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恋愛小説「愛という幻影を抱いた者達」

1 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/12 19:49
此処に己の愛を曝け出し、「愛」を問いかけたいと思います。
皆様、稚拙な私の文章を、お許し下さい・・。
途中、ご批評もお受け致します。宜しく御願いの程を。


2 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/12 20:00
私の中から消えてゆかぬ男達・・
出会った男で、忘れられない人が、2人か、3人なのか・・
そして、今、温かい心を提供してくれる男に巡り会った。

8年前の事・・初めて君と出会ったのが、川沿いでのジョギング風景だった。
君は大量の汗を体中から吐き出す様に、少しどちらかの肩をあげて淡々と走っていた。
私は、君を見た瞬間、特に何も思わなかったけど、今でも覚えてる、君の走る癖を・・

君の素性も解らぬ侭、よく出会う、川辺の風景として目に焼き付いていただけです。
いつからだろうか・・君は私に微笑みかけて、お互いの瞳の中に温かいものを感じたのは。
はっきり覚えていない・・
ただ、君が必死に走るその姿は、今も私の脳裏に焼き付いて、君の総べてが消えてゆかない。

3 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/12 20:06
ある瞬間に、君が私に話し掛けてきた・・心で話し掛けてきたんだよね。
君と私が、親密になるだけの時間はさほどかからなかった様に記憶している。

最初・・君の焦った、ひたむきな視線が私を追い詰めていった。
君の不器用な素朴な言葉が、私を快くしたのは何故なのか解らない。

私は、あの頃、傷を負っていた。心の中に癒されぬ思いだけが渦巻き、
自分を何処に持っていけば良いのかも解らぬ侭に、宙を彷徨っていた様な気がする。

4 :名無し物書き@推敲中?:02/05/12 20:08
これは小説じゃなくてポエムだな。

5 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/12 20:12
君の笑顔が・・邪心無き、ピュアな笑顔が、どれだけ私の心に浸透していったのか、
多分、君は今でも、気が付いてないかもしれないね。

君は、必死になって、私の世界に入り込んできた。
自分を飾る事も無く、無邪気な侭の君は、すっと私の心の中に住みついてしまった。

お互いの住処が極近い・・歩いて1分(笑)だと気付いた時はお互いに笑ったね。
だって、仕方が無いよね、近所のジョギングコースで出会ったんだから。


6 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/12 20:13
>>4
そうですか?ポエム・・ですか?
でも、書きたいから書かせて下さい。
御忠告は真摯な姿勢で受けたいと思います。

7 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/12 20:23
君は私の心に入り込み、私と君が溶け合う事に時間をかける様になった。
毎日、君を待ち、君の職場迄、同行を強いられ、駅の改札口で待つ様になり、
駅から歩いて帰る二人だけの時間が唯一、自分に戻れる時間だった。
二人が出会ったジョギングコースが、二人の為の道になり、時間となり、
一日中二人は寄り添って近い場所に居た。
君の笑顔と、私の微笑みは、二人の位置を確かなものにしていった。



8 :名無し物書き@推敲中?:02/05/12 20:23
作品発表は好まれない、というローカルルールを無視してるね。
そこまでしてこの作品を発表しなければならないわけをまず話せ。

9 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/12 20:26
>>8
作品発表は好まれない・・?今、読みました。すみません。初心者で気が付かなかったです。

>作品を発表しなければならないわけをまず話せ
書きたかったから、書いただけです。少し考えます。

10 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/14 19:38
君の職場は、空の場所。
羽田行きのバスに二人でY駅から乗り込み、羽田でお茶を飲み、それで、君を送り出した日々。
時に、私は仕事で東京に出た際に大森から羽田行きのバスに乗り込み、君の待つ羽田へと向かった。
帰路につくバスの中での二人だけの空間は時が止まっていた。
駅に着いて、又、JRに乗り、二人でラッシュ時の電車の中で守りあう様に抱き合った。


11 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/14 19:45
「明日、熱海に行こうか?」
「明日、遠くにドライブに行こうか?」
君の突然言い出す癖・・・そして必ず翌日は二人でどうするのか、決める癖。
君に束縛を受けても、その温かさで私は居心地の良い位置で漂っていた。
君に求められる侭に私は従順な女となり、君の前では、ただの可愛い幼女の様になんでも言う事を聞き入れた。
此の、自分が総べて晒け出せたのは、君だけだったかもしれない。
それ程までに、君の存在は私にとって確かになり、緩やかな流れと激情の中で二人は抱き合い続けた。

12 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/14 19:48
方や、仕事で大変だった私は、その軋轢さえも君に向けずに常に穏やかな表情で接する事が出来た。
君の持って生まれた人徳なのだろうか・・君は人を和ませる魔術師だった。
私は、君の中に抱かれて仕事をし、食事をし、お酒を飲み・・
日常の総べてがお互いに溶け合いだした頃・・

13 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/14 19:50
君にアメリカに一ヶ月の出張命令が出た。

14 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/15 21:06
シアトルに飛び発った君は、激務の中で毎日連絡をしてくれた。
私には滞在先ホテルに毎日FAXで手紙を書いて送る様に命じた。
君の性格が出張によって益々垣間見れた。
君は温かい、君は突っ走る、君は独占欲が強い、そして・・君は熱い人。
私は毎日FAXを送った。毎日毎日、今日あった出来事やら、朝には今日どうするのか、
君がいるシアトルと私のいる日本の時差で、いつもと感覚がずれた手紙を送った。

羽田で君を見送る時に展望台で2人で撮った写真を君に送った。
君は「遅い!」って文句言ったけど、私は精一杯早く動いたの。
そんな、君の強引な言葉には常に暖かさが込められて、腹もたたなかった。

15 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/15 21:07
すみません。間違って、あげてしまいました。

16 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/15 21:11
君の温かい心に触れ乍ら、私は宙を浮遊していた。
私の心に入り込んだ愛しい君と私は溶け合って、未来を見つめていた。
なんの疑いも無く、お互いに在るが侭に接する事が、二人の事実だった。

17 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/15 21:17
君の激務の中での自分の存在を確認する必要も無かった。
君は気が狂う程のプレッシャーの中で、常に私に連絡を入れてくれた。
君が仕事の内容を私に報告する時に、やはり男性特有のフェアーを感じた。
冷静に、とにかく冷静に判断して仕事を進める君に、私は尊敬の念を抱いていた。
君には、この気持ちは伝わってないかもしれない。
私は、ただ、穏やかに君の話を聞いていただけだから・・

18 :名無し物書き@推敲中?lo:02/05/15 23:51
http://君の激務の中での自分の存在を確認する必要も無かった。

19 :名無し物書き@推敲中?:02/05/16 01:33
>1よ、とりあえず書いてみろ。
第2のNeoタソを目指せ。

20 :名無し物書き@推敲中?:02/05/16 03:34
笑えないし特に面白いわけでもないからNeoは無理だろ。
まあ、とりあえず終わらせてみれ。誰かファンがつくだろ。

21 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/16 18:42
>>19>>20
レスありがとうございます。御迷惑を、お掛けしない様にsage進行致します。


22 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/16 20:56

君がシアトルに行った目的は、難関試験を受ける為の特訓だった。
時々不安に陥った君は「皆レベル高いよ・・俺さダメかもしれないよ」と、弱音の声を聞かせた。
私は戸惑い、ただ君に上辺の激励の言葉で取り繕うしか無かった。
負けん気の強い君の弱音を目の当たりにすると、私はすぐにでもシアトルに飛んで行きたくなった。
君は正直な人間で、君は常に総べてを私に曝け出した。
君みたいな人間は、きっと誰にも好感を持たれるのではないかと、ジェラシーさえ感じていた。
私は君に比べて、なんて小さな人間だろうか・・
いつも虚勢を張り、傲慢で、生意気で・・
この心の中を他人に見せる事無く、常に善人を装い、
私は最低ではないかと・・君の姿勢を見る度にそう思っていた。


23 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/16 21:07
毎日の日課となった君へのFAX送信が途切れると、君は本気になって怒りの電話を掛けてきた。
「なんでFAX入れない?」
FAXのページが少ないと、又、君は怒りの電話をよこした。
「なんで、これだけなの?もっと一杯書いて欲しい。有った事を全部報告して欲しい」
君は、私にだけ隠された我が儘な君特有な本領を発揮した。
私の方が絶対に自我が強く我が侭なのに・・
君の言いなりになって引いている自分に腹が立ったりもした記憶が数知れぬ程だ。
君に圧倒されていたのかもしれない。
君の為に私は・・君にも何も言わずに・・
ただ君の為だけに・・728×1030の紙面に向かい君を想い其の心をぶつけ、彷徨い続けた。


24 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/16 21:13
私は組織の中で仕事をした事が無い人間。
一つの仕事に関しては組織で動いても、自分の領域は自分で責任を負う様な仕事。
世の中のからくりにも無知で専門バカと位置付けた方が周りが納得して許してくれる職域。
君の職業に尊敬の念を抱き、そして君も私の職業に尊敬の念を抱いてくれた。
お互いに未知な領域が二人を惹き付けた事は否めないと思う。
君は組織の中で君の位置を確保し、周りの人間と協調出来、同性にも好かれるタイプの人間。
私は君の足元にも及ばないただの我が侭人間。
君の周りに対する気配りに心底惚れていた・・でも、君は私には我が侭を言い続けた。
それでバランスを取っていたの?
でも、君はいつも私を思い、仕事の事を気遣い、一緒に過ごした夜は、家の前迄必ず送って、家に入るのを確認してから去っていった。
そして、すぐに電話をくれた。


25 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/16 21:23
話がシアトルから思い出に移動してしまった。
シアトルの君の日々と私が君を待ち続けた日々に場所に戻そうか・・
君の試験の日は、私は心配で心配でたまらなかった。

君の為に鎌倉の八幡宮で祈願してもらったお守りを君は携えて試験に臨んでいて欲しい・・
鎌倉に合格祈願しに出向いたあの日は・・春の真っ盛り。
仕事から帰る君に逢う為に必死に走り、鎌倉で転倒してストッキングが破れた・・
でも、其の侭電車に乗り、君に逢う為に横浜駅迄、汗をかき乍ら向かった。
・・と又、さかのぼり綴っている(笑)



26 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/16 21:29
シアトルでの君を想い・・
君は大丈夫だろうか、君は緊張してないだろうか・・
様々な思いを胸に抱いて、君からの生の声を待った。寝れなかった。


27 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/16 21:36
試験が終わった・・
君の元気な第一声が届き、その結果に安心したが、
私は又神経が冴え、研ぎすまされて、数日眠れない侭、淡々と仕事と日常を繰り返していた。
君を想い、無惨に痩せたその体は、以前よりも華奢になり、君が帰る迄に元に戻そうと必死になった。
ビールを無理に飲み、食べようとしても食べる事も出来ずに益々痩せていった。
君が帰る迄の数日間は嬉しさと苦しさが押し寄せる、波の高低の狭間で喘ぎ続けていた。
私は、あの頃、君が総べてで・・
しかも君にその素直さを伝達する能力も無く、ただ自分の中で喘いでいた様に思う。


28 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/16 21:42
成田着・・時間は記憶に無いが、夜に入る時間帯・・
君を成田迄迎えに行く為に朝から君を想い、仕事にも手は付かず、お風呂に入り、君の為に長時間掛けて自分を綺麗にする事に総べての時間を掛けた。
家を出たのが、確か3時前後、成田迄わざと普通電車に乗り、電車の中で君を想う時間を作ろうとした。
成田に着いてから、2時間程待ったかな・・
その頃、オウム事件で成田では監視体制が厳しく、私は身体チェックを女性所員により受けた。
ヒップ迄のロングヘアーで紺色のロングドレスを身にまとい、つばの広いブラックハットを深めに被った私が怪しかったのかな。
今でも、忘れないかな、生まれて初めて、身体チェックと身分証名提出を強制された経験(笑)


29 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/16 21:47
君が職場の人間と出てきてから、さらに30分程椅子に座り待ち続けていた。
二時間半も君を独占する為の時間を待ち望み、君だけを見ていた事実は私にとって最高の時だった。
君の顔を確認した時、私の目は輝いて血色が良くなっていた。

君と一緒に出てきた職場の人間は私に気付いたと思う。
瞳孔の奥から君に発信する純粋な閃光を、周りが察知している筈・・
私は君に一瞬発信し、周りの状況を読み取り、瞼を伏せた・・。

しかし、君の周りから凄まじい程の視線を感じ、
そして、その善人達は君に向けてわざとらしい程の「お疲れ様」の挨拶を大声で贈った。


30 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/16 21:51
私はあの時を忘れない・・
そして君と向き合い乍ら、成田の一角で少し飲んだ。
君からのお土産、男物の財布(笑)私がシンプルを好んでいるから。有難う。
そして、サングラス・・何故か解らないけど、ペン(笑)

駅でチケットを買い二人でJRに乗り込む。
電車の中での空間は今でも忘れられない・・君の生身を感じ、指を絡ませ、キスをして、空いた電車の指定席で二人は溶け合った。
その後・・急激な私による二人の変化に気が付かずに、二人は闇の景色を眺め乍ら二人の住む街に近付いていった。


31 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/17 19:25
私はあの一ヶ月の間、君だけを想い、君だけを感じ、君に触れ続け
君の中で漂い続け、そして君に忠実に向き合い続け、君の為に絵を描き続けた。
朝起きて、君を想い、君の顔を思い出し君に向かって絵を描き続けた。


32 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/17 19:30
君の温かい笑顔と、包み込む様な君の包容が私の糧として、
私はその居心地の良さに酔いしれ乍ら日々を送っていた。
君が現実に居ない空間も、私にとっては君をよりいっそう見つめる為の空間となり
私は、君の中へと入っていけた・・
私の指先から奏でる君へのメッセージが板の上に塗り重ねられていった。
指先で快感を感じ、脳の奥深い部分で自己を曝け出し、羞恥にかられ、
私は、疑似的な行為に及んでいった。

33 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/18 14:04
君を待つ一ヶ月の間にした事・・
君を想い、君だけの為に絵を描く作業と、仕事の絵を描く事。
昼間に、早く仕事を切り上げて、
君を想い浮かべ乍ら君の滞在するシアトルという未知な街を架空都市として描き続けた。
君は、シアトルは特に何も無い、と言っていたけど、
私の理想とする架空都市をイメージし乍ら描いた。
その為にシアトル関係の資料には一切目を通さなかった。
私と君だけのシアトルであって欲しかったから・・


34 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/18 14:09
真っ青な透き通る空に一本の飛行機雲、綺麗に整理された町並み、
すっきりと並ぶセンスの良いビル群
空には色鮮やかな巨大バルーンが浮かび、
洗練された人々が足早に颯爽と歩いている。
そして君を空間から見守る私・・人々の蠢きの中に君を見い出し
君だけを深い眼差しで見守っていた・・

728×1030の板に毎日塗り重ねられる色達は、私の安らぎの場所となり、
時には時間も忘れ、闇から白い世界に変化してゆくカーテン越しの光線が、朝の訪れを教えてくれた。
描きたくてしょうがない、押さえきれぬ程のあの想いは、作品に向き合う為の重要な心理状態。
描ける時は至福の時であり、それを与えてくれるのは、君だけだった。


35 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/18 14:14
君に酔いしれた侭、朝を迎えた私は、
まだ人通りの少ないバス通りに下り、コンビニで煙草を買う。
朝の匂いを感じ乍ら、自分が如何に満たされているのかフラフラになり乍らも、
しっかりとした足取りで又、丘を登る。
研ぎすまされた神経は、眠る権利さえも剥奪し幾日も眠れぬ日々を過ごす事になる。
家に戻った私は、コーヒーを湧かし、バターを塗っただけのトーストを無理に食べ、飲み込んだ。
本能である食欲と睡眠欲を取り除かれた私は、君だけへの肉体の反応で息をしていた様に思う。


36 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/18 14:16
しかし、君は私のこの凄まじい程の「愛」を知らない。
君には何も言えなかった。
持って生まれた性格なのか、本心を伝える事の恥ずかしさが邪魔をして
淡々と、現実の君に接していた・・


成田から自宅近くの駅に到着する・・




37 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/18 16:06
最寄りの駅に降り立った君と私の記憶が曖昧さを伴って数十分の間途切れている。
成田と車中で飲んだビールのせいなのか、酩酊に近い状態だったのかもしれない。
記憶を辿ると、思い出すのは、駅の近くで君に平手打ちをしていた自分。
足早に家路に向かう人々の視線を受け乍ら、
私は泣き乍ら君に何かを言い続けた様な気がする。
何を言ったのか・・思い出せない。


38 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/18 16:10
おそらく、私は此の一ヶ月の間、押えに押え、
我慢していた複雑な心を一瞬にして爆発させてしまったのか・・
君は私よりも3歳年下・・
こんな事が理由なのか、常に自分を曝け出す事を止め、穏やかな表情で君に接し、
君に負担をかけぬ事を自分に律し、君の前で、この激しい気性を隠してきた。


39 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/18 16:15
でも、君は私本来の我が侭な部分と脆い部分を察知していてくれていた。
「わがままだなあ。」と言われる事も幾度かあったが、許容範囲のものだった気がする。
例えば・・君が注文したドリンクの方が良かったと、勝手に自分のドリンクと交換してしまう我が侭さ。
「子供みたいな奴だなぁ」君はいつもそう言ってた。

でも、本当に甘えたかった部分は・・
いつも一緒に居て欲しかった事。
夜は君の中で眠りにつき、
朝は君の寝顔を横に目覚めたかった。
自分の時間を犠牲にしてでも、君の為に尽くしたかった。
しかし・・こんな部分が、女性としての欠点なのかもしれない。

君を独占したかった。
君は自由に私を独占した。
そんな君の我が侭さが羨ましかった。


40 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/18 16:22
何故なのか解らぬ侭、激怒していた私は、君にきつい言葉を浴びせ乍ら、
闇の中の人通りの少ない川沿いを早足に歩いていた。
君は、私の突然の変化に驚き、それでも重い荷物を肩にかけ乍ら私に話しかけ続けた。
まるで発狂した様に、泣き乍ら喋り続ける私を、君は抱き寄せて黙らせ様とした。
感情が一度に吹き出した私は、止まらぬ侭に泣き乍ら、君を振りきり足早に歩いていった。
途中、川沿いの道端で、君に送ったFAXのコピーの束をいきなり燃やしてしまった。
もう、全部白紙に戻して、こんな辛い状況から逃避する事しか頭の中には無かった。

足早に歩く私を追い掛け乍ら、君は付いて来た・・
君を振り向く事もせずに・・自宅へと入って、激しく泣いた。



41 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/18 16:30
朝方迄泣き続けた私は、ベッドの中で其の侭の姿勢で眠っていた。
その日は、天気が良く皮肉にも爽やかな初夏の風が窓から流れてきた。
しばらく、呆然とベッドに横たわっていたが・・
自分の家に居場所が見つからず、外に出た。

近所のグランドで小学生達が野球をしていた。
ぼーっとした表情でベンチに腰掛け、サングラスをかけた侭、又泣いていた。
君から自宅に電話があるかもしれない・・と外に逃げる事しか考えていなかった。
私は其の頃まだ携帯を所有していない、携帯電話自体に嫌悪感さえ抱いていた。
常に自宅で仕事を進める自分にとって無意味な存在な携帯・・
しかし、此の時程、携帯があったら・・と、矛盾した考えを浮かべていた。

グランドで一人座って泣き続ける私に対する周りの人間の怪訝そうな視線を感じ始めた。
昨夜、自分が引き起こした事から、知らない他人に迄、不快感を与えているのかもしれない、
惨めな気持ちと深い悔恨に埋もれた嫌な自分を、何処かに持っていきたくなった。


42 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/18 16:37
自宅に戻った・・君からの電話が声に残っていた。
留守電を聞いた私は、すかさず君の携帯に電話を入れる。
「昨日はごめんなさい・・」
それしか言葉が出てこなかった。

君は笑って
「今、仕事場に報告したところだから、車だけど、これからそっちに行くから」
それだけを言った。
数時間後に君の車の助手席に私は座っていた。
サングラスをかけて、君の目をまともに見れぬ侭に
俯き加減に身を堅くして、無言の侭、自分の指を見続けた。

君は路上に車を止めて、
「君が必要だから、何を言われても受け止める。総べて受け止めるから」
長い間、君は私に対して真剣に話し続けてくれた。
自分のした事の醜さを反省し乍ら、君が如何に大人であるかという事を再確認した。



43 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/19 15:30
翌日休暇を取った君と私は、朝早く車で出かけた。
私は君の為に描いた絵を、君の車の後部座席に乗せた。
君に架空都市シアトルを観て貰う事が此の日の最大の楽しみでもあった。
君は、個室の中でその絵をゆっくり観ていた。
私は、自分がどれだけ君に惚れているのかを見破られたかと・・羞恥心にかられ、別室に逃げた。
君は言葉も出ずに、黙って観ていた。
目を赤くさせた君を見るのが、辛く、その場から逃げ出したかった。
二人共、その作品が・・其の後、私自身の仕事に大きく影響するなどとは、考えてもなかった。

引き離された原因から解放された二人は、幾度となく愛を確かめあい、一つに溶け合っていった・・



44 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/19 15:36
翌日から又、勤務が再開した君は相変わらず、毎朝、私に連絡を入れ、
「おい、せめてバス停迄送りにこいよ」と、笑い乍ら電話で言う。
私も君の出勤がゆっくりの日は一緒に付いて、羽田迄、同行した。
そして夜になると、駅の改札口で君を待った。

自分が仕事で東京へと出向く時も君と一緒に電車に乗り、共通の駅で別れて、
仕事の打ち合わせの後、空いた時間をもてあまし・・
私は、仕事先への顔出しや友人のオフィースに出向き時間を潰して、一緒に帰宅をする日々が続いた。
今、考えれば、凄い時間を君に提供していた事になる。
・・・充実した時間であった。



45 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/19 15:44
架空都市シアトルの絵は、其の侭しばらく自室に置いてあったが、あるコンクールに思い付きで出品してみた。
その選は大規模なもので、審査員の筋、傾向も把握していた。
よって、予選も通過できぬと思っていた。
コンクールの事を忘れ、君との毎日と仕事に向き合っていたある午後、突然電話が鳴る。
内容を聞いて、かなり驚いたが、例のシアトルの絵が受賞したらしい・・信じられなかった。
君に電話を入れた・・「へえ・・すごいなあ」絶句した君はしばらく言葉を発しなかった。
君は言った「嬉しいけど、君がどこかにいってしまいそう」
君はいつもそんな事ばかり素直に言う・・私だって、いつも思っている。

君がアメリカに行った時も、仕事で遠地に出張した時も、君が旅行に行った時も・・
君が昇進した時も、君が、同僚と飲み会をする時も、君が何処かに行ってしまわないかと、いつも不安だった。

私がこんなに好きな君から離れる時は、
きっと・・自分が君を愛し過ぎて、自分が壊れそうになる時。
自分本来の我が侭さだけが露出して、君を悩ませる事になると思う。
君を取り巻く人間、誰にでもジェラシーを感じ始めた時に、
私は気が狂った様に君との関係を壊してゆくのかもしれない。
君がシアトルから帰った日と全く同じ様に・・



46 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/19 19:48
しばらくの間、君と私との関係は穏やかな空気の侭に流れつつ
時には切ない程悲しく激しく抱擁し合ったり、
まるで子供の様に戯れあったり、
これからの事を真剣に話し合ったり・・
そんな事を二人は繰り返し続けた。

熱海にドライブした。
何度熱海に行った事か・・。
駅前の店を周り、海辺に行き、地平線と波際を見つめ乍ら・・
「ねえ?俺の何処がいいの?」って君は不思議そうに聞いた。
「素敵だから好きなの」と、答えにならない事を笑って答えた。
好きなところは君の精神構造と、頭脳と、温かい性格・・そしてかっこいいから(笑)
あのやり取りの光景は今でも脳裏に焼き付き離れない。
光る海・・光る砂浜・・眩しい光線・・誰にも邪魔されない二人だけの空間・・

断崖のホテルでフランス料理を食べ、帰路、渋滞に巻き込まれ、
それでも二人は車中で指を絡ませ乍ら色々な事を話し続けた。
途中、私が眠たくなり助手席で顎を宙に浮かせ顔を左右に揺らしていても、
君はその顔を温かい眼差しで見ていてくれた。
視線を感じてふと目を開けると「そのまま寝顔が見たかった」と優しく言った。

箱根にも行った・・
硫黄の充満する岩だらけの山に作られた歩道の様な所を、危なっかしい足取りで手を繋いで歩き、
火口付近の店のベンチで、君の口に名物のゆで卵を押し込んで君のお喋りを黙らせた。
あんなに騒いで、ずっと一緒にいて、あきないのは、相性以外には何も無い様な気がする。
君程、一緒に居て、溶け合い、自分をリラックスさせた男は他に居ない・・



47 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/19 20:04
君は私を連れてどれだけの場所に出向いただろう・・。
横浜駅東口からシーバスに乗り山下公園に入り、中華街で食事を幾度しただろうか・・
シーバスの下の階に座り、波の荒さで転倒するのではないかと、
怖がり必死に君に縋付いていた私を、笑い乍ら大丈夫と抱き締めてくれた。
君は楽しい場所を発見しては私を連れていってくれた。

時々仕事で出向く都内でも時間がある限り、映画を観たり、
美味しいお店を探しては二人で出かけて行った。
天王洲アイル、あるビルの最上階に在る会員制の高級クラブに連れて行ってくれた時、
君は相当無理していた様に思う。
その雰囲気に馴染めないまだ若い君は必死に私をエスコートしようと冷や汗を流していた様な気がする。
そんな君に常に感謝し、なんでも受け入れてあげようと思った、
其の頃の私は・・
君には、なんの打算も無く、
純粋に愛する事だけが自分の中で総べてであった様に思う。

君を想い、君の為に出来る事・・・
それは君が望む事を叶えてあげる事。
君が言う侭に常に一緒の空間を所有する事。
君が逢いたい時に何時も君の側に飛んでいける事。
私が逢いたい時に君も側に居てくれる事を願い乍らも
・・私は君からの呼び出しを待つ事だけをした。

二人の関係は、近隣の人々の目にも君の職場の人間にも触れる回数が多くなってゆく。
君の財布の中には私が写真という平面な状態で入り込み、
無防備な君は人々の目にそれを晒していった。
其の事が君と私を引き離す原因になる事にも気が付かずに、
君はあまりにも無防備な姿勢で私を愛し続けた。




48 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/20 18:26
私は自分の仕事に全力を注いでいった。
君に出会う数年前から、登り竜の様な勢いで大きな実績となる数々の仕事が舞い込み、
私は実績を上げる為に寝食も忘れて描く事に埋没していた。

本来・・絵を描くという事は、私にとって自己表現の総べてで有り、
邪心無きものを、ありのまま頭脳の奥に曝け出す事に在った。
曝けだされた頭脳の奥は、身を隠したい程逃避する場所を求め、
まるで、裸体を他人に見られてしまった程の羞恥心が手加減無く襲ってきた。

その行為の存在価値は、お金を得る為の作業と化し、
しかし、其の範疇にさえ最上級の存在意識を塗り重ねていった。
強欲で浅ましい私は、
ピュアな自分を心の何処かに演じていたのかもしれない・・
商業ベースの波に魂を売りつけてしまっていたのかもしれない。

自分は絵を描く事に拠り得るお金には何の意味も見い出さなかったが、
印刷され人々の目に触れる事。
人々に批評をして貰う事。
その反応が収入に結びつくという事。
・・諸々の事実の中で、自分の脳の奥に、さらに矛盾した満足感を得ていた。



49 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/20 18:34
華奢な身体で幾度も倒れ点滴を受け乍ら、
空の馬力を出して、君と出会う迄の数年は過ごしてきた。
君と出会った頃は、傷を深く負ったぼろぼろの状態だったが、
それでも自分を隠し空元気を出して生きていた。
君と出会い、心の一角にゆとりが出来たのであろうか、
君を想う事に拠り、その傷は徐徐に癒えていった様に思う。

女は、冷酷なのかもしれない、目の前にある事が事実で在り、
過去の辛さは目の前の幸せに拠り抹殺出来る生き物である。
過去を綺麗さっぱり拭い去らせてくれた君に出会い、
いつからか君だけが此の胸の中を占める様になった。

自分の為に仕事をしてゆく姿勢は相変わらず変化は無かったが・・
君の為にこそ、仕事の絵も描けるという矛盾した中で心地良さも味わっていた。



50 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/20 18:50
「架空都市シアトル」の絵は、ある美術館に受賞展の間、展示されていた。
君と一緒に観にいきたかったのだが・・
残念な事に其の頃、君とは溝が出来てしまっていた。

その溝を作った一番の原因は、君が私の写真を誰かに見られた事。
「あまりにも無防備すぎる。貴方が悪い・・」
君に抗議した私の言葉を真摯に受け取った君は反省し乍らも、
私との関係を続ける事を頑に主張した。

しかし・・その周りの乱れた和音の共鳴に私はついていけなかった・・
初めて体験する辛い思いに、嘆き悲しんだ。
君を想うあまりに君を拒否せざる負えなかった。
私の哀しみが一体何処に在ったのかよく考えて欲しい。
今でも、君に問いかけたい。



51 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/20 18:55
君と私は表面的に別れた後も、幾度も二人で時間を過ごした。
「別れるのなら俺は会社やめてオウムに入信するぞ」
と、君はバカみたいに意味の無い駄々をこねて私をあきれさせた。
私が心から聞きたい言葉は最後迄、君から発せられなかった・・

君の家の前を車で通り過ぎる時・・哀しみの底に落ち。
君と一緒に馴染んだ車窓からの景色は、刹那さを与え。
君と歩いた川辺のジョギングコースは、近付けない想い出だけが残り。
君と観た映画の数々は君に総べて重なり。
君と過ごした総べての日々を密封する事に、涙が枯れる迄、泣き続けた。



私は自分を殺し、君の為だけを想い、君に冷たい言葉で対応するしかなかった。
解って欲しい・・君を愛する気持ちは今でも変わらない。



52 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/20 19:02
君と疎遠になって、又新たな傷を抱えて自分の居場所を探し続けていた頃、
受賞したシアトルの絵がきっかけで、ある大手クライアントから直で仕事の依頼が入った。
大きなプロジェクトで3年契約。
私はあまりの喜びにどうしていいのか解らなくなり、君に電話を入れたくなった。
しかし・・自分を押さえ込み、仕事関連の友人に連絡をして今後の展開などを相談した。

あの時、私が一番に伝えたかったのは、言うまでもなく君一人だけ・・
君の存在で私の絵が認められたのだから。
私は次ぎのステップに進もうとしていた。

冬の訪れが容赦無く暗い季節に変わる事を告げていた。



53 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/20 19:17
厳寒の中、痩せた背中に早朝の冷気を感じ乍ら、
仕事場へと打ち合わせに向かう私は、
最寄り駅の改札口で君の姿を探している自分に気が付いた。
背の高い、体格の良い君、爽やかな笑顔の君・・
逞しい君のコート姿を追い求めて、
駅の改札口で切符を買う為の時間を、ゆっくり使った。

振り切った筈の君の姿が目の前に浮かび、消えてくれない。
電車を利用する度に・・そんな未練たらしい自分を呪い、君の現実を呪った。

新しい「愛」を求めようとする気力さえも失せ、誰に誘われても心は動かず、
次第に私は一人きりになる事を好んでいった。
プライベートで人と接触するのさえ、負担を感じ始め、
仕事に関しては自分の位置を見い出していたのか、支障は無かった様に思うが、
後に仕事の人間関係さえも潤滑に機能出来無くなる自分に気付く事になる。




54 :LOVE ◆Gsx1ob/g :02/05/20 19:24
精神が君と離れた事で病んでしまった・・
君も同じなのだろうか・・
同じであって欲しいと思う反面、
君は君の新しい位置を見つけて楽しく生きている事を心から願っていた。

君と時々、近所の道で出会うが、
私は俯き加減に歩き、視線を地面に向けお互いに沈黙の侭通り過ぎる残酷さを味わい続ける。
すれ違い様、時に目が合ってしまった時・・
切ない程の哀愁が漂う労りの視線をお互いに感じ乍ら、
それでも、二人は具体的に溶け合う術を実行する事が出来ずに
哀しい日々を送り続ける。

君がかつて運転した私の左ハンドルの助手席に座る私はもう居ない。
右側に座り、君の運転技術にいつも驚き、そんな君を頼もしく見ていた私は、もう存在しない。

君と疎遠になってから、いつも運転席から車窓の風景を眺める事になる。
君が触れたハンドルの温かい記憶が運転中の私の指に伝わる時、
そんな時は自然に涙で目が霞み、道路の片側に車を寄せ、車を停める。
そして涙が途切れる迄、逆らわず流してゆく。



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