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ブレイブロード 序章

1 :名無し物書き@推敲中?:02/03/19 13:23
登場人物:ジェイクラーム、息子ラムス、ジェイクの弟子カリューム・ネオン、
帝国所属アルニューム・ポレステル

ここは、田舎の何の変哲も無い村・・・人々は農業を営み外界との接触はほとんどなく
ごく平凡な生活をしている。唯一、平凡ではないところを挙げるとこの村では代々剣闘士を
育てている。最後のスキルを獲得したものが剣闘士の最高の称号「剣聖」となれる。
この世で一人しか存在しないと言われる「剣聖」この秘密をはるか東の地にあるアルドラード帝国が
つかんだ。人という生物は欲の塊である。特にこの国では支配欲が強い。他の地を制圧するために
剣聖が欲しいと言ったのだ。これに反対したサムジュモールの人々は戦いを挑んだ。
「お前たちには力を貸すことはできん!」
剣聖ジェイクの鋭い剣術が次々に帝国兵を捉える。瞬く間に帝国兵たちをなぎ倒していく。
「…ならば死あるのみ!」
帝国特攻部隊隊長アルニューム・ポレステルは自分の武器である黒い大きな塊でジェイクを捉えた。
パララララララララ・・・・・
軽い感じの音と共に鉄の塊がジェイクに向かっていった。これは銃という武器だ。恐らくまだ
ごく少数の者しか持っていない兵器だろう。しかしアルニュームの目の前では我が目を疑う出来事が
起きていた。普通の者であれば即死といえるダメージを負うはずがジェイクは傷ついていなかった。
いや、当たってもいなかった。剣を一振りした風圧で弾を撒き散らしたのである。
「スキル…風陣!!!!」
次々と放つ風で見事にかすり傷ひとつしなかった。
「ははは…すばらしいぞ、その力!それが、剣聖!それが剣聖のスキルか!」
淡々とに誉める言葉を発しながら冷静に大きな銃…グレイブキャニオンを構えた。
そして今度は単発で力強い弾を発射した。しかしまたも風陣で吹き飛ばされた。
「ふむ…」
やや間をあけた後、アルニュームは散弾銃のごとくグレイブキャニオンを撃ち出した!
無差別かと思われた弾だったがジェイクの弟子のカリウムの頬をかすめジェイクの息子の
ラムスの足元も捉えた。
(俺が一人で戦うことはできるがこいつらは危険だ…)
「ジェイク様!僕も支援します!」
カリュームが威勢よく言葉を発する。ちょうどその時…
ピィ〜!!!!!!
アルニュームは警戒しながら笛のような物を吹き帝国の陣営の方角に後ずさっていった。
アルニュームの使った帝国軍の合図で次々と帝国兵たちが押し寄せる!
(く…多勢に無勢…ここまでか…)
「いいか、よく聞けカリューム…この村はじきに帝国兵たちに占領されるだろう…お前は
今のうちにラムスを連れて逃げるんだ!」
「ジェイク様を残して行けません!一緒に行きましょう!」
「…今、あの銃を構えている帝国の奴に背を向けると間違い無く殺される…俺が奴を
食い止めている間にお前達は行け!」
「ならば僕も最後まで一緒に戦います!最後まで剣闘士としてこの場に!」
決意に満ちた目でジェイクをまっすぐ見ながらカリュームは叫んだ。
すると強い口調でジェイクはそれを制した。
「ならん!…お前なら立派な剣聖になれると信じている…いいか、正義の為に剣を振るうのだぞ…」
「ジェイク様…」
「なに…そう簡単にはくたばらんよ…ラムスを頼んだぞ…」
そう、言い残すとジェイクは帝国兵たちのほうに消えていった…
カリュームもラムスを抱え山を駆け登って林を突き抜けて行った。しばらくして銃声が聞こえたので
先程の場所を見るとたくさんの帝国兵たちがうっすらと見えた。



2 :名無し物書き@推敲中?:02/03/19 13:23
2ゲットォ〜!

3 :名無し物書き@推敲中?:02/03/19 13:24
なかなかなのでage

4 :名無し物書き@推敲中?:02/03/19 13:26
行き場の無い作品の発表スレに行けや、つまらん。

5 :@:02/03/19 13:55
あのね。ダメっぽいの。ダメな順にいうとね、
設定がマズー、文章がマズー、固有名詞がマズー

6 :名無し物書き@推敲中?:02/03/19 14:02
うん、ダメ。がんばって消えてね!

7 :名無し物書き@推敲中?:02/03/19 14:04
うっすら見えた。と思ったらただの夢でした。
---------終了----------

8 :名無し物書き@推敲中?:02/03/19 14:05
sage

9 :名無し物書き@推敲中?:02/03/20 18:56
まさかNeoタンの新作じゃないよね?

10 :名無し物書き@推敲中?:02/03/20 20:40
確かに、激しく影響を受けてるような気が・・・



11 :名無し物書き@推敲中?:02/03/20 20:45
台詞多様し過ぎだろ。
白痴か?

12 :名無し物書き@推敲中?:02/03/20 23:13
「トニオ・クレーゲル」トーマス・マン
敬愛する作家がこれで目覚めた、と言っていたから、読んでみた。
「風化」していた。
似たような、しかももっと気の利いたものがあるじゃん、梶井とか?
そう思った。
しかし、ミロやモンドリアンの抽象画を観て
「...これってカーテンの柄じゃん...」
とリアクションするのに似ていたかもしれない。
つまり、ネタ元はこっちだ、と。


13 :名無し物書き@推敲中?:02/03/20 23:15
↑おもいっきしスレちがいスマソ

14 :名無し物書き@推敲中?:02/03/28 22:57
さて、と。
1にもありますが以下に主な設定をまとめておきます。
<地名>
・アルドラード帝国
 遙か東にある帝国。以下「帝国」
・サムジュモール
 剣闘士を育てている村。帝国によって滅ぼされた。

<人物>
・ジェイクラーム
 最高の剣闘士「剣聖」にして渋いオヤジ。46歳。通常「ジェイク」と呼ばれる。
・ラムス
 ジェイクの息子。とても無口でおとなしい。6歳。
・カリューム・ネオン
 ジェイクの弟子。純朴な若者。16歳。
・アルニューム・ポレステル
 帝国特攻部隊隊長。黒い頬髭をたくわえたいかつい男。銃器を主な武器とする。
 鉄の胃袋を持つ36歳。ペットネームは「アル」

<その他>
風陣 :剣聖のスキルの一つ。銃弾を吹き飛ばすことができる。
グレイブキャニオン :口径の大きな銃器

15 :名無し物書き@推敲中?:02/03/30 00:00
11の人に文句を言われているので、「せりふ」を減らす方向で行きます。
でもある程度はせりふも必要なので、11のような人も我慢してください。

16 :名無し物書き@推敲中?:02/03/30 00:02
 山一つ越えたところでカリュームはようやく歩調をゆるめた。
剣闘士としての修行を重ねてきたため体力には自信があったが
ラムスを背負っての一昼夜の強行軍はさすがに応えた。
(ここまで来ればひとまず危険はない)
 その判断に根拠はない。だが、いずれにしてもこれ以上進むことは困難だ。
とにかくしばらく休んで、先のことはそれから考えよう。
 カリュームの背から下ろされ、眠そうに目をこすっていたラムスが
思い出したように尋ねた。
「ここ、どこ?」
「多分、北の山を越えたところです」
 カリュームの言葉にいつもの明るさはなかった。
なにしろ外界と交流のないサムジュモールで生まれ育ったカリュームである。
少し村を離れれば異世界も同然。最寄りの町がどの方向にあるのかも
見当がつきかねる。早い話が、彼らは迷子になったのである。
「とにかく今は休んでください。あまり眠っていないでしょう」
 ラムスは黙ってその場に座り込んだ。眠る気分ではないと言いたげな表情だが、
カリュームにはそれ以上相手をしてやる余裕はない。
疲れ切った体を横たえるとカリュームはすぐに眠り込んでしまった。

17 :名無し物書き@推敲中?:02/04/01 10:49
寝覚めは最悪だった。
固い地面で眠ったためにこわばってしまった体をおそるおそる動かす・・・
とたんに鈍い痛みが全身を駆け抜けた。
「いてて…地面で眠るってのはひどいものだな。眠る前より、体が痛い……」
腰を伸ばすのも一苦労だ。
「うう、寒気がするな。体を冷やしたか…」
と、カリュームは重大なことに気がついた。ラムスの姿が見えない。
「ラムス様…?」
あわてて見回すが、ラムスの影も形もない。
「なんてことだ!ジェイク様にご子息を託されたというのに、僕は…」
文字通り頭を抱え、しばらくの間呆然とする。
ヒュゥゥゥ・・・
秋の冷たい風がカリュームをあざ笑うかのごとくに吹き抜ける。
(くそ!はやくラムス様を見つけなくては。食料もない。このままでは二人とも凍え死にだ!!)
ラムスがどこへ行ったか見当もつかないが、行動しなければ何も進展はしない。
カリュームは当てずっぽうに、これと思った方角に歩き出した。

18 :名無し物書き@推敲中?:02/04/04 19:12
やせた土壌のこの地域では植物もさほど生い茂ることがなく、森の中でもそれなりに見晴らしはきく。
カリュームはラムスの名前を呼びながらジグザグに移動した。
子供の足でそう遠くへ行くはずはないのですぐに見つかると期待していたのに、
いつまでたってもラムスの姿は見つからない。
(もう、ラムス様の身に何かが起きたとしか考えられない!)
カリュームは焦り、ますます当てずっぽうに歩き回ったが、
その足は無意識に山を下る方向へ向いていた。
しばらくするとカリュームは一条の煙を目にした。
「煙・・・人がいるのか?」
サムジュモールの外のことは時々話に聞いた程度の知識しかないが、
北の山を越えた辺りに一つ村があるはずだ。
日も傾き、炊事の煙が立ち上るには丁度良い時刻でもある。
だが村ならば煙が一つなのはおかしい。
駆け足気味にそちらへ向かったカリュームが見たのは、森の中にひっそりたたずむ一軒の家だった

19 :名無し物書き@推敲中?:02/04/07 17:06
カリュームが眠っている間、特に眠気を感じなかったラムスはただおとなしく座っていたのである。
しかしその胸のうちは平静とはほど遠いものだった。
蹂躙された村。父ジェイクの最後の姿。帝国から来た男の凶暴な笑い声。
それらが意識に住み着いてどっしりと根を下ろし、他のどんな考えも押しのけて迫ってきた。
それはまず恐怖であった。そして燃えるような怒りにかわり、ラムスの幼い心を焼いた。
悶々とした数時間が過ぎ、いつしかラムスの心に残るのは冷たい憎悪一つになっていた。
「そうだ、あのひとたちをころしてこよう」
ささやくように一人ごちて、ラムスは立ち上がった。
小さな足に冷静な決意を秘めて、ラムスはもと来た道を戻ってゆくのであった。

20 :名無し物書き@推敲中?:02/04/13 14:57
山育ちのラムスの足は速かった。山道では体の軽い子供の方が有利でもある。
カリュームが森の中の一軒家を見つけた頃、
ラムスは昨夜カリュームと越えた峠からサムジュモールを見下ろしていた。
村の建物は半分以上焼き払われて、まだ煙を上げているものもある。
いくつかは無傷で残っているらしい。帝国兵が使うために残したのだろう。
日暮れが近く、薄暗いのではっきりとは言えないが帝国兵はまだ村にいるようだ。
ラムスたちを追跡する気はなかったのだろう。
ラムスはすばやくそれらを確認し、まだ日の光があるうちに山を下った。


21 :名無し物書き@推敲中?:02/04/13 15:07
突然扉を激しく叩くものがあり、鍋をかき回していたナターシャは木べらを鍋に落としてしまった。
「あちゃー、やっちゃった」
ナターシャはどろどろのシチューに沈む木べらを拾おうともせず、
別のへらを取って平然とかき混ぜ続けた。
「こんにちは、だれか、いませんか」
再び扉を叩く音。
「しつこい。扉が傷むわ」
ナターシャは大げさに腹を立てながら戸口へ向かい、掛け金をはずした。
「すみません。道に迷ってしまって、えーと…」
若者はナターシャの鋭い視線にたじろいで言葉を詰まらせた。
艶のある栗色だがぼさぼさの髪。中途半端に灰色がかった眼。
甘くつけて70点、とナターシャは心の中で採点した。しかし退屈していたところでもある。
「あごの形に免じて、入ってもいいわ」
「はぁ?」
「くたびれきってるみたいね。眼の下にクマができてるわ」
「はい、いや、それよりも子供を捜してるんです。見かけませんでしたか、六歳の…」
「あなた子持ち? 六歳の? 見えないわ〜」
「まさか。師匠のお子さまで、訳あって預かっているだけです」
ナターシャはカリュームを椅子に座らせ、シチュー皿を出してやった。
「見てないけど、占ってあげようか。私わりと有名な占い師なんだけど知ってた?」


22 :名無し物書き@推敲中?:02/04/17 12:05
こんにちは。
占いに関して取材するためにしばらくオカ板へ潜っていましたが
結局どうでも良くなってきたので料理板へ逝きました。

23 :名無し物書き@推敲中?:02/04/17 19:14
カリュームは娘の問いに頭を振るしかなかった。
娘はナターシャと名乗ったが、有名どころかそんな変わった名前は聞いたことがない。
ナターシャもカリュームの名を聞いて「あなたの親ってユニークね」と顔をしかめた。
それでカリュームは早々にこの家を立ち去ろうと思ったのだが
ナターシャが自分の占いの的中率をまことしやかに語るので、とにかく占ってもらうことにした。
「言っときますけど、何もお礼できませんよ。持ち合わせはないので」
「ふふ、きにしないで。まっとうな仕事には自然と見合った報酬がかえってくるわ。
これは因果律と言ってね、占い術の基本原理でもあるの」
「はぁ…」
「とにかくちょっと落ち着いてシチューでも召し上がれ。…ちょっと煮込みが足りないけど」
「ぼくは急ぐんですけど……」
空腹と、ラムスを探さなければならない責任感に板挟みになったが、そこは若者である。
ナターシャが皿にシチューを注ぐと湯気と共に魚と玉葱とバターの重厚な香りが広がった。
(うまそうだ……)
「どうぞ。残念ながらワインがないから飲み物は水でいいわね」
「どうも…いただきます」
「パンはあるんだけど、カビてるからお客には出せないの。あなた、カビを食べた事ある?」
「……」
ナターシャの世間話はくだらなかったがシチューは旨かった。
カリュームは脈絡のないナターシャの言葉をなるべく無視しながらシチューを食べた。

24 :名無し物書き@推敲中?:02/04/20 16:27
1

25 :名無し物書き@推敲中?:02/04/20 21:19
>>24
まじですか?
なんか怒ってます?

26 :名無し物書き@推敲中?:02/04/24 23:39
食事に集中したおかげでシチュー皿はものの三分で空になった。
「ご馳走様。それで、良ければそろそろ占いをして欲しいんですけど」
「ずいぶんがっついて食べたわね。魚介類を珍しがってた様子だから、山の出身かしら。
長旅には見えないし、この辺ではサムジュモールしかないわね。あなた、剣闘士でしょう?」
「はぁ、まあ、そうですけど…?」
「噂じゃ、帝国と揉めたらしいわね。戦えるはずのあなたが着のみ着のまま逃げてきた
ということは全面衝突で村は全滅かしら?」
「…全滅とは思いません。剣聖であるジェイク様が残ったんですから」
「なるほど。足手まといになるから弟子と息子を遠ざけたのね」
「まあ、そうです」
「いつのまにかその子供が見あたらない、と」
「そうです。少し休んでいる間に居なくなっていた」
「ふうん…それは多分、まずいことになってるわ」
「いや、まずいのは分かってますよ。だから急いで探そうと…」
「違うわよ、馬鹿ね。その子は村に戻ったのよ」
「まさか!ラムス様だって危険なことは分かっているはず…」
「この辺りは見通しも良いし、地形もはっきりしてるから子供でもそうそう迷子にはならないわ。
6歳と言えば心の底から父親を尊敬する年頃よ。ひょっとして父親の様子を見るために村へ
帰ったんじゃないかしら。その子にしてみれば頼りない弟子よりも父親と一緒にいる方が安心でしょうしね」
「う…推測としては成り立つ…いや、ひょっとしてこれが占い…?」
「シチュー食べ方占いよ」

27 :名無し物書き@推敲中?:02/04/25 18:25
カリュームは急ぎ足でもと来た道を戻った。
ヒュゥゥゥ・・・
相変わらずの冷たい風がカリュームをあざ笑うかのごとくに吹き抜ける。
暖かいものを食べたおかげで体力は回復したが、本当にラムスが村へ向かったとすれば
今から追いかけたところで手遅れである。それを思うと不安は大きくなる一方だ。
(弱気になるな。ジェイク様を信じるんだ。数を頼んだ帝国兵たちに後れをとる方ではない!
たとえまだ戦闘が続いていたとしてもラムス様がまっすぐそこへ飛び込むものか…)

しかし、正直に言えばカリュームにはラムスの行動は予測できなかった。
ラムスは日頃から無口で、陰気ではないにしても他人にはあまり心を開かない性格だった。
カリュームが声をかけてもただ笑うか、無表情で首を傾げるくらいの反応しかなく、
会話らしいものは成立したことがなかった。
だからカリュームにはラムスが何を考えているのか見当もつかない。
ひょっとしてラムスは死ぬつもりで村へ帰ったのかもしれない。
帝国兵に蹂躙される村を見て絶望し、やけを起こしたという可能性も否定できない。


28 :名無し物書き@推敲中?:02/05/05 23:53
早くも夕闇が迫り、足下がおぼつかなくなってくる。空気に湿り気が混じる。
「まずいな。今夜は一雨来るか…?」
空には灰色の雲が渦巻いている。悪くすると嵐になるかもしれない
これでは月明かりも期待できない。
「あわてて飛び出したけど、ナターシャさんに灯りを借りるべきだったな…」
雨を避ける場所もないので野宿もできない。それはラムスも同じ事だろう。
体力のない子供が山の中で食料も無しにどれだけ生きられるだろうか。
状況は悪くなる一方に思える。やがて雨の最初の一粒がカリュームの頬をぬらした。

29 :名無し物書き@推敲中?:02/05/09 17:55
その夜、カリュームの予想通り、レスティラール島は記録的な豪雨に見舞われた。
島中で山は荒れ、橋は落ち、冬を前にして人々に大きな損害を与えていた。
山に囲まれたサムジュモールに土砂崩れなどの直接的な被害がなかったことは奇跡的だったが
皮肉にもその幸運を喜ぶ住民はすでに居なかった。

30 :やどりぎ:02/05/09 18:08
これ、一月以上やっているけどだれもつっこんでくれないんだよね。
やっぱりNeoさんやぽっぽさんは格が違うなあ……

31 :名無し物書き@推敲中?:02/05/15 12:33
村の中心にある寄合所は兵士たちの宿舎になっていた。
そこから少し離れた家に、帝国特攻部隊隊長アルニューム・ポレステルは居た。

32 :名無し物書き@推敲中?:02/05/18 17:55
アルニュームはこのサムジュモール制圧任務を自分から買って出たのである。
剣聖の力をほしがる皇帝の態度に不満を感じたからだ。
世界一の銃を持つアルドラード帝国に剣聖など無用。
アルニュームは自分の力で剣聖をねじ伏せ、そのことを証明したかった。
だが、実際に見た剣聖の力はアルニュームの想像を遙かに超えていた。
剣聖ジェイクは村人を守るというハンデを負いながら、二百の精鋭の半数を斬ってのけた。
戦いは帝国側の勝利に終わり、ジェイクが守ろうとした村人は全滅したが
一対一で戦えば自分に勝利はなかったかも知れない。いや、確実に負けていたはずだ。
(剣聖のスキルか…苛烈にして自在…俺の銃にはあれほどの力もスピードもない…)

33 :名無し物書き@推敲中?:02/05/19 20:32
翌朝、空は昨夜の嵐が嘘のように晴れ上がっていた。
予想以上の激戦と悪天候に疲労していた帝国兵たちも、穏やかな空模様に心を癒される思いだった。
しかし、さらなる不運が帝国兵たちをおそった。
朝食を食べた兵たちが次々に腹痛を訴え、倒れていく。
「どういう事だ!」
隊長アルニュームは炊事係を追求した。
「分かりません。材料に異常はなかったはずです」
激怒するアルニュームに炊事係はすくみ上がった。アルニュームは直感的に原因を理解した。
「そうか、水だな。住民どもが水瓶に毒を入れたのだ。」
瓶の水を一口飲んで確かめる。
「間違いない。毒草の汁が入っている。貴様、これを使ったのか!」
「は、はい…昨夜の雨で川が濁っていて…仕方なく…」
「当然それを見越していたのだ、馬鹿め!貴様は雑役に回れ。正式な処分は本国へ戻ってからだ」
アルニュームはそういって炊事場をでた。
「それにしても誇りある戦士の村かと思えば、下らぬ奴もいたのだな!」

34 :名無し物書き@推敲中?:02/05/19 20:34
特攻部隊の被害は大きかった。剣聖をはじめとする剣闘士たちの予想以上の抵抗と
この毒水騒ぎで、いまや部隊は三分の二以上の兵を失った事になる。
剣聖を捕獲する事もできず、部隊を壊滅させ、完全に面目を失ったアルニュームの怒りは大きい。
だがこれ以上の損害を恐れたアルニュームは、その怒りを抑えて村をでる決断をした。
怪我人や病人を抱えて村をでる帝国特攻部隊の姿は、村を蹂躙した征服者のイメージとは
ほど遠い惨めなものだった。

レスティラール島は山がちな地形で、地図上の大きさに比べて人間が活動できる地域は少ない。
実質的には沿岸の漁村や港町が島の中心であり、サムジュモールのような山間の小村は
そうした中心地域から山という障壁で隔てられた「島の中の島」である。
特にサムジュモールは、あまりに交通の便が悪いため中央の支配も届かず、
古くは日陰者の吹きだまりとして成立したという歴史がある。
近年では交通路の整備も少しずつ進み、状況は改善されたとはいえ、昨夜の嵐が
そうした長年の努力をすべて無に帰してしまっていた。

サムジュモールを出ようとする帝国兵たちは一時間もゆかないうちに、来たときにたどった道が
倒木や土砂崩れで完全に破壊されている事に気がついた。
最悪なのは渓谷に架かった釣り橋が落ちていた事である。
アルニュームの足下には切り立った崖が口を開き、その底では激流が逆巻いている。
「ふむ…これでは東に抜けるのは無理か」
アルニュームはサムジュモールへ引き返すしかなかった。
レスティラールの地図を見る限り、サムジュモールから外界へ出るにはこの山道しかない。
「ならば地元の者に聞くしかないだろうな」

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