの”Genocide”真心興産かよ。遂にシンちゃんがコミケに来るってか?」
真心興産、それは警視庁警備部が使用するダミー会社の一つとして裏の世界
では広く知られた存在だった。
『右原都知事が査察に来るんだったら、あの男の性格から見てダミーなんか
 使わずに堂々と有明に乗り込んでくる筈よ。だから、少なく見積もっても
 国賓クラスの人間がお忍びでコミケにやって来ると考えて間違いない』
マレイヤはここでいったん言葉を区切る。


331 :手動筆記人:2000/11/04(土) 05:42
『…そう判断して念のために火器交換を”休息所”に提言したんだけど、昨日
 あっさりとその”国賓”が判明したわ』
「ノンシャランスの王子様でも来るってのか? ヒャヒャヒャヒャヒャ」
『もっとシャレにならないとこのお姫様よ。千代田区一丁目在住のね』
インコンパラブルは肩をすくめながら、口笛を鳴らした。
「…そりゃ、確かにシャレになんねェなぁ。でもよ、警備部情報をゲットして
 くるたァ、さすが幹部様は能力が違うねェ」
『スパイの専門家でもない素人が警視庁に潜入できる訳ないでしょ。単に、
 準備会の西館公共地区担当の自称偉いスタッフ様にコナかけてみただけ。
 一日デートしてあげただけで、機密情報をベラベラ喋ってくれたわ』
「おいちーメシにおいちー情報、どっちもゲットしてンマーーイ! ってか?」
『食事はいかにも最近雑誌で紹介されてました、な店だったけどね。とはいえ、
 情報自体は極上の風味だったわ。紀宮有明行幸もそうだけど、西館の幹部達が
 他の準備会メンバーに対して相当不満を燻らせていることとかね』
「そりゃあ、夏の一件でヘマこいてんだから自業自得だろ、ありゃ」
『彼等はそうは考えていないようね。とはいえ、懲罰人事なのか西館スタッフは
 他部署への異動を禁じられ、そのくせ西館の要所々々に旧混対の歴戦の猛者が
 東館から廻されて配置されることが決定、なんてことをされたら自分達の
 プライドを保つためには理不尽な私怨の一つや二つ抱いても仕方がない、って
 所じゃないかしら?』
「で、”地獄のメーテル”様はまた一人青年を仲間に引き入れた、と」
『あんたは、自らの組織の秘密を軽く口にするような人間を仲間に持ちたい?』
「…ネジの1本にする価値すら無いってことかイ? ヒャヒャヒャヒャヒャ」
『彼には、このまま準備会の中に居続けてもらって機密情報を流し続けてくれる
 方が我々にとって価値がある、ということよ。そのほうが彼の矮小な自尊心も
 満足させられるでしょうしね…少なくとも”粛正の時”までは』


332 :手動筆記人:2000/11/04(土) 05:43
マレイヤはそう言ったが、現在のコミケに不満を持つものを多数スカウトして
きたものの、実はその中に西館スタッフは一人も入っていなかった。
彼女にとっては、西館スタッフもまた粛正対象であったからだ。
少なくとも彼等が責務を果たしてくれてさえいれば、夏コミにおける西館
シャッター前の事故は起きなかった。そして…

突如聞こえてきた警笛の音に、マレイヤは瞑想の世界に行きかけていた心を
現実に引き戻した。
轟音を響かせながらホームを通過していく急行電車に背を向け、彼女は目前の
青年に話しかける。
『…詳しいことは、幡ヶ谷で説明するわ』
「あの第三サティアンでってか? ヒャヒャヒャヒャヒャ」
『第三前進軍営でしょ? 同志アイアンデュークに聞かれたら、鉄拳制裁を
 受けても文句は言えないわよ』
「…あのオッサン、えれーアタマ固ェからなぁ。コワイヨコワイヨヒー」
彼等は、かつて自分たちが新米だったときに教練を受けた戦闘教官の名を
出して苦笑しあった。
同志アイアンデューク。”休息所”軍事戦術担当幹部にして世界中の紛争地域
において敵軍将校の頭部に弾丸を叩き込んできた伝説のテロリスト。
そして、私に”人を殺す”ということの意味、覚悟…業を教えてくれた人。
何故そんな人がオタクのままごと遊びのような組織にいるのだろうか、と
マレイヤは心の中に疑問符を浮かべる。
そもそも、この手の組織には必要不可欠の”最高権力者”自体が存在しない。
”休息所”の一員になれば誰が最高権力者なのか解るかと思っていたが、
それでも最高権力者が誰なのか未だに解らなかった。
解っていることは、”休息所”を含む組織全体が自然的に発生したものであり、
彼等を結びつけているものはただ一つのスローガンだけである、ということだった。

”古き良きコミケを我等の手に取り戻すために”


333 :手動筆記人:2000/11/04(土) 05:44
…もっとも、下っ端のメンバーはともかく、組織の最高幹部として君臨している
”休息所”の人間はそのようなお題目を端から信じては居ないであろう…
そう、マレイヤは考えていた。
彼女自身が自らの復讐のために組織を利用していたのだから。

「さてと、電車が来たみたいだぜェ」
ホームに吉祥寺行きの各停電車がゆるゆると速度を落とし、停車した。
扉が開き、数えられる程度の人間をホームに吐き出してゆく。
混雑度170%、といった感のある車内に入っていこうとする直前、マレイヤは
襟元へと手を伸ばし、そこに何かを付けた。
「おっ、そのバッヂは…」
『これから偉い人に会いに行くんだから、身だしなみくらい整えとかないとね』
「身だしなみ、ねェ…このバッヂ付けてりゃ、組織の中で王侯貴族のように
 振る舞える幸運のアプサラスタイガーちゃんなのになぁ」
インコンパラブルは、マレイヤの胸元をしげしげと眺めながら呟いた。

『…あんまり人の胸、見つめてんじゃないわよ』
「しっかし、”偉い人に会う”ってことは、第三サティアンにお偉方の誰かが
 来てるってことカ?」
マレイヤの追求をはぐらかすように訊ねる。
『あんたの苦手な同志アイアンデューク以外の、全員が来てるはずよ』
「…おいおい、まさかノルマンディーひみつ会議でも開くつもりかァ?」
マレイヤは口元を笑みの形に歪めた。
『その、まさかだと言ったら?』

その胸元には、最高意志決定機関”休息所”の一員である証…
ギコバッヂが鈍い光を輝かせていた。

    ∧ ∧
   (@` ゚д゚)
  ヽ/   |
  (__∪∪)

そして、彼等の組織は後に”ヲマエモナ”と呼ばれる。


334 :手動筆記人:2000/11/04(土) 05:52
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
…ぐぎゃあ、テレーホタイムだってのにageちまっただよ。
知らん間に行数制限がキツくなってるのに気付かなかったオラのミスだよ、
宇津堕史脳。

あ、ちなみに>>329-333に関してですが

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
■                            □
□ 本作品に登場する「ヲマエモナ」は架空の団体名であり、 ■
■ 同人誌即売会主催団体「オマエモナ〇一準備会」とは   □
□ 全く何の関係もないことを予め明記しておきます。    ■
■                            □
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

ということでお願いしますだ。

#ちなみに、書いてるうちに趣味に走りすぎてワケの解らんもんを出しすぎたので
http://www1.bookstudio.com/~bbs/bbs9/pt.cgi?room=EoCM

 …に今回分のみの解説文を載っけておきます。
 またも行数制限に引っかかりそうな気がしてならんのですが(笑)


335 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/04(土) 13:57
ageときますかねぇ。
どっこいしょっと。

336 :イラスト集まらないね。:2000/11/04(土) 18:18
>サンデーライター氏
www.big.or.jp/~talk/t-club/soft/mini_120/index.cgi
これ使いなよ。容量の多い所じゃないと困るだろうけど、敷居は低いと思う。
それと、作るときはちゃんと「断り無く同人誌に収録する可能性があります」
くらい書いておいた方がいいよ。

337 :サンデーライター:2000/11/04(土) 23:49
>>336
今は投稿された絵を本に使うことは考えていません。
それと「レンタルで済ませてしまおう」と考えているので、自分のサーバスペースは使いたくないんですよ。
今後「終わるコミケット」の完全版を出す時になったらまた変わるかもしれませんが。
本当はお絵かき掲示板のようなその場で絵を描けるのがよかったんだけどね。

338 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/06(月) 18:27
下がりきってるではないの。
ageとこう。

339 :サンデーライター:2000/11/06(月) 18:31
なんか…私と手動筆記人さんて、知り合いかもしれないという可能性が出てきた。

340 :手動筆記人:2000/11/06(月) 19:32
2000.11.12 PM04:12 祖師ヶ谷大蔵・国立大蔵病院

バスの扉が開く。
ステップを降りた途端に排気ガスの臭いが鼻を突き、私は少し顔をしかめる。
騒々しく車が行き交う世田谷通りを背にして、少々古びた病院の玄関に向かう。
いつもは人で賑わっている応接室も、さすがに日曜日は灯りがうっすらと点いて
いるだけの寂しい空間と化していた。当然、人の姿など一人も見ることは無い。

チチチ、チチチ。
しかし、そんな寂寥とした空間に様々な鳥たちのさえずりがかすかに響く。
ガラス張りの壁の向こうにある中庭から聞こえてくる優しいハーモニー。
私は、これから見舞う人がいつものように中庭にいるのだ、と確信して
中庭へと向かうドアをそっと開ける。

直後、大音響が小さな中庭じゅうに響きわたる。
私の気配を察知した鳥たちが一斉に大空へとはばたいていったのだ。
「あちゃー、また逃げられちゃったかぁ」
私は、わざとらしく声をあげる。
鳥たちのはばたきの向こうに、車椅子に座った少女の姿が見えてくる。
その表情は、鳥たちに逃げられた寂しさと、私に会えた嬉しさとが混じり
合ったいささか複雑な顔つきだった。
「やぁ、要」
私−六角晶−は、少しばつが悪そうに右手を挙げながら妹に話しかける。
そして、要はいつも満面の笑みを浮かべながら私に向かって微笑む。
『ううん、気にすることないよ』
そう、言う代わりのように。


341 :手動筆記人:2000/11/06(月) 19:35
「これ、あんたに頼まれた通りのやつを買ってきたから」
私は、コミティアで買ってきた同人誌が詰め込まれた鞄を要に見せる。
(鞄にコミケットのロゴが描いてあるのは、愛嬌として許して貰おう)
「それと…これ。あんたの好きなコージーコーナーのチーズケーキ」
私は、ここでいつもの音が聞こえてこないことに気付く。
キュッキュ、キュッキュ。
真っ白なスケッチブックに、伝えようとする言葉をマジックで描く音が。
見ると、要の膝元にビデオテープ程度の大きさのパソコンがちょこんと
置かれていて、要は画面を見つめながら何やら打ち込んでいる最中だった。
「要…スケッチブック、やめちゃったんだ」
私は少し大きめの声で要に向かって話す。
要は一瞬顔を上げて私のほうを見ると、またパソコンに向かって何度か
キーを叩き、液晶画面を私の方に向けた。

『IT革命なの』

48倍角くらいのゴシック体が画面に踊っている…ように見える。
「でも、屋外だとちょっと読みづらいんじゃないかなぁ」
そう言いながら、私は空を指さす。
指先の向こうに、地上に沈まんとする夕陽が燃え上がるように赤く輝いている。
『(;_;)』
目線を戻すと、そこには画面に表示された顔文字と同じ表情をした要がいた。
「…じゃあ、もう外も寒いし部屋に帰ろっか」
私はそう話しかけながら要の後ろに回り、車椅子を押してゆく。
要は、中庭の木々に留まって私たちを遠巻きに眺めている鳥達に手を振っていた。


342 :手動筆記人:2000/11/06(月) 19:36
「しっかし、パソコン買うなんてあんたそんなお金よく有ったねぇ」
ロビーから病室棟へと向かう廊下で、私は要に話しかける。
『お父さんが買ってきてくれたの』
「うちの親父さん、あんたにだけは甘いからねぇ。歳離れてるからかな?」
私は、そう言いながら苦笑いする。
しかし、要はどことなく悲しげな表情を浮かべながらキーボードを打つ。
『あと1年くらい、ここに居ることになりそうだから』
…私は、その一言で現実に引き戻された。
直視したくない、辛い現実に。

要は、生まれながらにしてこのような入院生活をしていたわけではなかった。
両足はちゃんと大地を踏みしめて元気に走り回り、日々のどうでもいいことを
私に矢継ぎ早に話しかけてくる、ごく普通の少女だった。

あの、最悪の夏が来るまでは。


343 :手動筆記人:2000/11/06(月) 19:42
>>340-342
とりあえずインターミッションということで。
続きは明日、というか何かこの手の文章だとスラスラ書けるぞオイ(^^;

>>339
どうやら直近の先輩後輩のようです(笑)
詳しくはサロンにて。


344 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/07(火) 13:46
2000.12.27 新宿区四谷・ラジオJ○QR

 東京では大手のラジオ局、J○QR――ここは、永瀬佳織の勤務先だった。
 いつもだったらのんびりした社内なのだが、年末特番などの用意で、ここ広報のセクシ
ョンも喧噪に包まれている。
「――はい、わかりました。それではよろしくお願いします」
 営業用の異様に明るい声で挨拶した香織は、そっと受話器を置いた。
 そして、メモに何かを走り書きをしてライトの傘に貼り付ける。
「永瀬ちゃん、ちょっといいかな?」
 再び受話器を取ろうとした佳織に、声がかけられる。
「あ、はい」
 振り向くと、ピンクの髪にサングラスといった出で立ちの男が立っていた。
「あれ……? おっ、オタチャチャさんじゃないですか!」
 茶々木 慎――通称オタチャチャ。
 ここJ○QRの番組ディレクターであり、またパーソナリティーも担当している男だ。
 公開録音の補佐や雑務などで面識は十分あるのだが、普段は外部の会社にいる彼がここ
に来ることはほとんどなかったので、佳織は思わず呆然と茶々木のことを見上げていた。
「やあ」
 ピースサインの指を軽く曲げながら、とぼけた挨拶をする茶々木。
 それを見て、吹き出す佳織。
「な、なにやってるんですか! オタチャチャさん」
 他の社員には通用しないネタなのだが、生まれながらのコミケッターだった佳織にはす
ぐわかるネタだった。
「いやぁ、ちょっと永瀬ちゃんの力を借りようと思ってさ」
「またですか?」
 また――これまでの数度の経験から、佳織は直感的に言った。


345 :流れ書き:2000/11/07(火) 13:46
「そうそう。永瀬ちゃん、カンいいじゃん」
「オタチャチャさんの頼みっていえば、あれしかないですから」
「わかってるねぇ。さすがアトランティスの末裔だ」
「違います」
 茶々木のボケに、即座に反応する佳織。
「でも、今回はサークル取ってますから。外周はダメですよ?」
「あ、永瀬ちゃんもサークル取ってるの?」
「はい。もう原稿も上がってますよ」
「早いねぇ」
「昔取った杵柄ですから」
 若干19歳にして、昔取った――はないと思うのだが。
「んじゃあ、今回は永瀬ちゃんのいるジャンルの所だけでいいや。永瀬ちゃんのジャンル
って、何?」
「創作少年ですけど」
「んじゃあ、そこをお願いできるかな。えっと、リスト……リストっと」
 茶々木はそう言って、鞄から分厚いクリアファイルを取り出した。
「……オタチャチャさん」
「ん、何?」
「それ、何サークル分ぐらいあるんですか?」
「そーだねぇ。だいたい5000サークルぐらいかな」
 鬼。
 佳織の脳裏に、その一文字が即座に思い浮かんだ。
「創作少年……っと、あったあった」
 ファイルの中から紙束と赤ペンを取り出して、茶々木は紙に次々に何かを書き込んでいく。
 そして、一通り確認すると、
「ほい、これ」
 と、佳織に紙束を手渡した。

346 :流れ書き:2000/11/07(火) 13:49
「……す、すごい量ですね」
「ああ、でも赤ペンでマークしてるところだけでいいから」
「それでも、70サークルはあるんですね」
「いやぁ、今回西で公録の仕事が入っちゃってるからさ、あまり買いに行けないんだわ。
だから、お願いできるかなぁ」
「ああ、AGMの公録ですか」
 AGMとは、茶々木がパーソナリティーを担当している番組だ。
「今回はTLS以来の公録だからね、俺も気が抜けんのよ」
「なるほど。それじゃあ、今回の特集ってコミケなんですか?」
「そういうこと。オタク番組としては、最後のコミケを取材しないわけには……ね」
 そう言うと、佐々木はため息をついて苦笑した。
 コミケの終了は、佳織と同じくコミケで育った彼を落胆させるのに十分だった。
 その一報が流れた翌週に、特集でそのことを組んだぐらいだ。
「です……ね」
「ま、最後のコミケはしっかり楽しまないと。一旦、1時ぐらいに様子見に行くから」
「あ、はい。スペースはX-xxのAですから」
「OKOK。んじゃ、特番の打ち合わせがあるからそろそろ行くわ」
「気を付けてくださいね、オタチャチャさん」
「ああ。それじゃ、ばいばいりゅーん」
 妙な挨拶を残して、茶々木は足軽に去っていった。
「……りゅん?」
 さすがに、女の子の佳織には理解できないようだったが。

 だが……
 この会話が茶々木との最後の会話になるなど、佳織には知る由もなかった。

>>>
ああ、やってしまった、この引き……
仕事の合間に苦しんで書きました。なお、会社名と人物名はフィクションですので……(苦藁

>>344
私のです……羽津堕詩納

347 :サンデーライター:2000/11/07(火) 14:08
なんかサロンの掲示板が入れないねぇ

>手動筆記人さん
私勘違いしてました。91年が正しいです。

348 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/09(木) 10:02
書き手のみなさま、がんばってくださいあげ

349 :準備会組織図(終わるコミケット版、2000年12月現在):2000/11/10(金) 07:59
コミックマーケット準備会執行機構図(コミックマーケット59開催時)
作成:コミックマーケット準備会総本部事務局機構監理担当
区分:取扱注意

代表   総本部事務局   会計担当統括
代表補佐          渉外管理担当統括
              取材マスコミ対応担当統括
              防災教育指導担当統括
              企業対応担当総統括(通称:企業対応部)
               総本部詰
               西4階企業スペース統括
              記録担当総統括(通称:記録班)
               東地区記録担当統括
               西地区記録担当統括
               機動採証担当統括
              資材担当総統括(通称:資材部)
               資材管理担当統括
               ロジスティクス担当統括
              ブラッディメアリー対策担当総統括(通称:メアリ対)
              接遇担当統括
              本部事務担当統括
              設営担当総統括(通称:前日設営部)
               東地区設営担当統括
               西地区設営担当統括
               前日受付担当統括
               東123地区本部長
               東456地区本部長
               西12地区本部長
               西34地区本部長
               国際部担当統括
               別室総統括

350 :準備会組織図(終わるコミケット版、2000年12月現在)(承前):2000/11/10(金) 08:00
     入口担当総統括
      東地区担当統括
      西地区担当統括
      総合調整担当統括
     館内担当総統括
      東123地区長
       東1ホール長
       東2ホール長
       東3ホール長
      東456地区長
       東4ホール長
       東5ホール長
       東6ホール長
      統括部統括
       情報調査担当
       兵站補給担当
       総合企画調整担当
       人事担当(通称:館内担当人事部)
       東123地区混雑対応総合指揮所(通称:東123テント村)
       東456地区混雑対応総合指揮所(通称:東456テント村)
       サークル対応担当統括
       通行証再発行担当統括
     公共地区担当総統括
      東地区担当統括
      西地区担当統括
      巡回班統括
     更衣室担当総統括
      男子更衣室管理担当統括
      女子更衣室管理担当統括
      西4階コスプレ広場管理担当統括
      森林保護募金担当統括
      更衣室受付販売担当統括(受付販売担当総統括指揮下の部隊と混同しないこと)
      更衣室会計担当統括
      巡回警備担当統括
     搬入担当総統括(通称:搬入部)
      西地区担当統括
      東地区担当統括
      搬入C3I本部担当統括
      印刷会社ブース担当統括
     受付販売担当総統括
      東123地区統括
      東456地区統括
      西地区統括
     場外販売担当総統括
      前日販売担当統括
      販売計画推進担当統括
      東地区販売統括
      西地区販売統括
     救護担当総統括
      東地区救護室
      西地区救護室

351 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/10(金) 12:04
下らんことだけど 通称:前日設営部は現在正式には設営部となっております
あと入り口担当に交差点担当って無かったっけ?

352 :いやむしろ:2000/11/11(土) 08:57
終わるコミケット版だというなら、安全管理担当が必要だろう(笑)
俺的にはこのネーミングセンスは、運送会社みたいでちょっと面白い。
公共安全担当なんて構想もあったねぇ。

353 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/11(土) 20:58
初期に名前の挙がった安全管理担当は、後の展開中で準備会の警備公安統括部門とされ、
総本部安全管理室として総本部別室と同列に置かれたと見たが。
警備の安全管理室と公安の別室、実働の安全管理室と計画調査の別室といった感じで。
何はともあれ、続き待ち。

354 :さんでーらいたー:2000/11/13(月) 14:58
http://eocm.netfirms.com/cgi-bin/ib/imgboard.cgi
に、>>336さんの言ってた画像アップローダータイプの掲示板を設置してみたんですけど、
なっか画像が表示されないし。アップロードはされてるのになぁ。

355 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/14(火) 11:24
沈みすぎage

356 :要ちゃん萌えは悲しい性だが:2000/11/14(火) 13:21
とりあえず『なの』はよせ(笑)

357 :しーな:2000/11/14(火) 15:33
>>25あたりからの続き

2000.12.30 pm12:43

途中いろいろあったものの、五月はようやく目的のサークルにたどり着いた。
机の上には「新刊販売、13:30から」という文言が、少女のカットと共に描かれていた。
「まだ販売してなかったんだ。良かった完売してなくて」

サークルスペースには一人の少女だけが座っていて、隣のサークルの女性と談笑している。
この子が作者なのだろうか?
とりあえず五月は声をかけてみる事にした。
「あのー、すみません、新刊はまだなんですよね?」
『あ、ごめんなさい。なんか向こうのミスでまだ届いてないらしいんです』
少女…琴美は声をかけられた事に驚いたように、五月に答えた。
「えっとそれじゃスケブをお願いしても良いでしょうか?」
『すけぶ?』
琴美は目をぱちくりとさせる。
「スケッチブックの事よ」
隣のサークルの女性、日高トオコが助け船を出す。
『スケッチブックを…私が描くんですか?』
「即売会ではサークルさんが、ファンの人の為にスケッチブックに絵を描いてあげたりするのよ」
『へー、そうなんですか。あ、それじゃお客さんはお兄ちゃんのファンなんですね』
「お兄ちゃん?」
『あ、すみません。私、店番なんです。お兄ちゃんは今本を取りにいってるんですよ』

358 :しーな:2000/11/14(火) 15:35
「えーと、それじゃ本が来るまでこの辺で待っていてもいいですか?」
『あ、はい、別に構わないですけど…、いいんですか?他のサークルさんに行かなくても』
「うん、いいのよ。ここの本さえ買えれば」
琴美はそれを聞いて笑みがこぼれてしまう
『にははっ、本当にお兄ちゃんの本を好きな人がいるんだ、なんかうれしいな』
思わずにはは笑いが出てしまう。正通が傍にいたら苦笑していたかもしれない。

五月は琴美の声を聞いていてふと気がついた。この子ついさっき会ったような気がする。
「あれ?あなた、さっきウチの本を買っていってくれた子?」
『え、あ、そう言えばさっき買いに行ったサークルさん?』
二人はお互いを指差す。そしてクスクス笑い出した。
「飛鳥五月です。よろしく」
『あ、吉村琴美です』


『五月さんは、お兄ちゃんの本のどこが好きなんですか?』
販売物が無いため売り子である琴美は、当然ヒマである。
せっかくだから五月と会話をする事にした。
「うーん、どこがって言うよりすべてかな?お兄さんの描く本だったらそれだけでもう読みたくなっちゃうから」
『へー、何か信じられないな』
「え?」
『だって、ここには他にすごい漫画家の人がいっぱいいるのに、お兄ちゃんの本をわざわざ買いに来てくれるなんて…、なんか信じられないですよ』
琴美にとって正通はただの愉快な兄でしかない。その兄が、他人をここまで動かす力があるなんてことは琴美には信じられなかった。

359 :しーな:2000/11/14(火) 15:38
「琴美ちゃんはまだ読んだことがないんだ。お兄さんの本」
『はい』
「あなたのお兄さんの描く本ってね、とっても愛があるの」
『愛?』
「うん、読んでみるとよくわかるけど、作品に対して愛が感じられる。なんていうかこう…あったかいの」
『ふーん』
琴美はわかったような分からないような不思議な顔をする。
「本当にこの作品が好きじゃなきゃこんな漫画は描けない。お兄さんは十分すごい漫画家の人よ」
『にはは…』
琴美は自分が誉められたような感じがして、照れくさくなった。

そっかお兄ちゃんってそんなすごい漫画が描けるんだ。早くお兄ちゃんの漫画見てみたいな。
あ、でも…。
『あの、でも私、昨日ちょっとだけ見たんですけど、お兄ちゃんの描く絵ってその…、パンツが出てたりするんですよ』
恥ずかしそうに琴美が尋ねる。
「琴美ちゃんにはまだわからないかもね」
言って五月は微笑む。
「それが愛があるって事なのよ」
『ふにゃー?』
また琴美は良く分からなくなった。
ま、いいか。とりあえずお兄ちゃんが帰ってきたらすぐ見せてもらおうっと。

360 :しーな:2000/11/14(火) 15:41
久しぶりの書込みになります。しーなです。

とうとう琴美ちゃんを出してしまいました。
前スレのときから出演させたいと思っていたのですが、ようやく登場させる事が出来ました。
精一杯書いたのですが、イメージにあわなかったらごめんなさい。>手動筆記人さま
一ファンの駄文と思って御容赦下さいませ。

361 :サンデーライター:2000/11/14(火) 16:29
>>357-359
おー、琴美ちゃんだ。萌え〜(コレコレ)
私も次のには琴美ちゃんが出てくる予定です。ちょっとかわいそうな役回りですが。
手動筆記人さんと相談してからの方がいいかな。
ちなみに次に書くのは、いよいよ「2000/12/30 13:00」です。

362 :A−NE:2000/11/14(火) 20:37
よくまぁ、こんな所のこんな事を懲りずに続けてたもんだな、と
自分でも呆れる。
夏は死ぬほど暑い。肌が日焼けはおろか、汗にも弱い為に日中は出歩けないのだが、
この時だけは止むを得ない。上下長袖、手袋、帽子、サングラスという出で立ちで
外出した。これで何度会場内外問わず職務質問されかかったことやら。
何度脱水症状で目の前が白んだか…。
冬は冬で、土壇場になって原稿が仕上がらず必死になって徹夜を続けるため、
いつも風邪を引きかけながら当日を迎えていた。
初めて売り手として参加した時に、開場と同時に駆け出す連中の
足元から上る埃が陽の光に照らされきらきらと舞い踊る様を見、
きれいだなと思うと同時に、翌日持病の喘息が出やしないかという
恐怖にかられたのを、今でも覚えている。
喘息を通り越して、肺炎になった時もある。
「そんな盆と暮れもこれが最後か…」
テーブルクロスをばさばさと広げながら呟く。


363 :A−NE(362の続き):2000/11/14(火) 20:43
私は今の言葉で言えば、「ひきこもり」だ。
虚弱体質だからそうなったのか、元々そういう気質な上に虚弱なのかは
本人にも解らない。
しかし、コミケだけは別だった。どんなことををしてでも、後でどんなになってでも
行きたい、と自発的に思った唯一の場所だった。
そして、稚拙ながらも自分を表現するための手段としてオリジナルのマンガを書き始めた。
誰に見向きをされているのかは解らないが、売れた部数だけ自分の存在を社会が認めて
くれるような気がするし、お客とのやりとりさえも、私にとっては数少ない、直接人と
コミュニケーションがとれる機会だったのだ。
それも今日限り。来年からどうしたらいいんだろう・・・?
漠然と不安を感じながら、新しい、でも最後の本を机の上に並べる。
椅子に座りこむと疲れがどっと出て、まどろみが襲ってきた。
うっすらと目を開け腕時計を見ると9時前。
見本誌のチェックがくれば起こされるだろ。
スタッフに悪いなとは思いながらも仮眠をとることにした。


364 :A−NE(362の続き):2000/11/14(火) 21:08
「……せん、…ません!」
肩をポンポンと叩かれ、目を覚ます。
机を挟んで、スタッフの男性が心配そうにこちらを見ていた
「大丈夫ですか?体調悪いなら救護室行った方がいいですよ」
「あ・・・大丈夫、平気です。どうもすみません」
口元のマフラーを下に引っ張りながらのそのそと詫びる。
登山用のジャンパーを一番上のボタンまで閉め、首には長い
マフラーをぐるぐる巻きにしながら寝ているいいトシした女を
どう思ったんだろう?と考えると非常に恥ずかしかった。
「あ・・・新刊はこれです」
おずおずと本を差し出す。
ぱらぱらとページをめくりながら、スタッフの男性は
「コミケ終わったらどのイベントで本出すんですかー?」
と聞いてきた。
「これで最後ですね、きっと」
「えぇっ?!やめちゃうんですか?」
彼の反応に思わずびくっとなってしまった。
戸惑いを隠し切れない表情の私に、
「いや、ずっと本買ってたんですよ。面白いなぁと思って。だから、
コミケがなくなっても、もし本を出すんだったら欲しいなぁって」
「……は、はぁ」
余りの事にどう反応していいのか解らない。なにせ、人とこんなに
会話すること自体が久し振りなのである。呆然とするしかない私に
「これで終わりなんてもったいないですよ。あ、そうだ。後で買いに
来ますんで取り置いといて頂けますか?」
「……は、はぁ」
じゃぁ、見本誌はもらっていきますね〜と言って、彼は人ごみの中に消えていった。
私の本を面白いと言ってくれた人がいた。しかもマンガをやめるないでくれと言った。
驚きで動悸がバクバクと止まらなかった。あぁどうしよう、どうしよう。どう思って
いいのかわからない。きっとうれしがるべきなんだろうけど、頭の中が真っ白だ。
と、その時
「ただ今より コミックマーケット59を開催いたします!」
と、お決まりのアナウンス、沸きあがる拍手。どちらも最後とあって気合が入ってる。
その気合で我に返り、自分でも力いっぱい、両手からパチパチと音を出す。
「良し……やるか!」
胸の前で小さくガッツポーズをして、今まで机より上に向くことのなかった視線を
上にあげた。


365 :Jr:2000/11/14(火) 22:04
11/14 13:40

「これは……統警から? 奈美ちゃーん、これは?」
「あっ、その書類、後で管理部に回すんですっ!」
「管理部? 内容は?」
「資材貸し出しの依頼だとか……私は詳しく読んでないんですけど。」
「おいおい、一般企業やら民間団体ならともかく、
 ご同業がうちに何を借りようってのよ?
 自社保有の物が山ほどあるでしょうに……。」
「知りませんよぉ。」
「ちょっといい?……ふむ、17日から……えらく急だね。
 んー、それで、物は……なに!?」
「……先輩?」
「…………ああ、ゴメン、驚かせちゃったか。
 悪いんだけどさ、これ、すぐに持ってってくれる?
 できれば管理部長に直接ね。」
「解りましたー。」

(甲種警備服ねぇ……。国賓かスターの来日でもあったっけか……?
 いったい何に使おうってのよ? 統警さん……。)

舞台の外に立つ者にとっては、なんでもない、日常の一幕に過ぎない。
彼も、頭に浮かんだその疑問を、仕事の忙しさの中に埋没させていった。


366 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

367 :手動筆記人:2000/11/16(木) 20:06
>>356
      |\-/|
     / ⌒⌒ ヽ
    ( ノノハノハ)
    川 ・  ・川
    |^^^^^^^^^^^|
    | あのね |
    | ゴメソ  |
    ○ なの ○

>>357-360
いやぁ、何だかこっぱずかしいというか、こんな熱心な読者の人がうちの
サークルに来ねぇかなぁ、とか熱心で無くても良いからとにかく人カモン!
とか、虚構と現実の狭間があいまいになりつつある今日この頃。
というか、今後の展開を考えるとますます心が痛くなるというか(^^;

#ちと携帯端末(ドコモバ2)にコーヒーを掛けて昇天させちゃったため
 続きを書くのがえらく遅れとります。代替機は12/9にならないと来ないし。


368 :サンデーライター:2000/11/17(金) 10:43
「2000/12/30 13:00」の解禁日が11/20ということで宜しいようなので、
重量級スレッド対策と区切りの意味で19日(日)の朝にお引越しを予定。
時間はオマエモナに出撃する前の午前9時ごろかな。
サブタイトルは…何にしよう。
「DEATH and REBIRTH」とか「まごころを、君に」とか?(どっちもEVAネタだな)

369 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/18(土) 01:27
200以下まで沈んでるのでage

370 :サブタイトル:2000/11/18(土) 04:29
「果てしなき、流れのはてに…」とかは古すぎ?

371 :三文文士:2000/11/18(土) 05:50
3というと、やはり「そして伝説へ…」ではないかと(爆)

372 :前スレの1(本スレの1):2000/11/18(土) 06:31
「終わるコミケット最終章 そして、終わるコミケ」
という名前で12月1日に引っ越しを企んではいたんだけど、
11/20に繰り上げて「終わるコミケット3 おもいでコミケット」を立てる

最終章は12/10に立てる、ってスケジュールでどうすか?

373 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/18(土) 06:41
367カワイイ

374 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/18(土) 10:57
何にしても、どういう結末になるんだろう?
ちょっと、ドキドキ

375 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/18(土) 21:43
日付が変わり、小康状態だった雪が再び降ってきていた。走る車の窓に容赦なく積も
り、ワイパーの動きが慌ただしくなる。
「後藤さん、お疲れですか」
運転席の赤川〜ずっと副官然として立っていた男だ〜が隣に座る彼に言った。
「そんな事はない。ただあの頑迷な連中の説得はもう少し掛るかな、とね」
「何を弱気な事を。時間的にタイトにし、連中に選択の幅を持たせないのは予定の内
じゃ無いですか」
「ああ、赤川君に指摘されたとおりだ。下手に準備期間を長引かせて謀り事が洩れる
危険を犯す訳にはいかない」
後藤が煙草をくわえる。小さな灯りが点ると共に紫煙が車内を漂い始める。
「その代わりに作戦を練る期間は充分に取っている。いや、最初は自分一人の想像で
しかなかったがな」
運転席の赤川に目を向け、言葉を続ける。
「君のおかげだ。Cレヴォの事件の後君に会わなかったら、今も欲求不満を抱えたま
まこの日を迎える事になった筈だ。感謝する」
「僕もあの事件で何かをしたくなって、でも手をつかねていた所であなたと会い、同
人界の自浄を目指すその意思に率直に感動したからこそ協力させてもらっているだけ
です」
赤川は微笑したらしいが暗くて良く見えない。


376 :闇に踊る:2000/11/18(土) 21:46
「私もそうだが君もかなり私財を投じたろう。睡眠時間も相当削った筈だ」
「革命を起こそうと言うのですから、苦労するのは覚悟していました」
年末の都内、しかも雪が降っているので道路上には対向車は殆ど居ない。ぼんやりと
した街灯の灯りが車窓を通り過ぎる。
「この行動の後、地方で行われる商業イベントを今回集めたイベンターらで潰し、も
う一度20年前の状況からイベント活動をやり直す……。確かに革命と言って良いだ
ろう。レヴォリューションと言う名前のイベント崩壊で事が立上がったのは皮肉だが
な。
後2日か、別働隊の準備はもうできているな」
「人員も仕掛けた物も予定通りです。予定表は各員に渡してありますし。準備会も頑
張っている様ですが、アドバンテージはこちらにあります。全てを見つける事など無
理ですよ」
その返事に満足した様に肯く後藤。
「この作戦は我々の力で成功させねば、原や木田達と袂を分った意味が無い。彼らは
自己犠牲の精神が足りなかったからな」
短くなった煙草を灰皿に押付け、更に言った。
「コミケット自身次代の再生と繁栄の為なら己の身を犠牲にしてしかるべきだと思っ
ているだろう」
はい、と答えながら赤川は再び微笑を浮かべる。だが、その笑いの意味は後藤の想像
していた物とは違う。彼は知らなかった。赤川が、コミケットだけではなく後藤とそ
の仲間達をもスケープゴートとして想定している事を。


377 :闇に踊る:2000/11/18(土) 21:49
「私もそうだが君もかなり私財を投じたろう。睡眠時間も相当削った筈だ」
「革命を起こそうと言うのですから、苦労するのは覚悟していました」
年末の都内、しかも雪が降っているので道路上には対向車は殆ど居ない。ぼんやりと
した街灯の灯りが車窓を通り過ぎる。
「この行動の後、地方で行われる商業イベントを今回集めたイベンターらで潰し、も
う一度20年前の状況からイベント活動をやり直す……。確かに革命と言って良いだ
ろう。レヴォリューションと言う名前のイベント崩壊で事が立上がったのは皮肉だが
な。
後2日か、別働隊の準備はもうできているな」
「人員も仕掛けた物も予定通りです。予定表は各員に渡してありますし。準備会も頑
張っている様ですが、アドバンテージはこちらにあります。全てを見つける事など無
理ですよ」
その返事に満足した様に肯く後藤。
「この作戦は我々の力で成功させねば、原や木田達と袂を分った意味が無い。彼らは
自己犠牲の精神が足りなかったからな」
短くなった煙草を灰皿に押付け、更に言った。
「コミケット自身次代の再生と繁栄の為なら己の身を犠牲にしてしかるべきだと思っ
ているだろう」
はい、と答えながら赤川は再び微笑を浮かべる。だが、その笑いの意味は後藤の想像
していた物とは違う。彼は知らなかった。赤川が、コミケットだけではなく後藤とそ
の仲間達をもスケープゴートとして想定している事を。


378 :闇に踊る:2000/11/18(土) 21:56
またしても2重カキコ……。
申し訳ありませ−ん(泣

379 :サンデーライター:2000/11/19(日) 01:31
お題:「3」のサブタイ
>「果てしなき、流れのはてに…」とかは古すぎ?
だれかがコミケ会場にブラックホール爆弾をブチ込むというのならそれでもいいんですが(笑)。

>3というと、やはり「そして伝説へ…」ではないかと(爆)
懐かしいですね。
でもコミケはすでに伝説になっているような気もしないでもない(笑)。

私としては「コミックマーケット73」に続けたいので「DEATH and REBIRTH」をプッシュ。

>「終わるコミケット最終章 そして、終わるコミケ」
>という名前で12月1日に引っ越しを企んではいたんだけど、
>11/20に繰り上げて「終わるコミケット3 おもいでコミケット」を立てる
>&
>最終章は12/10に立てる、ってスケジュールでどうすか?

じゃ、19日の朝に「3」を立ち上げて、スレの育ち具合によって
12月10日頃に最終章スレを立てると言うのでいかがでしょう。
かなり皆さん書きたいものはあるでしょうから。
個人的には「終わるコミケット最終章 終わるコミケット、そして…」の方がいいなぁ。

380 ::2000/11/19(日) 02:30
スケジュールは了解。引っ越しはテレホ明けに行います。
タイトルは元ネタがある都合上、これでいきます。
あと、当初の予定を崩してだらだら続けるのが嫌なので、
このシリーズは予定通り、二〇世紀で終了とします。


381 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/19(日) 04:00
>>362-364
こういうのも好き。

382 :名無しさん@どーでもいいことだが。:2000/11/19(日) 04:20
age

383 :傍読人:2000/11/19(日) 08:18
ヘタレ文スマソさんもう飽きたの?あんたの
好きなんだけど。行き当たりばったりぽいが(笑)
生々しい設定とか(快く感じない人も多そうだが)。
筋肉ちゃんとか しゃべり今時普通ぽくていいよ
読んでる奴もいるので 書いて下さい

384 :引っ越しました。:2000/11/19(日) 08:33
終わるコミケット#3 おもいでコミケット
http://yasai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=doujin&key=974588977

なお、最終スレッド「終わるコミケット最終章 そして、終わるコミケ」は、
ちょうど2週間前にあたる12月15日(金)テレホ明けに作ります。

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